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ふたつの国のために
作:地球の星



プロローグ:僕はあきらめない


「コロナ、本当のことを話すよ。僕は…クウォル人だ。」
「えっ…、本当なの…、それ…?」
「ああ。信じたくないことかもしれないけれど、本当のことだ。」
「お兄ちゃん、自分の国のことはしゃべっちゃいけないことだってお父さんに言われたはずでしょ?」
「約束を破ってごめん、カペラ。でも隠すよりは、やっぱり正直に話したほうがいいと思ったんだ。」
 ヒリュウは一旦自分の妹を見て言った後、再びコロナの方を向いて言葉を続けた。
「僕はクウォル国の義務である兵役を終えた後、家族や親友のマフンと共にこの地を旅していて、その中で君と出会ったんだ。」
 ヒリュウは恐ろしいまでの重圧を感じながら今まで隠していたことを打ち明けた。
 その言葉を聞いて、コロナはそれまで築いてきた絆が跡形も無く砕け散っていくような衝撃が走った。
「…今まで…、黙っていてごめん…。でも何て言えばいいのか分からなかったんだ。言えば…、嫌われると思っていたから。」
「じゃあ、ヒリュウ君は何で私を好きになったのよ!何か魂胆でもあったの!」
「無いよ、そんなの!」
 コロナにつられて、ヒリュウも口調が厳しくなり、ついには大声で口げんかが始まった。カペラは何を言えばいいのか分からず、ただビクビクしながら2人を見つめていた。
「近寄らないでよ!私とあなたは敵同士よ!」
 コロナは敵意をむき出しにして言った。
「敵って言うな!生まれた国が違うだけだ!頼むから冷静になれよ!本当に心から語り合えば、きっと分かり合えるから。」
「あなたはキノンを襲って、私の心にこんな大きな傷を背負わせた人でしょう?そんな人なんかに言われたくないわ!」
「僕はやってないよ。」
 ヒリュウは全てを打ち明けた上でコロナと分かり合おうとした。しかし仲は戻らなかった。
 周りの人の反応も厳しかった。
 親友のマフンからは
「僕が何か言ってそれで何とかなれば苦労はしねえよ。」
 と言われ、姉のオゾンからは
「あなたとあの娘は考え方も、背負った過去も違うのよ。国が違うとはこういうことよ。」
 と言われてしまった。
 故郷を追われ、路頭に迷っていたコロナを助けて、生まれ故郷に送り届けたものの、重い過去の現実が2人の仲を引き裂く結果となってしまった。
 それでもヒリュウはあきらめなかった。彼は再び仲良くなれる日を夢見て、反クウォル感情吹き荒れるコロナの故郷の都市に足を踏み入れていった。
「僕があきらめたら、コロナとはもう仲良く過ごすことは出来ないんだ。あきらめるもんか!」
 そう自分に言い聞かせながら、ヒリュウは孤立無援の大アウェー状態に耐えていた。












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