21 シナ人の乱、アメリカにて
明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願いします。
オセアニアの二国でシナ人が国を乗っ取ろうと暴れ始めた頃、同期するようにアメリカでもシナ人が乱を起こした。どうやらアメリカのシナ人はワシントン州を乗っ取って独立を目指しているらしい。アメリカでは流石に国を乗っ取るなんて規模ではないな。日本ではこの情報をカナダ経由で掴んでいて日本の工作が上手く働いていると呑気に捉えていた。アメリカでは強化人の人口が急増していた。日本が促したとはいえ順調すぎるほどだ。この時点でシナ人の人口は二千万人を超えていたらしい。
その頃の日本は南極大陸の攻略と南米大陸の支援を併行して進めていた。
シナ人の乱に対してアメリカ政府は直ちに反応した。シナ人はワシントン州の各地で住民を人質に身勝手な要求を繰り返していた。シナ人を支持する住民は当然の事ながら誰も居ない。そしてシナ人の行動は公式にテロと認定された。
「テロの状況は?」
「ワシントン州の都市部の多くが占拠されました」
「陸軍は何をしている」
「テロリストは状況が悪くなると住民を人質にしてダンジョンに逃げ込みます。一進一退の状況です」
「ダンジョン内への軍の進行状況は?」
「ダンジョン内には誰も入りません。出世から外されるのが分かっていますから」
「命令すればよかろう」
「その命令はお前を出世させるつもりはないと言うのと同じです。閣下は士気が下がった士官をダンジョンに投入してシナの状況を再現するおつもりですか?」
アメリカでは軍によるダンジョンの攻略を行わなくなって久しい。陸軍内ではダンジョンの攻略を指揮した者達が巧妙に本流から外されたことは周知の事実となっていた。兵卒はともかく士官でダンジョンに進んで入ろうとする者は皆無だ。命令すれば突入も可能ではあるが指揮官の士気が保てるとは思えず下手をするとシナで起きたことを再現するだけとなる。ダンジョンに投入した味方の筈の兵が気が付くと銃をこちらに向けていたと言った状況に成り兼ねないのだ。
「ならば州軍を指揮下において投入すればよいだろう?」
「州軍は避難する住民の防護で手一杯です」
「そうか。ワシントン州はヒグマの南下による避難民の多い州だったな」
「ええ、そこを突かれた形です。ヒグマからの防衛を名目にチャイニーズの強化人が大量に入り込んでいて遣られました」
「角付きの奴等とは話が付いていた筈だが?」
「今回のテロはチャイニーズとコリアンの強化人の暴走の様です。テロリストとその他の強化人は交戦中の模様です」
「それは本当か?角付きの仲間内で話が付いているのではないのか?」
「話が付いているとは?」
「だから角付きの奴等が示し合わせてアメリカ合衆国を分割支配するつもりの馴れ合いではないのかと言う意味だ。ワシントン州はチャイ―ニーズの領土にすると決めているとか」
「テロを行っているのはチャイニーズとコリアンのみで他はありません。国を分割するつもりであれば呼応して国中でテロを始めると考えます」
「チャイナとコリアがどんな状況か知っているだろう?あれも初めは一部の角付きの勢力が始めたことだ。それがあっと言う間に拡がった」
「ですがチャイナとその周辺でも争いにかまけているのはチャイニーズとコリアンのみです。争いに乗じて独立した勢力は防戦に徹しています」
「その情報の確度は?近々のものではないのだろう?」
「確かにアメリカ軍がアジアから撤収して以降の情報の確度は低下しています。ですがもし全ての強化人がその様に行動するのであれば世界中の国々が内乱状態の筈です。その様な情報は一切入っておりません」
「……そうだな。考えすぎかもしれん。だがその恐れがある以上は見過ごす訳にも行かん。諸国が内乱状態にないのは獣達との勢力争いで角付きの奴等に余裕がないだけとも考えられる」
「確かにメキシコなどはジャガーの勢力が強大で内乱どころか亡国の危機です。ですがそれならば我が国も獣達の勢力圏は拡大中でチャイニーズの奴等に暴れる余裕はない筈ですが?」
「現実を見よ。チャイニーズは既に行動しているのだ。国としては他の奴等にも備えねばなるまい」
「テロの拡大を防ぐと言う事で宜しいですか?」
「ああ、角付きの奴等への監視を強化しろ。チャイナの二の舞は御免だ」
「ダンジョンへの軍の投入は困難なので強化人達の協力を仰ぐことになりますが宜しいですか?」
「構わん。奴等は上手く使え。だが監視は怠るな」
「了解しました、閣下」
アメリカ北西部の州ではヒグマの南下により住民の南への避難が始まっていた。一部の者達は残って強化人の協力を仰ぎながらヒグマに対抗していたのだがワシントン州でのテロはそれが裏切られた形だ。裏切ったのはシナ人と半島人のみだがアメリカ政府は強化人に対する潜在的な脅威を再確認する事となった。
シナ人の強化人によるテロにより、アメリカではマスメディアの強化人に対する風向きは明らかに変わった。シナ人と半島人以外の強化人達には戸惑いの色が濃かった。ダンジョンンの攻略も人口の増加も順調でこのまま状況を維持しさえすれば問題はなかった筈なのだ。彼等には現状で人同士が争う事に意味があるとは思えなかった。ダンジョンの外の人々も何れは強化人になるのだから。仮に外の人々が脅威を感じて強化人を排除しようとしてもダンジョンさえあれば凌ぐことは可能だ。時が味方なのだから態々こちらから攻撃する必要は無い。この問題についてアメリカの強化人の代表者による会合が持たれた。
「知っての通りチャイニーズがワシントン州で乱を起こして軍や我々と交戦中だ。コリアンはチャイニーズ側に付いた」
「チャイニーズは何を考えているんだ」とエリック。
「チャイニーズやコリアンは権力を掴む機会があれば行動に移すんだよ」とユーマ。
「俺は奴等の事は前から気に喰わなかった」とフリオ。
「俺もだ。コリアンなんて当然の様に黒人を見下しやがる」とライル。
エリックは白人、ユーマは日系人、フリオはヒスパニック、ライルは黒人だ。他にも先住民等がいるがシナ人と半島人の姿はない。前の会合ではシナ人と半島人が国家の転覆やら独立やらと騒いでいたが決まった方針は現状維持だった。強化人の総人口は順調に増えていて外の時間であと二年もすれば外との人口比が逆転する。このまま時を稼げば外の奴等との力関係は逆転してやがては再逆転が不可能な程の差が開く。無理に国家転覆などを図る必要は無い状況だ。まさかシナ人が実行に移すとは……
「外の奴等に喧嘩を売る暇があるならダンジョンを攻略を進めた方がいいだろうに」とエリック。
「権力を掴む絶好のチャンスとでも思ったのだろうさ。己が権力を握る為なら国に外敵を引き込む事も当然とする奴等だからな」とユーマ。
シナ人と半島人の行動がヒグマの勢力が南下してワシントン州の力が弱ったのに乗じたのは確実だ。問題なのは襲った相手が同国人である事とワシントン州の人々が誰もその行動を支持していない事だ。大義名分が何もない。奴等は差別されていて我慢できずにとか喚いて独立を宣言しているが憲法に準じて独立したアラスカとは状況が全然違う。アメリカ人が認める訳がない。どう見ても国家転覆を謀るテロだからな。
「いい迷惑だ。奴等との戦いで削がれる人手を考えてみろ。権力争いなんかチャイニーズの中だけで済ませればいいのに」
エリックは今の状況をまだよく理解していなかった。我慢できなくなったシナ人達が先走っただけだと思っているのだ。
「奴等は奴隷が欲しいんだよ。奴隷にするなら強化される前の人の方が容易だろ」
ユーマの言葉にフリオの目が据わって来た。
「おい、それは時間が経つと外の奴等が強化されて奴隷にし難くなるから今の内にと行動したって事か?」
フリオの言葉を理解した周りの雰囲気が一気に険悪になった。
「ああ、そうだよ」
「チャイニーズに人質にされている連中が今頃は奴隷にされてるって事か?」
ライルの目も据わって来た。そう言えば黒人も少なからず人質となっていたな。
「ああ、今頃は奴等の奴隷にされているさ。奴等の出身地のチャイナとコリアがそうなっているのを知らないのか?アメリカでも同じ事を始めたんだよ」
シナでは古代から清朝が滅ぶまで皇帝による専制政治が続いていたのだ。支配者は変わっても政治制度はあまり変わり映えしていない。皇帝の専制による平和と覇権争いを繰り返していたのだ。共産党の独裁も皇帝が居ないだけで支配実体はあまり変わり映えはしなかった様だしメンタリティの変わりようがなかった。皇帝以外は奴隷みたいな状況が二千年以上も続くとああなるのか?
「そう言えばお前は前から奴等の事を毛嫌いしていたな」
エリックはまだ状況が理解できてはいないらしい。ユーマに偏見があってシナ人の事を悪く言っていると思っているのだ。フリオとライルはユーマの話を聞くとすぐに出て行ったのに。この場にはもうエリックとユーマしかいない。
「ああ、親父から散々聞かされているからな。奴等は信用できん。今回のテロでそれが証明された形だ」
「お前達はこれから如何するつもりだ」
「俺達は奴等の拠点であるダンジョンを一つ一つ攻略して潰す。そして出来得れば浚われて奴隷となっている人達を開放する。地上のことはアメリカ軍がするんだろうから出しゃばる事もあるまい。間違われて攻撃でもされたら堪らんからな」
「当面はそうするしかないな。だが全てを潰すのは無理だ。独立を阻止したとしても奴等はアメリカ中に分散するだけだろうな」
「表向きは独立を阻止すれば上出来だろう?アメリカ政府は軍の功績にしたいのだろうし我々の功績は今迄通り隠したいはずだ」
「……アメリカ政府が如何動くかがその先の問題だな。外の奴等は今回の件で我々に対する警戒心を強めた筈だ」
「まぁ、そうだろうな。チャイニーズとコリアンだけでこれだけのことが可能なら強化人全てならどうなるかぐらいは為政者なら当然考えるだろう」
「状勢の変化次第ではアメリカ軍と遣り合うことになる訳か」
「アメリカ軍と遣り合う必要は無いだろう?時間が味方なんだから。そんな事よりもお前は俺の話を理解しているのか?浚われたのは白人が一番多い。その人達が今頃は奴隷になっているんだぞ」
「それはお前の推測だろう?今時奴隷なんて信じれんよ」
「お前は日本から入ったコリアの情報を信じてはいないんだな。俺は親父に聞いた通りだと納得したんだが」
「あのチャイナやコリアの一般人が奴隷にされているって話か?奴等とは会合で会うぐらいで周りには居なかったから実感がないんだが本当にそんなに酷い奴等なのか」
「奴等は人を見てあからさまに態度を変えるからな。フリオとライルが何故急いで帰ったかよく考えてみるんだな」
人質の殆どが白人なので半島人の頭の中では既に白人が格下扱いなのは間違いない。今頃は嬉々として白人を奴隷扱いしているだろうな。
後日、ワシントン州に救援に行ったエリックが見たのは凄惨そのものだった。抵抗したらしき者は皆殺しで抵抗した様子の無い者の虐殺死体もたくさんあった。そこに女子供の区別はない。生き残った者の話では逃げるのに足手まといだからと殺していったそうだ。大勢の者が選ばれて連れて行かれた様だが今頃は間違いなく奴隷だろうな。
アメリカ政府と他の強化人全てを敵にした形となり、シナ人と半島人によるワシントン州独立の目論見は破綻した。だが事前に予想されていた様にテロの場がアメリカ中に広まっただけであった。ダンジョンはアメリカ中にあって獣達と競り合いながらその全てを攻略する事はまず不可能だ。アメリカでは行方不明事件がある度にシナ人の関与が疑われる事となった。
「ワシントン州のチャイニーズは排除に成功したな」
「はい、閣下。ワシントン州のチャイニーズの排除はほぼ完了しました」
「テロの犠牲者の数は?」
「まだ集計中ですが現在分かっているだけで犠牲者数は凡そ三十万人でその内の死者は十二万人程です。行方不明者を含めると更に増えます。他州も含めるとまた更に増えます」
「……たった三ヶ月でか?」
「奴等は近代兵器も持っていましたからね。軍から盗んだらしきものから銃砲店から入手したものまで。それに強化人であれば一般人を殺すだけなら素手でも容易いです」
「角付きの奴等は危険だな」
「ですがこの程度の犠牲で済んでいるのは強化人達の協力があってこそです。彼等の防護と支援がなければ犠牲者は更に増えていたでしょう」
「だがアメリカ全土で同じ事を起こされたらどうする」
「その場合は国の維持が不能です。閣下が以前言っていた様に強化人の全てがチャイニーズと呼応していたら今頃はアメリカが瓦解していたでしょう」
「……敵に回す訳には行かんな」
「はい、軍だけではダンジョン内に潜むチャイニーズには対処不能ですから」
「そうだな。角付きの奴等を上手く使ってダンジョンに潜むチャイニーズとコリアンを掃討しろ」
「了解しました、閣下」
アメリカの強化人はシナ人と半島人の排除は言われなくても始めていた。取りつかれたように動いているのは初めは呑気に構えていた白人系の奴等だ。まぁ、一番犠牲者が多かったからな。女子供の虐殺死体が積み重なっているのを目の当たりにすればああもなるだろう。日系のコミュニティは元々シナ人や半島人とは揉めていた。それで注意喚起していたからか被害者は数百人と比較的少なかった。それでも多くの者がシナ人と半島人に対しては激高していた。ヒスパニックと黒人は……言うまでもないな。
「エリック、奴等の駆除は順調か?」
「ワシントン州からはほぼ駆除した。そっちは如何だ?」
「ハワイとグアムは駆除済みだ。だが軍が撤収済みのハワイやグアムでワシントン州並みのテロを実行されたらやばかった」
「軍が民間人と共に撤収済みで島に残ったのは強化人とその同調者だけだ。奴等にとっては旨みが少ない。容易には奴隷に出来ないからな」
「猛獣の類はいないし住むには良い所なのにな。軍が撤収した時点でハワイやグアムは独立したも同然の状況にあるし」
「ユーマ、日系人がハワイに避難しているのは本当か?」
「ああ、日系と言うよりアジア系だな。本土にいてテロリストと間違われて殺されては堪らんからな」
アメリカ本土ではアジア系と言うだけで襲う輩も居てダンジョンに逃げ込むアジア系の住人が増えていた。その中にはダンジョンの外に住みたがる者もいたのでハワイ等の比較的安全な地域に一時的に避難させているのだ。またシナ人の中にもテロリストには与しなかった者もいたので彼等を保護する意味もあった。何故だろう?その中に半島人は殆どいないんだよな。
「残念ながらチャイニーズが暴れた地域では特にそんな感じだな」
「画像も流れたからな。あれを見たらそうなる奴もいるさ。アジア系も奴等にはかなり殺されているんだがなぁ」
シナ人と半島人が無抵抗の人々を虐殺する動画や虐殺死体の静止画像がアメリカ中に配信されていた。アジア系の人々はそのとばっちりを受けた形だ。
「このチャイニーズの一件が落ち着くまでは避難も止む無しだな」
「そんな事よりも気になっている事が有るんだが」
「何?」
「奴等の抵抗が弱くないか?二千万人以上いる筈だ。ダンジョンを使って逃げ回っているにしても手応えが無さすぎる。お前の所はどんな感じだ?」
「……やはりそうか。ワシントン州から奴等を駆除して以降は抵抗が急に無くなった感じなんだ。拠点を移したからだとは思うんだがそれが何処かが分からない。その様子では太平洋は違う様だな」
太平洋の島々では拠点とみられるチャイナタウン近辺のシナ人のダンジョンを攻略していたのだが考えていたよりも抵抗が少ないのだ。大勢がワシントン州に行き手薄になっていた可能性はあるがではワシントン州から逃げた奴等は戻らずに何処に行ったのか?
「……国外かもな。メキシコなら陸続きだし逃げれるのだろう?」
「メキシコか……可能性はあるがあそこはヒスパニックの連中が勢力圏を拡げている最中だ。見つからずに済むとは思えんな」
アメリカのヒスパニックの強化人はメキシコに勢力圏を拡げていた。ジャガーやピューマ等の勢力が強く苦戦してはいる様だが着々と勢力圏を拡げている様だ。
「そうか……そうするとアメリカ国内のダンジョンで潜んでいる可能性が高いのか」
「奴等を炙り出すいい方法はないのか?」
「ダンジョンは多いからな。この先は勢力圏を拡げる過程で見つけたら潰すぐらいしか手がないな」
「それではうちの連中を押さえるのは無理だな。身内を殺された者も多いし虱潰しに探し回るぞ」
外で三ヶ月だとダンジョン時間で十年にもなる。ワシントン州の虐殺で生き残った者達の中には成体となった者達も居てシナ人を捜しまわっていた。アジア系にも同じ境遇の者達は居るから状況は同じだ。かち合わない様に担当区域を分けているのだが……
「担当区域からは外れない様に徹底しろよ。こちらに入って来てアジア系だからと襲撃されては堪らんからな。もう何件か起きているが」
「それなんだが何か良い手はないか?」
「州単位で勢力圏を分割して住み分けるとか?」
「それは現実的ではないな。アメリカ全土にこちらの勢力圏が分散しているんだ。それはそちらも同じだろう?」
「まあ、そうだな。それにダンジョン外の住民とは良い関係を築けている地域も多い。俺達はそれを捨てる気は無い」
シナ人と半島人の勢力圏内の住民は今回のテロで悲惨な目に遭っていたが、そこ以外の住民はその地域を勢力圏とする強化人達と協力してテロを防いだ形となっていた。それを実感した住民は意外に多くいて、そう言った地域では強化人達は地域に馴染み始めていた。
「捨てられても困る。アジア系の勢力圏を代わりに引き受けることは不可能だからな」
ダンジョンの外では白人が多数派だが中では既に少数派だ。シナ人の抜けた領域を引き受けることですら白人の力の限界を超えていた。
「ならそれを周知させろ。人同士で争っても不毛だ。チャイニーズの二の舞だぞ。チャイナがどうなっているか知っているだろう?アメリカを同じ状況にするつもりか?そうなって一番喜ぶのは誰か考えろ」
「そうなって一番喜ぶのはチャイニーズだな」
シナ人と半島人のダンジョンを捜し出しては攻略を続けていたのだがある時期を境に見当たらなくなった。二千万人を養うなら人口増を考えると普通は五十以上のダンジョンを保持している筈だ。それが全く見当たらなくなった。未発見のダンジョンに潜伏しているにしてもその痕跡すらないのだ。
シナ人と半島人の姿をアメリカでは見かけなくなった。何処かに拠点を移して息を潜めていると考えられるがはて?