僕と皆と肝試し(前編)です。
03 季節ハズレな
どうも。ええ、いきなりですが、肝試しする事になりました。
どうしてこんな事になったのかと言うと…
〜〜〜〜
『明日は休みの日だね』
『そうだね、真夜』
『進君、暇?』
『暇だよ』
…嫌な予感です。僕も巻き込まれるんでしょうか。
『皆と肝試ししない?』
『賛成。おーい、いせのに彩芽。肝試ししようよ。拒否権は無しだけど』
やっぱりですか。
『どうしてそんな事しなければいけないんですの?』
『いいでしょ、楽しそうだし』
ああ、彩芽さんと進君…この二人は4人の中では仲が悪い方なんです。
『利益がないでしょうって言ってるのよ!』
『遊ぶのに利益も何もないよ!』
ぎゃーぎゃー五月蝿いです。真夜さんが止めてくれると思いますけど、本を読む邪魔しないでくれませんか?
『ふ、二人ともー…』
『大体いつも貴方は…』
『君だって…』
…そろそろですね。机の下に潜ります。
『やめろっていってるじゃないー!!』
真夜さんが泣きながら切れました。筆箱やら椅子やら机やら人間やらが飛んできました。喧嘩は僕から離れた所でやってほしいです。被害を被りますから。
『真夜、やめ…っ!』
『落ち着きなさい、真夜!』
『五月蝿いー!!』
真夜はこうなると止まりません。僕が居ない限り。
『止めなさいよ、いせの!』
『どうしましょうかね』
『ぶっ殺すわよ!?』
怖いなぁ。仕方が無いので机から出てきます。
『真夜さん』
『うるさ…』
『落ち着いて、僕の眼をみるんだよ、真夜さん』
『め…眼?』
『そう。ほら…静かに…』
『しず…かに…』
『そう、良い子だ、真夜さん。ところで、どうして真夜さんは怒っていたのかな?』
『…あれ…?』
僕の特技、催眠術。姉さんの真似なんだけどね。いかみ兄さんは怒ると手の付けようがないから。
『…??』
真夜さんはまだ少し混乱しているみたいですが、まあすぐ戻るでしょう。
『…なんか負けた気分だな…』
進君と真夜さんは付き合っているのです。恋人同士。
『彩芽さん、肝試し来てくれますか?』
『わ、わかったわよ…』
〜〜〜〜
と、いうわけです。そのおかげで僕達は休みの日なのに学校にきているのです。
「楽しみだねっ。彩芽ちゃんも、こういうの嫌いそうなのに…」
「い、いいえ…」
真夜さんの記憶は、一部すっぽり抜けてしまいました。おかげで真夜さんは、自分の理性が消えるとああなるというのを知りません。
真夜さんは、見た目こういうのが嫌いそうに見えますが、そんな事はありません。逆に大好きです。進君もこういうのは好きですね。ジェットコースターとか絶叫系は駄目みたいですけど。彩芽さんは大嫌いです、こういうの。怖がりなんですよね。
僕ですか?僕は、昔は苦手でした。信じないタイプだっただけに、出てきたらどうしよう、って感じでした。
今は、兄弟(主に長女)に特訓させられたため、むしろ出てきたら気合で消し去ってやるという勢いです。とか言いつつ膝が震えているのは武者震いです。
…幽霊より、あの時の精神的外傷が蘇ります。出てくるな。出てくるな。
「良い感じの雰囲気だよな」
…時谷君、どうして居るんですか?
「正直邪魔、ですよ…その明るい髪の色はこの場に合いません」
真夜さん、同感です。だって真っ赤なんですもん。
「そ…それなら進だって…」
真っ白ですからね。
「仲間の顔して入らないでくれるかな?」
僕達は団結力が強いです。…物静かで大人しい子。白い髪の子。地味黒髪眼鏡。高飛車なお嬢様。
…苛め。実際、真夜さんと進君は苛められていたんです。
僕も時々嫌がらせを受ける事がありました。彩芽さんも。
僕達4人は仲間です。誰にも引き裂けません。
勝手に…土足で踏み込むような人を、僕達は望んでいないんです。
時谷君も然り。目立つような人なら、尚更。
前に比べたら交友関係は広がり、苛めやらも無くなりました。
それでも、親友といえるのは…信じきれるのは…家族以外で心を許せるのは…仲間は…
僕にとっては、この3人しかいません。
「何しに来たんですか」
どうしても、冷たい事しかいえません。4人だけだと思っていたのに…
「…」
はっ?土下座?
「…お願いします。居させて下さい」
…。僕も、そこまで鬼ではないですけど…
「理由も言ってくれないとね」
本物の鬼は居るんですよね。
彩芽さん、そのハイヒール、どこから持ってきたんですか。
「言えませんが、居させて下さい」
彩芽さんがため息をはいた。
「…邪魔はしないでよ」
「勿論でございます」
…肝試し、どうなるんでしょうかね。 |