投稿遅れてすいません 何分忙しいのでちょくちょくやっています
フラスコ
1870年 とある森
真夜中
ニュージャージー州からそう遠くない山奥。
草木が生い茂る静かな森に小さな洞窟があった。
洞窟からは灯りが漏れていた。
洞窟の中は広く人が住むのに丁度よいスペースがあり。
数々の機材や本などが並び、洞窟が研究室みたいになっていた。そこに一人の老人がとある研究を行っていた。老人の名は錬金術師セラード・クェーツ。かつて、錬金術師たちを乗せて航海をしていた船アドウェナ・アウィス号に乗っていた一人であり、そこで起こした事件の張本人であり、そして永遠の命を持つ“不死者”の一人である。
「今度こそ、成功するか?」
彼は何か薬品のようなものを調合していた。しかしその薬品の色は通常では有り得ない色をしていた。そしてその薬品のようなものを球状のフラスコの中に入れる
ぎちゃ……
薄気味悪い音が響いた。フラスコの中をみると薬品が徐々に形を成してゆき トカゲのような姿になっていた。
ピギャアアア
新しい生命の誕生は素晴らしいとはよくいうがこの生き物だけは別だった。この生き物は生まれてきていけない そんな雰囲気を醸し出していた。
フラスコの中のトカゲを見たセラードは
「ふん、また出来損ないか」
つまらない表情をみせた。もうこれで四回目である こんな失敗作を作り出したのは…
セラードはアドウェナ・アウィス号で喰らったグレット・アヴァーロから得た知識を使い とある生物を創ろうとしていた。それは……
「“ホムンクルス”を作り出すにはまだ材料が足りないのだろうか……」
ホムンクルス…錬金術師パラケルススが想像したとされる人造人間。フラスコの中で誕生したとされる小さな小人で人間の禁忌の象徴とも言える存在。それをセラードが創り出そうとしていた。
「やはり、あの男…マイザー・アヴァーロがほかの材料の知識を持っているのか。」
セラードは悔しそうに机を叩く。
「くっ…不死の知識だけでなく 材料さえも奴が握っているのか!!」
あの時、先に奴の方を喰らっていればこんなことにはならなかったのかも知れない 過去の自分の失態を今になって後悔することになろうとは……。
セラードが溜め息を吐いた。
その時だった。
洞窟の外から人の怒鳴り声や罵声が聞こえきた。
「くっ もう嗅ぎつけたのか無粋な連中がっ」
セラードは慌てて研究資材と例のフラスコを持ち去り、洞窟の奥へと消える。
洞窟の外には松明を持った数十人の人々がいた。皆 洞窟に向けて罵声を叫ぶ
『出てこい!“魔法使い”火炙りにしてやる!』
『村に災いを振りまきに来た悪魔め!』
『この化け物がぁ!』
ほかにも死ね!や殺してやるぅ!との言葉が響く。
実はこの地区の人々は昔、魔女狩りを行っていた人々の末裔で今でも村に災いをもたらす輩には天罰を下すと言う掟があったのだ。
運悪くセラードはその人々の目に止まりこのように隠れながら研究をしなければならなかった。
別に殺されるのを恐れているから逃げているわけではない。自分は不死なのだから死んでもすぐに生き返る。しかし資料は別だ。万が一燃やされてしまっては今までの苦労が水の泡になるからだ
『火を放て!焼き殺してやれ!』
人々の中心的人物が命令する。それと同時に人々は持っていた松明を洞窟に向けて投げる。炎はみるみるうちに洞窟の中を包み セラードの残された資材や本などが跡形もなく消えた。
自分が今まで集めた資料を残した洞窟が燃えるところを山奥から見ていたセラードは唇を噛む。
いつも冷静な態度をとっていたセラードだが今回ばかりは怒りを隠せなかった。
「愚か者め わしを怒らせたことを後悔させてやろう」
するとセラードは例のフラスコを持ち移動する。
森の奥に進むといやな臭いが漂っていた常人が嗅いだら確実に鼻が曲がるほどのひどい臭い。セラードが臭いがする方向に向かう。
進んでいくと一つの沼があった しかし それはただの沼ではなかった 沼のあちこちに人間と動物の腐りかけの死体や骨が沼に漂っていた。
“死骸の海”それがこの沼の名前だ。この沼にはアメリカが開拓する際、殺したインディアン族たちの死体や動物の死体などが捨てられていてめったに誰も近付かない呪われた沼である。
セラードは持っていたフラスコを沼に投げた。
「ふふ、“出来損ない”だが 育てようによっては化け物になることは確実だろう ははははは」
不気味に笑うセラード
はたしてこの後なにがおこるのであろうか。
数時間後 セラードが沼を後にした後、フラスコの中にいたトカゲがフラスコを破り沼に漂っていた死体を貪り食っていた。
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