第39話:殺害された強盗犯
東都デパート地下駐車場。
自称、未だピッチピチの二十歳である女性は、自分の車の下に向かって歩いていた。
あら?──彼女は空車に成っている駐車スペースの外側に倒れている男に気付いて慌てて駆けた。
「大丈夫ですか!?」と頬を軽く叩く。
ふと違和感を覚え、男に触れる彼女。
体が冷たい。そして額には風穴。
「キャアアアアア!」
彼女は思いっ切り悲鳴を上げた。
コナンが美幸の背中で目を覚ました。
彼女はそれに気付いて声を掛ける。
「よく眠れた?」
「ああ、お陰でな」
コナンはまるで、汚い物を見ているかの様な目で言った。
「何よ?そんな目で見ないで頂戴」
「どうでも良いけど降ろしてくれ」
コナンがそう言うと「面倒臭いわねぇ」と美幸はしゃがんで彼を降ろした。
「あれ、そう言えば高木刑事たちは?」
「ああ、彼らなら地下の駐車場に行ったよ。何でも、そこでもう一つ事件が」でコナンが慌てて駆け去り「起こったんだって」と言い終えた美幸が振り向く。
あれ?──疑問符を浮かべる美幸。
コナンは地下駐車場へとやって来た。そこでは、高木刑事らが第一発見者の女性から話しを訊いていた。
話しによると、女性が家に帰ろうとして車を目指して歩いていたら、男が倒れているのを発見したと言う事だ。そしてその少し前に、場内を猛スピードで走り抜ける一台のパジェロを目撃している。
「その車のナンバーって覚えてる?」
高木がメモをしていると、足下からそう聞こえ、驚いて跳び上がる様なリアクションをした。
「コナンくん、何時の間に!?」
「誰、このおチビちゃん?」と発見者がコナンを見詰めて訊ねた。
「僕、江戸川──」
突然、美幸がやって来てコナンを体当たりで吹っ飛ばし、発見者の女性を見上げた。
「江戸川 美幸、探偵です」
言って礼儀正しくお辞儀をする美幸。
「お姉さん、お名前何て言うんですか?」
「畑地 真衣。宜しくね、小さな探偵さん?」
発見者の女性、真衣はそう言ってウィンクをした。
「それで、車のナンバーは覚えてますか?」
そう訊いたのは佐藤刑事だ。
真衣は美和子の方に向き直って応える。
「えーと、確か練馬の56−48だったと思います」
途端、高木は携帯を取り出して署に電話を掛け、車両ナンバーの照会を要請した。その結果、盗難車である事が判明した。
「ねえ、コナン」
美幸は自分を睨みながら殺意を剥き出しにしているコナンに声を掛けた。
「あなたこの事件どう思う?」
「どうって、未だ判らねえよ」
「そう。私は判ったわよ。被害者は例の強盗犯の内の一人よ」
「何で判るんだよ?」
「無かったのよ。強盗が起こった時、犯人の一人が着ている服の右袖にある筈の物が」
「それと被害者に何の関係が?」
「先刻ブルーシートで覆われた被害者が運ばれて行く時にチラッと腕が見えたんだけど、強盗と同じで無いのよ。右袖のボタンが」
「なっ、と言う事は犯人はもう一人の方か!?」
「可能性は高いわね、ワトソンくん」
「え、ワトソン?」
言ってコナンは目を点にした。
「ま、取り敢えず被害者の交友関係洗ってみましょう?その中にいるかも知れないしね」
言って美幸は高木に声を掛けた。
「刑事さん、大至急被害者の交友関係を洗って?もしかすると知人の中に強盗犯がいるかも知れないから」
高木は疑問符を浮かべながら問う。
「どう言う事だいそれ?」
「被害者が強盗犯の一人なのよ」
「何だって!?」
高木は驚いて感嘆の声を上げた。 |