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俺はトンカツ!
作:ヨネ@ハイテンション


 トンカツ

 それは至高の存在

 トンカツ

 それは最高の料理

 トンカツ

 もうとにかくなんでもいいから

 うまい!

 君はトンカツを知っているか!
 
 あのサクサクの衣
 芳醇な香り
 口の中に入れると広がるジューシーな味

 あえて声を大にして言おう

 俺はトンカツが大好きだああああああああああああああ!

 彼女とトンカツどちらかを選べといわれれば
 迷わずにトンカツを選んでしまうほどだ

 ちなみに彼女はいない・・・・・・・

 だがしかし!
 俺に彼女がいるとかどうとかは関係ない!
 関係ないだろ!
 あるわけないだろ!
 泣くぞ!
 むせび泣くぞ!

 コホン
 ともかく、トンカツこそが人間が作り出した最高の芸術品なのである。

 トンカツが嫌いなどという奴は
 
 豚だ!
 
 おもに前世が豚だったに違いない。

 豚肉が食えないイスラム教徒は確実に前世が豚だ!
 根拠はあるかと聞かれたら何ひとつありはしないがきっとそうに違いない。

 むしろトンカツ教が存在してもいいのではないだろうか。
 トンカツのトンカツによるトンカツのための政治!

 ともかく
 俺は今日もトンカツを美味しくいただくのだった。



 事実は小説よりも奇なり

 ある日、目が覚めると私の身体は

 トンカツになっていた・・・・・・

 なんで!?
 一体全体なんで?
 あれか?
 俺があまりにもトンカツが好き過ぎたからなのか?
 トンカツLOVE過ぎたからなのか?
 
 それとも今まで食べられてきたトンカツの恨みなのか!
 豚の恨みなのだブー
 なのか?

 ともかく落ち着こう
 深呼吸をしよう

 おっと、トンカツに肺はないので呼吸なんて出来なかったんだぜ!

 あれなんだろうか
 俺は人間からトンカツに生まれ変わったんだろうか・・・・・・・
 そんな輪廻転生は嫌過ぎる事この上ない。

 俺はお皿の上に乗せられて、今まさに食べられようとしている。
 
 ちょ、ちょっと待て
 食べられたらおれはどうなる?
 トンカツとしてのアイデンティティーを失うのか?

 ってかトンカツのアイディンティティーってなんだ!
 むしろ食べられる事こそがアイデンティティーそのものなのではないのか?

 嫌だ!
 食べるのは好きでも食べられるのは嫌だ!
 
 だって、食われるのって痛そうだ。
 口の中って暗くて怖そうだ。

 まぁ落ち着け
 落ち着くんだトンカツの心臓よ。
 まぁ心臓なんてないんだけれど。

 俺は落ち着いて周りを見回してみた。
 まぁトンカツに目なんて無いだろうと言う突っ込みはあえて無視させてもらう。

 俺ことトンカツの前にいるのはどうも日本人ではないようだ。
 もしや、いやそうだ

 俺は直感的にトンカツ的にひらめいた
 
 こいつは間違いなくイスラム教徒だ!!

 何故そんな事がわかるのかって?
 
 わかるのだ!
 それはトンカツだけに備わったトンカツパワーのみになせる業なのだ。
 俺はこのパワーをトンカツキックパワーと名づけた。
 名づけた3秒後に、言いづらい&語呂が悪いと気がついたが
 まぁどうでもいいので放置しておく事にする。

 ともかくイスラム教徒は豚肉を食べない。
 セーフだ。
 俺は助かったのだ。

 ともかくこれでトンカツとしてどうすればいいのかを考える時間を得ることが出来た。

 トンカツになりましたー
 食われましたー
 おしまい☆

 これではどうしようもないのだから。

 俺が安堵の息をついた瞬間。
 俺の身体は持ち上げられた。
 そして口の中へと・・・・・・・

 なぜだ!
 なぜなんだ!
 イスラム教徒は豚肉を食べないはずじゃないのか!
 こいつはアッラーの教えに背く異教徒か!
 コーランの教えはどうした!
 さぁいますぐ教えに目覚めて俺を口に入れるのをやめるのだ!

 はっ
 この今まさに食べられようとする瞬間
 俺はとても重要な事に気がついたのだ。

 そう

 俺は

 トンカツじゃない

 俺は

 ビーフカツ

 ビフカツ・・・・・・だったのだ・・・・・・

 ビーフ、そう牛肉だったのだああああああああああ

 なんてこった!
 こいつがイスラムでも何の意味もないじゃないか!
 こいつがヒンズー教徒なら!
 ここがインドなら俺は助かっただろうに!

 トンカツ大好き人間がビフカツに生まれ変わって食べられるなんざ
 全くもって滑稽だぜ。

 まぁビフカツも大好きなのだが・・・・・・

 神よ
 どうして僕を豚肉にしてくれなかったのですか
 恨みます。

 そんな俺の言葉が神に届く事もなく
 俺は食べられた。

 しかし、しかしだ
 胃の中に入っても
 バラバラに身体が分解されても
 俺の意識は消えなかった
 俺のトンカツとしての意識は消えはしなかった。

 俺の身体はミクロ単位に分断され
 この見知らぬイスラム教徒の身体にあちこちにエネルギーとして宿った。

 俺の意識も
 俺の存在も
 この男の中に宿った。

 食べる事
 それすなわち
 他の生命を取り込み
 ひとつになる事

 ああ、俺もアイツもソイツもコイツも
 一人ではないのだ

 多数の生命の集合体なのだ

 ああ、俺って悟り開いちゃった

 トンカツなのに・・・・・・・

 もとい

 ビフカツなのに☆


 おしまい ☆














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