第35話:毒舌な転校生
「それじゃあ、君も黒尽くめの二人に薬を飲まされ、体が小さくなってしまった、と言う訳じゃな?」
博士はコーヒーをテーブルに置きながら言った。
「で、これからどうするんじゃ?」
その問いに、灰原が言った。
「どうするって、私達と同じ帝丹小学校に通わせるしか無いんじゃない?他に行く宛て無いんでしょ?」
「うん・・・」
「よし、じゃあ先ず偽名を考えよう」
「江戸川 美幸。私が探偵の仕事をする時によく使う偽名だけど、これじゃ駄目でしょうか?」
(江戸川って、俺が考えたのと同じじゃねえか)
コナンは思った。
「それじゃあその名で手続きをしよう」
「江戸川 コナンの双子の妹ってのも忘れないでよ」
灰原が言った。
「おいおい、勝手に決めんなって」
「良いじゃない、二人とも江戸川なんだし」
「あの、妹じゃなくて、姉って事にして欲しいんですが」
「あっ、それ良いわね」
「ちょっ、何だよそれ!?」
と、嫌な顔をするコナン。
「もう決まった事よ。諦めなさい」
「そんなあ!」
「そうとなれば早速手続きをしなくてはな。明日、三人で一緒に行くのじゃ」
翌朝、帝丹小学校では、光彦が元太と歩に転校生の話題を持ちかけていた。
「え、本当かよ光彦?」
「それで、その転校生ってのは男の子?」
「否、女の子ですよ」
(女の子かぁ。可愛い娘だと良いなぁ)
そう思ったのは元太だ。
「しかも噂によると、コナン君の双子のお姉さんらしいですよ」
そんな話しをコナンは横目で、
(また光彦は・・・)
と、呆れた様子で見ていた。
「コナン、お前双子って本当かよ!?」
唐突に元太が話し掛けて来た。
「えっ、そうだけど・・・?」
コナンがそう言うと、元太は再び光彦達と話し始めた。すると、
ガラガラ──教室の扉が開き、小林先生が入って来た。
「はーい、皆席に着いてぇ〜」
小林はそう言って、黒板に<江戸川 美幸>と書く。
「今日は、皆に新しいお友達を紹介します」
と、小林が廊下に向かって手招きをすると、江戸川 美幸こと未来が入ってきた。
その瞬間、コナンを除いた男子の目がハートに変わった。そして、教室中が男子共の声で騒がしくなった。
「はい、皆静かに!」
その言葉に、男子共は静かになる。
「じゃあ、自己紹介を」
小林が美幸に小さな声で言うと、美幸は黒板を親指で差し、
「覚えて頂戴」
とだけ言って空いている席に着いた。その席はなんと、元太の隣である。
(か、可愛いなぁ)
そう思いながら元太は頬を赤くした。
そんな元太を見て、美幸はこう思った。
(如何にもガキ大将ですよと言う雰囲気を醸し出したデブが赤くなって見てる。キモイ・・・)
プルプル──美幸は体が震え、鳥肌が立ってしまった。
そのせいか、ついつい本音が出てしまった。
「見てんじゃねよ、おにぎり頭が!」
ガーン!──元太はショックを受けた。
(おにぎり頭・・・俺ってそんな風に見えるのか?)
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