12.結ばれて 気づくこと
12.結ばれて 気づくこと
どうやって たどり着いたのか覚えていない
気がついた時には 大沢に即されて部屋の鍵を開けていた
母が入院してから一人で暮らす部屋は学校からほど近く
入居者のほとんどが独身者の一人住まい
ワンルームの集合住宅
良く言えばマンション ひらたくいって普通のアパートだ
狭い玄関にもつれ合うようにして転がり込み
大沢が後ろ手に扉をしめて鍵をかけるのを気配で知った
それ程に 意識は朦朧としていた
気がつけば 広くもない部屋の中 そのほとんどのスペースを
占めているベッドの上に 重なり合うように倒れ込んでいた
貪るように唇を奪われ 口づけが深くなる
大沢の舌が口腔に忍び込んできた
目眩がする
「宏・・・・」
大沢の吐息に混ざる囁きが耳朶をくすぐる
名前を呼ばれて首筋に甘い痺れが走った
「宏・・・・」
うかされたように名前を繰り返す大沢の手がするりとシャツの中に
忍び込み 自分では決して触れる事のない
その存在すら忘れていたような尖りに指が這う
ぞくりと背中が反り返ってしまう
それは軽く爪でかかれただけで その存在を主張する
むず痒いような愉悦がわき起こってくる
「宏・・・ひろし・・・」
気づけば シャツのボタンは全て外され
ひんやりとした空気が胸元に流れ込む
しかし 甘い痺れに似た熱い感触が胸の尖りを包む
大沢の舌がそれを転がし押しつぶすように弄び
軽く歯をたてられて思わず小さな悲鳴が口をつく
「ひゃっ・・・あっ・・・・」
自分の声とは思えない程に甘く爛れた音が漏れる
ただ 人目を避けたかっただけ
校舎の裏とはいえ いつ誰がやってくるかも判らないような
桜吹雪の中から逃れたかっただけ
だから家に帰りたいと訴えただけ
こんな事を望んだわけじゃない
俺は
ホントに?
もっと
もっとと 大沢の唇と肉体に欲望を覚えたのではなかったか?
自分の中に芽生えているやり場のない
たぎり わき起こる感情が判らない
覆い被さるように抱きすくめられた身体が熱い
大沢の身体の熱がたまらない
自分と同じ構造の身体が熱く昂ぶって押しつけられている
その固くしこった熱が 自分にも備わっている事を感じる
擦り合わせるように腰が揺れてしまうのを止められない
自分の身体が意志を裏切っていく
思考が追いつかない
恐い
恐いのに 大沢の手をふりほどけない
その唇から逃れられない
口づけを せがむようにすがりついてしまう
気づけば 下着ごとズボンを引き下ろされ
自分が恐ろしく感じて昂ぶっていた事を知らされる
大沢の大きな手に包まれてそれは甘い蜜を滲ませる
もどかしそうに自らもズボンの前をくつろげて
解放された大沢の昂ぶりがキスするように俺のそれに触れ合わされる
「あっ・・・」
瞬間 頭の中に白いスパークが飛んだ
大沢の手が二人の昂ぶりを一掴みに重ねて
ゆっくりと擦りあげる
その動きに腰が耐えきれずイヤらしく揺れるのが自分でも判る
「おっ大沢ぁ・・・んんっ・・・」
「宏・・・ひろし・・・このまま もすこしだけ・・・」
「や・・・やだ・・大沢 やだ もう 離して・・・」
自分のものなのか
大沢のものなのか
判らない激しい脈打つ響きが脳髄を直撃する
甘い陶酔感に襲われて
かろうじて繋ぎ止めていた意識を手放した
大沢の手の中に 熱い飛沫を放っていた
|