第13話:米花中央病院殺人事件!(後編)
志保は米花中央病院にやってきていた。
ナースステーションでは、ナースが一生懸命仕事をしている。
「すいません。」
志保は窓口のナースに声を掛けた。
「はい?」
「木下 麻衣子さんはいますか?」
「ちょっと待って下さい。」
そう言って、ナースは奥の方へ入って行った。
「木下さん、お客さん!」
ナースがそう言うと、麻衣子が出て来た。
「あの、どちら様でしょうか?」
「Need not know.(知る必要の無い事。)」
麻衣子は、はあ?とでも言いたげな顔をした。
「取り敢えず、屋上で待ってるから。休憩になったら来て。」
そう言って、志保は去って行った。
麻衣子は、休憩時間になると、屋上へとやって来た。
「待っていたわ。」
一足先に来ていた志保が、麻衣子に向けて発した。
「何なの?私を呼び出して・・・。」
麻衣子は言い返す。
「単刀直入に言うわ。外科の中村先生、荻窪 葉子を殺害したのは・・・貴女ね。」
「はあ?」
麻衣子は訳の解らない顔をした。
そんな顔をしている麻衣子に、志保は例の書類を見せつけた。
「5年前。中村先生は、手術ミスで男性患者を一人、死なせてしまった。木下 慎太郎。それが、亡くなった男の名前。貴女のご主人よ。」
「た、確かに、彼の手術ミスで死んだのは、私の夫・・・慎太郎。でも、あれは事故なのよ。私に彼を殺す理由があって?」
「殺されたのよ、木下 慎太郎は。中村先生と荻窪 葉子の手によって・・・。」
「う、嘘よ!そんなの信じないわ!」
麻衣子はもの凄い剣幕で答えた。
「これでも?」
そう言って、志保はポケットからテープレコーダーを取り出した。
「これに、貴女と中村先生の会話が録音されているわ。」
志保はテープレコーダーを再生した。するとテープレコーダーから、二人の会話が聞こえて来た。
「葉子から聞いたわ。5年前、慎太郎を殺したのって、本当?」
「今更何の話をしているんだ?あれはもう、終わった事じゃないか。」
「許さない・・・。」
「ああ?聞こえねえな。」
「許さないわ!殺してやる!」
「お、お、お、お、おい!ま、まま、待てよ!うっ!」
ガチャ!
志保は停止のボタンを押した。
「そ、それ・・・何で貴方が持ってるのよ?」
麻衣子は顔を真っ青にしながら聞いた。
「荻窪さんの家で見付けたわ。」
「そ、そんな馬鹿な!?私は、ちゃんと処分した筈よ!」
「処分?荻窪さんを殺害してから?」
「はあ?葉子を殺した?この私が?バカバカしい。葉子はね、私が行った時には、既に死んでたのよ。」
「いいえ。口封じの為に貴女が殺したのよ。自殺に見せかけてね・・・。
犯行は恐らくこうよ。」
志保は真相を話し出す。
「事件当時、貴女は荻窪さんに呼ばれ、彼女の自宅へ行った。
貴女はそこで、このテープを聴かされ、彼女に脅迫された・・・警察に渡されたくなかったら口止め料を払って、と。」
麻衣子の顔が更に青ざめる。
「そして、持参していた包丁で、彼女の背中を刺して殺した。大方、包丁は脅されると解っていて、持っていたんでしょうけど・・・。」
麻衣子はその言葉にフフッと笑ってこう言った。
「面白い推理ね。
でも、私が殺したとして、どうやって自殺に見せかけたのかしら?」
「床に傷を付け、椅子を傍に立てた。それだけよ。」
志保が言い放つと、麻衣子は脱力し、その場に座り込んだ。
「全部・・・貴方の言う通りよ。」
麻衣子は涙を流した。
「自首・・・させてくれる?」
「ええ。良いわ。」
その後、麻衣子は志保に見送られ、警視庁へ自首しに行った。
コナンは、病室からいなくなった灰原を探していた。
「(博士なら何か知っているかもしれない・・・。)」
コナンは工藤邸の隣にある阿笠博士の家に向かった。
コナンは工藤邸の隣にある阿笠博士の家にやって来た。
「何じゃ、哀君?」
小太りで髭を生やしたコアラみたいな阿笠がコナンに問う。
「工藤君が・・・病室からいなくなったのよ。何か知らない?」
「さあ・・・記憶が戻ったから、退院したんじゃないかのう?」
阿笠は解らないとでも言いたげな顔で言った。
「そう・・・。」
コナンはそう呟くと、阿笠邸を出て行った。
「(アレは!?)」
コナンは新一が出かけていて、いない筈の工藤邸に、電気が点いている事に気が付いた。
コナンは、急いでそこへ向かった。
志保は、新一の部屋のベッドで横になっていた。
「(これからどうっすっかなぁ?)」
志保がそう思った時、突然、部屋のドアが開いた。
「誰だ!?」
志保は起きあがり様にそう言った・・・。
扉の前には、コナンが立っていた。
「は、灰原・・・。」
志保はコナンを見ると、そう呟いた。
「工藤君なの!?」
志保を目の前に驚くコナン。
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