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第3話 〜屋上少年、屋上少女〜




 空が高いや。


 屋上に引っ張って行かれて、
 あんまり空がキレイだったから
 見とれてたら。


 「名前は?」


 その桜井涼(さくらい りょう)って男子が
 そうぶっきらぼうに言う。


 「…そっちこそ名前は?」


 思わずこっちも
 ぶっきらぼうになっちゃう。


 名前は
 さっき先生や渡辺が言ってたから
 覚えたけど。

 だって!!ヒドイよ。

 一時限目の授業、
 どうすんのよ。

 一応ココ、進学校だよ。
 内申とかあるんだよ?

 そういうので
 大学推薦とかだって決まるのに。

 サボるのなんて初めてだよ?

 つい目が(にら)んでしまう。


 「まあいいや。

  …里美(さとみ)、出て来な」


 いいのか!?

 と心で突っ込みを入れてた時。


 桜井涼が『里美』と呼ぶと
 給水タンクの影から
 女の子が出てきた。


 「このコ…?」


 里美って呼ばれたオンナノコが桜井に聞いてる。

 同学年かな。
 上履きのラインの色が
 1年の赤色だ。

 「そう。こいつ」


 コイツってなに。
 初対面なのに…。

 いいけどね。


 その里美って呼ばれた女の子があたしの前に立つ。


 「ごめん」

 そのコが小さい声で(あやま)った。


 「な、に…が?」


 訳がわからなくて。

 あたしはそう聞いた。


 「つまり!

  アンタ。
  昨日3年の女どもに
  水かけられただろ?

  あれな、
  里美と間違われてたんだよ。

  身長も似てるし。
  髪形も。
  後姿とか似てる」


 でっかい声で
 桜井涼が吐き出すように
 一気にまくしたてた。


 「…え。」


 そう言われてみたら。


 里美と呼ばれた彼女は、
 あたしとよく似た身長で
 髪も同じ長さくらいだ。


 …と、言っても…。

 顔立ちはハッキリしていて、
 カワイイ部類だ。


 「だから、ごめんってこと。な?」


 「…うん」


 はあ…。

 よくはわからないけど。

 間違いでした、と。

 へえ。間違い…。


 え!?人間違(ひとまちが)い!?


 間違いで、あたし。
 あんなメに!?


 「と、いうことで。
  じゃあ、アンタ
  戻っていいから」



 ふざけんな!!!!!




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