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第14話 〜怪しい指令〜




 日曜日。

 本当は塾があったんだけど。

 携帯メールに昨晩
 指令が来た。

 とうとう来たか…。

 だけどその内容で
 あたしの携帯を持つ手は
 怒りで震えた。



『自分の貯金通帳
 カード持って
 斎木公園 朝10時集合』


 カツアゲか!
 こんのぉ不良がっ。

 金か!?
 すんげえ遠回りな脅し。

 怒り心頭で
 それでも一応行ってみる。

 額によるけど
 イザとなったら警察行く覚悟だよ。


 公園まで歩いて行くと

 居た。

 桜井涼だ。
 ベンチに座ってキョロキョロしてる。


「来たけど?」

 すごーくイヤな目で睨みつけてやった。

「ジーパン…。
 ……はあ」

 なぜソコでため息!?

 気分悪いのはこっちですが!


「……まあいい。
 行くぞ」


「って。
 いくらいんのよっ?
 場合によったら
 あたし
 警察行くからねっ」


「ケイサツ?
 また妙なコトを…。

 あー。
 手始めはまず
 5、6千円ってとこだな」


「そんだけえ?
 肝がちっさいな。
 通帳カードじゃなくっても
 お小遣いで足りるじゃん!」

 怒ってるから。
 あたし。

 バンバン嫌味言える。


「は?」


「はいっ!

 これで終わりにしてよねっ。
 ノートは?」


 5千円札おしつけて。

 手を出す。


「俺に払ってどうする!?」

 はい?

「ああ!
 なんか誤解してんだろ?」

 誤解ちがうもん。

「いいから
 着いて来いって」

 先に早足で歩きはじめるから。

 あたしは慌てて着いて行った。





 その日の1日の行動…?


 ……。

 なぜか眼科に行かされて。

 使い捨てコンタクトを購入。
 (もちろんあたしのお金で)


 その後、カードでお金おろして…。


「…オマエ…
 この額はなんだ?
 貯めこんでんなあ」


 とやたら関心されて。

 5万円卸されて。


 そのお金で
 (しつこいけどあたしのお金だ
 今までのお年玉とかで
 30万ある
 親類多いから
 あたしン家)


 美容院行かされて。

 何か知らんが
 勝手に髪型決められ。
 少し色まで!
 染められた。


「こんくれーバレねっーて」

 
 桜井は楽しそうだ。


「次!時間ねえから!」


 もう夕方の6時だったけど。

 次は…
 なんか?
 高そーなブランドの店に連れて行かれて。
 …高いっていっても
 超高級って訳じゃないけど。
 あたしにとっては
 高い
 ってだけの。

 洋服。

 たくさん。

 買った。
 (いい加減しつこいけど。
 あたしのお金だ…)



「指令1。
 完了な」

 やたらご機嫌で。

 桜井は笑ってた。



 …………。


 これは

 なに?



  ***




 ファーストフードのお店で
 いっしょにバーガー食べながら。


「この労力、わかるか?
 オゴレ。
 これくれーはオゴレ。
 コレ指令違うが
 少しは労われ!」

 うるさいから。

(おご)るから!」

 そう言うと
 やっと静かになった。


「でも…
 なんで?」

 聞いてみた。

 だって理解できないんだもん。

「あー。

 少しは考えろ?
 ま
 少しはコレで
 マトモに女に見えるだろ」


 意地悪言う。


 そのすぐ後で

「けっこー可愛いじゃん」

 って。

 マトモに正面から言われて。

 あたしはユデダコみたく真っ赤になった。




 そしてその日、家に帰って。

 何だか桜井って。
 オンナノコの扱い。
 慣れてるな。
 ってそう思って。

 だってあたしが
 楽に話せる。

 変な奴。

 って。

 買った服を眺めた。





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