第26話:コナン、誘拐殺人事件!
「あぁ、もう何もかも面倒になったわ。」
阿笠邸の地下研究室でそう呟いたのは、コナンになった灰原である。
コナンはパソコンに向かって、睨み付けている。
解毒剤──それが原因である。灰原本来の体で、何度も実験をしているが、未だに成功しないのだ。
(何処がいけないのかしら?)
コナンはプログラムの書かれたテキストファイルを、一段ずつ下げて行く。
(何処もおかしい所なんて無いわね。)
そんなコナンは腹を立て、
「何がいけないのよ!」
と、博士のパソコンのキーボードを、床に叩き付けた。
バキッと言う音と共に、キーボードは真っ二つに割れた。
「何じゃっ?」
博士が慌てて地下室にやって来た。
「わっ、ワシのキーボードが!」
「御免なさい博士。」
コナンはそう言って、地下室を出て行った。
「工藤君──私は帰るから、博士の事宜しく。」
コナンはそう言って、阿笠邸を後にした。
「ふぅ。」
灰原は溜め息を吐いた。
それもその筈。
灰原は、休みの日には毎回、コナンの作った解毒剤を飲まされ、腹を壊して下痢に見舞わされている。
今日はそれが無く、灰原は安心した。
そんな灰原に、一本の電話が鳴る。
灰原は携帯の通話ボタンを押し、
「もしもし?」
と、応答をする。
「工藤 新一か?」
電話の相手は、変声機で声を変え、そう言った。
灰原は蝶ネクタイを取り出すと、ダイヤルを新一の声に合わせた。
「どちら様ですか?」
その言葉に相手は、
「貴様に名乗る必要は無い。」
「何?」
「名乗ってしまってはそこでお終いだからな。
一度しか言わない──良く聞け。」
その言葉に灰原は、神経を集中させる。
「江戸川 コナンと言う餓鬼を預かった。」
それだけ言うと、ブチッと電話は切られた。
「おい!」
灰原は怒鳴るが、電話は既に切れている。
(クッソォ!
何者なんだアイツっ?)
「ムガ!」
猿ぐつわをされたコナンは、サングラスをした怪しい男に、倉庫の中に放り投げられた。
「そこで大人しくしていろ!」
男はそう言って、倉庫の扉を閉め、鍵を掛けてしまった。
「あんな所を見るからいけないんだ・・・。」
男はそう呟く。
あんな所とは一体?
阿笠邸正面玄関・・・。
そこに、一人の若い女性が倒れている。
「お姉さん、大丈夫?」
と、灰原は声を掛けた。
が、返事は返って来ない。
(ん?)
灰原は女性を転がした。
その瞬間、灰原の探偵スイッチが入った。
(刺殺か・・・──血の跡が無いって事は、誰かに運ばれたか、それとも・・・。)
と、女性の足がある方向を見る。
すると道路に、一直線に並んだ血の跡があった。
警察へ電話しようと、灰原は携帯を取り出すと、偶然にも電話が鳴った。
非通知だ。
「もしもし?」
灰原は応答をする。
「おいっ、工藤 新一はどうしたっ?」
その言葉に、灰原は蝶ネクタイを出した。
が、先に相手がこう言った。
「ふっ、餓鬼一人か。
工藤は餓鬼で十分だと言うのだな?
それでも良いだろう。
おっと、今お前の前に転がってる女の死体だが、警察に電話するなんて言う妙な真似はするなよ?」
(何っ、コイツ・・・何処かで見てるのかっ?)
灰原は辺りを見回した。
が、それらしき人物は見あたらない。
「そうだな・・・──先ず、最初の要求でも聞いて貰おうか。」
相手はそう言って、女の遺体を隠す様指示した。
灰原は仕方あるまいと、女性の遺体を阿笠邸の庭の草むらに隠した。
「隠したわ。
次はどうすれば良いの?」
そう言って、次の指示を待つ灰原。
「巧く隠した様だな。
次は東都ビルの屋上に行け。」
そこで電話は切られた。
電話をしまった灰原は東都ビルに向かった。
(待ってろ灰原!)
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