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第15話 〜大魔王と部活、入門〜




 月曜日。

 朝、翔子と会うと。
 目を真ん丸くして
 翔子があたしの頭をくしゃくしゃにした。


「せっかく髪結んできたのにっ」

「だあってえ!
 髪型、
 カワイくなってんだもん!
 下ろしときなよ!
 このほーが
 かわいいってば!」


 翔子がゆずらないから。

 しかたなく…。



 廊下でポンッて
 翔子の頭、
 後ろから叩かれた。


「今日も色ぺー足してんな
 オマエ」


「また何言ってんですか!
 もー
 真先輩ってば!」


 翔子が軽く怒って
 その人にやり返してる。



 うわっ。

 ナマ真センパイ。

 こんな間近で初めて見た!

 背、高ーい。

 カッコイイー。

 ……。

 でもナンカ。

 幻聴か?
 今の?


「惜しいなオマエ
 もうちょっと胸育てろよ
 何なら揉んでやるぞ?」


 だから。

 さっきから
 幻聴が聞こえるんですけど?


「いつでも受けて立ちますからっ!」


 翔子が元気よく答えている。


「ばーか。
 オンナはコト足りてんの」


「もっー!!」


 ちょっと怖そうな
 でも爽やかな外見から。


 毒舌…
 っていうかむしろ

 エロエロ大魔王な台詞が
 ポンポン出てくる。




「しょうこ…?

 翔子!」


「なに?」

 朝から幸せそうな翔子ですケレドモ。


「今の…
 真センパイっ!?」


「そうv
 朝からラッキー」


 …そうかあ?

 今、あたしの中で
 何かが壊れたよ…?


「でも。
 コトタリテるんだ。
 ほんとに…。
 嫌んなっちゃうよねぇ?」


 翔子が寂しそうに笑った。


「そういや。
 計画なんだけど」

 切り替えて
 翔子が明るく言う。

 心臓が飛び跳ねた。

 ノート、無いから。


「まず情報収集すること。

 って書いたのよ。

 ノート持って来た?」


「!!

 ……忘れちゃ…」


 凄い緊張感だったのに。


「ああ、いーのいーの。
 覚えてるから。

 まず報告からっ」


 翔子がそう
 何でもない事のように言ったから。
 ほっとした。

 


「あのね。
 敵を知らなきゃだから。
 まずどういうきっかけで
 真先輩と亜季サンが付き合い始めたかって
 調べたのね。

 やっぱ部活いっしょだからっての
 重要だったんだけど。

 それでも
 亜季さんのどこが良かったのかなあって
 考えてみて。

 亜季さんとあたしって
 何かタイプがことごとく…
 違うと思ったんだ

 亜季さんって
 どっちかと言うと
 大人しいって噂だし。

 なんか?
 あたしって…
 不利だよねぇ…」


 翔子は翔子なりに
 頑張って考えてるんだ…?



「でね。次よ。次。
 あたし。
 陸上部のマネージャーに
 なろうと思うんだ!」


 はあ?


「そんな事書いたっけ?
 あれ。
 アンタ、テニス部はどうす…」


「辞めて来たさあ!」


「や、辞めたの!?」


 凄すぎる。翔子。


「3年生はこれから引退するから。
 だから
 これってチャンスだよね?」


 そんな事まで考えて…。



「でね。
 灯にお願いがあるんだ」


「いいよ。
 何でも言って」

 あんまり翔子がケナゲだったから。

 もうどーんと来いって気になって。
 あたしはそう言ったんだけど。


「一緒にマネージャーなって!」


 そのお願いに
 あたしは天をあおいだ。







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