第30話:ごっつんこ!
その日、灰原は急いでいた。
(俺とした事が、とんでもない推理を組み立てちまったぜ)
それは、三日前の事だった。
新一はみすぼらしい青年を指差し、
「三島さんっ、犯人は貴方です!」
と、睨みつけた。勿論、新一の声は変声機を使った灰原の声だ。
「なっ、僕はやってない!第一、証拠が無い!」
「証拠なら此処にありますよ」
そう言って灰原は、懐から袋に入ったテグスを出し、新一に渡した。
それを受け取った新一は、それを三島に見せ付けた。
(兎に角早くしねえと逃げられちまうっ!)
灰原はスピードをあげた。
すると、偶々曲がり角から出て来たコナンとぶつかった。
「わっ!」
「いってぇ!」
コナンは灰原の顔を見ると、
「いってえな、急に飛び出して来んなっ!」
と、怒鳴りつ・・・。
「あれ、戻ってる」
「あら、ホント・・・」
「って、こうしてる場合じゃない!」
コナンは慌てた様子で走り去って行った。
「ちょっ、工藤君!?」
しかしその言葉は既に、彼の耳には届いていなかった。
その日の夕方、コナンは東京国際空港にやって来た。
(どうやら間に合ったな)
コナンは一安心すると、受付の前まで行った。
「ねぇ、お客様の呼び出しで、小島 百合さんを呼び出してくれない?」
「解ったわ、ちょっと待っててね」
受付嬢はそう言うと、持ち場を離れて放送室に向かった。
それから暫くすると、空港内に放送が流れた。
「お客様のお呼び出しを申し上げます。小島 百合様、小島 百合様。お連れ様がお待ちですので、至急受付までお越し下さい」
その放送から暫くすると、先程の受付嬢と若い女性が姿を現した。
「お姉さんが、百合さん?」
コナンはその若い女性に声を掛けた。
「そうだけど、坊やは?」
するとコナンは、鋭い目つきになり、
「江戸川 コナン、探偵だ。
百合さん、あんたの犯行は全てお見通しだ」
「犯行?はぁっ!?
何よ坊や、私が何をしたって言うのっ!?」
百合は怒った。
「百合さん、あなたは三日前、三郎さんの自宅で三郎さんを殺害しましたね」
「なっ、何の事?」
「とぼけても無駄だ。もうすぐ警察も来る」
コナンがそう言うと、百合は慌てて逃げ出した。
(させるかっ!)
パシュッ!──コナンは時計型麻酔銃を放った。
強烈な睡魔に襲われた百合は、
「はうっ!」
と、発して倒れた。
その後、警察が到着し、百合は逮捕された。
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