第15話:警視庁特別捜査課
その日、志保は警察庁に呼ばれた。
「江戸川 志保さんだったかな?まぁ、そこに座り賜え。」
40代のオッサンがそう言った。
長田 弘文。
弘文は警察庁の長官。志保を呼んだ張本人だ。
「今日呼んだのは他でもない。」
と言うのは、志保を警視庁特別捜査課に任命する為の話だ。
と言っても、今まで通り普通に暮らしていれば良い。命令があった時、動けば良いのだ。
「ねぇ、美和子。知ってる?」
交通課の由美が、美和子と呼ばれる女刑事に声を掛けた。
佐藤 美和子・・・通称、佐藤刑事だ。
「何をよ?」
美和子は聞いた。
「今日、新しい人が警視庁に来るんだって。」
「新しい人?」
「うん。なんでも、警察庁の長田 弘文が見込んだ方なんだって。」
二人が話していると、その傍を見慣れない女性が通りかかった。
それを見た美和子は、
「ねぇ、あっちって・・・。」
「特別捜査課の部署がある方よ・・・。」
二人は目を丸くして眺めた。
「あの人が新しい人?」
「多分・・・。」
志保は、特別捜査課の部署へやって来た。
室内はとても綺麗で、ホコリ一つ落ちていない。
「君が、江戸川 志保さんだね。」
一人孤立した席に座っている男性が志保に声を掛けた。
長田 宏隆・・・長田 弘文氏の弟君で特別捜査課の警部である。
「兄から話は聞いている。
これを受け取り賜え。」
そう言って、内側に志保の写真が貼られた赤い手帳と、鍵穴の無い黄金の手錠を志保に渡した。
「用はそれだけだ。今日は帰っても良い。」
宏隆はそう言うと、もう一つ何かを渡した。
「それは、黄金の手錠を開くリモコンだ。絶対に、無くすな。」
「はい。」
志保は返事をし、お辞儀をすると特別捜査課の部屋を去って行った。
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