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ソードロードと書いて剣の道と読め!!
作:卜全



第九話:漢と書いておとこと読め!!


試合開始早々―

俺達は顧問の言葉の意味を知る事になる。

「始め!!」

審判をやっている部長と副部長の合図で試合が始まる。

「そぉぉぉぉぉおいッ!!」

先に動いたのはミルフィーだった。

そうなんです、↑の掛け声はミルフィーのなんです。

ミルフィーは竹刀でカクに攻撃を仕掛けた。

―ジャンプ斬り。

「って、えぇえ!?」

慌てて避けるカク。

ミルフィーの竹刀は空を斬り、床へ。

「まだです!!」

が、ミルフィーは竹刀の握りを変えた。

「秘剣!ツバメ返し〜」

そしてカクめがけて振るう。

「ち、ちょっと…」

バシンッ

カクは竹刀でなんとか応戦した。

「オォ!すばらし〜です」

休まず、斬りかかるミルフィー。

「ちょっと待てぇぇぇえ!!」

カクの悲鳴が道場に響いた。





「すごい戦いだね…」

仲原がゴクッと息をのみ、話す。

「…あぁ」

俺もミルフィーの振るう剣技に目が釘付けだ。

「…でも剣道じゃないね」

「さっきからメンやコテやドウみたいな掛け声が一つもないな」

俺達二人は同時に顧問を見た。

「…ξ」

顧問はあっちゃ〜みたいな顔で頭をかいている。

「東条」

「はい?」

そして部長にクィッと合図を送る。

「送りバンドですかー?」

「違う」



顧問が部長と話す中、俺は楓ちゃんを見た。

楓ちゃんはじーっと二人の試合(死合)を見ている。

「…雅?」

呼んでみるが反応はない。






バシィッ

「おぉぉぉぉおお!!」

そんな事をやってる間にまたミルフィーがとんでも技をやったようだ。

「!?」

それを見て楓ちゃんが眼を見開く。

そうか、考えてみれば楓ちゃんは道場の娘。

あんなとんでもな試合をして怒っているんじゃないか?

「…今のは」

楓ちゃんが口を開く

『今のはさすがにやりすぎです』

そう言うのだろう。

「今のは鬼瓦犯課帳、第23話の殺陣(たて)シーン…」

…あれ?

「…ミルフィーさん、素晴らしい再現度です」

「雅?」

「楓ちゃん、時代劇好きだから…」

ふむふむ…楓ちゃんは時代劇好きと。



「ち、ちょっと、早いとこ、止めてくれ!!」

ミルフィーの猛攻をなんとかさばきながらカクが声をあげる。

よくさばいてこれたな…、さすがディフェンスに定評があるカクだ。

「わかったわかった、東条、試合中止だ」

「わかりました、岸本」

「了解」

部長と副部長が旗を持った両手をあげる。

「ふぅ…助かった」

カクがそう思った瞬間。

「ムムッ!すき焼きぃぃぃぃい!!」

ミルフィーが構わず駆け出す、どうやらまだルールを把握してないようだ。

ちなみにそれを言うなら隙あり…だ。

ダンッ

そんなこんなでミルフィーはカクに向けてジャンプ。

「げっ!?」

突然の事でカクは反応が出来ない。

「ストーップッ!!」

と、顧問の掛け声。

スタッ…

それを聞いたミルフィーは何もせずに着地した。

「ハイ?ど〜しました、サクラバ」

「ミルフィー」

くぃくぃとミルフィーを呼ぶ顧問。

「?」

ミルフィーは頭に?マークを浮かべ、顧問についていく。

「部長、ちょっと頼む」

そう言ってミルフィーを引っ張る形で更衣室に入っていく。

ゴチンッ☆

「アウチッ!!」

「………」

ちょっと沈黙したあと。

「んじゃこの試合は角谷君の勝ちって事で」

「ちょっと待て!何事も無かったかのように再開すんのか!?」

「まぁまぁ…さぁて、これで勝負は一勝一敗一分、これはわからなくなってきたねぇ」

「大将戦で勝負が決まる…って事?」

試合を終えたカクが面を取って話す。

「そゆこと」

「そうか…なら残念だったな」

俺は竹刀を掴む。

「大将は俺だ!!」

「おっ!来たね…、噂の『魔王』」

「違うよ由真、『魔王の息子』だよ」

…魔王子?

「…まぁいいや、とにかく、こっちの大将は俺だ、そっちは――?」

と、そこまで言って一つの事に気付いた。

※1・一年は全員で四人。
※2・楓ちゃん、旭川、ミルフィーが試合に出た。
※3・試合に出るのはあと一人。

…あれ?あと残ってるのは。

「な、永光君、えっと…その、お手柔らかに…ね?」

「な…仲原か」

う〜む…ちょっと可哀想な気がする。

まず俺と仲原では身長差もかなりある。

仲原が剣道の経験者だ、という事なら話しは別だがどうやら仲原も剣道は高校に入ってかららしい。

なんかこのままじゃ悪役みたいだな…。

だがしかし!俺の青春時代の為には勝つしかないのだ!!

「…永光君となんて、絶対勝てないよ」

「仲原、悪いがこれも運命だと思って諦めな」

「運命…」

…なぜ顔を赤くする?

「さて…、そんじゃいくぜ!!」

「もしかして…面つけないの?」

部長が興味津々な顔をする。

「…あれ?」

あぁ、そういや。

危ない危ない…、さすがに面はつけないと―――

「おぉ…装備無しで行くなんて、漢と書いておとこッスね」

――あれ?

「さすが『魔王』、女の竹刀なんでくらってもへじゃないってね」

こらこら…。

「え?防具つけないんですか…?危ないですよ」

「ちょっと待て!今つけるから」

俺は面の装着を始める。

あれ?結び方はこれでよかったんだっけ?














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