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ソードロードと書いて剣の道と読め!!
作:卜全



第六話:昔の傷と書いてトラウマと読め!!


「ち、ちょっと待てや!!」

俺は慌てて顧問に声をかける。

「ん?どうした長光」

「雅は大将じゃねーのか!?一番強いんだろーが!!」

「確かにそうだ、だが一番強い者を大将にしなければならないというルールはない」

「…ぐっ」

言われてみりゃ…そうか。

「それに先鋒は大将についで重要な場所だ」

「あっ?」

「楓」

顧問が楓ちゃんを呼び寄せる。

「…はい」

「中原とミルフィーは今日が初めての試合だ、緊張をほぐす意味でも先鋒を任せる」

「…了解です」

さっ…と楓ちゃんは試合のリング(剣道の試合をやる正方形の場所)に向かう。

その相手は…。

「英次」

面をつけ、準備万端な雨宮が俺の所に来た。

「雨宮?」

「悪ぃな英次、お前、アイツとやりたかったんだろ?」

雨宮の面の先は楓ちゃんを見ている。

「ま…まぁ、順番だし、別に」

「俺な、アイツが先鋒に来る事、なんとなく予想出来てたんだよ」

…なぬ?

「でもな、あの日…入学式の夜にアイツの剣道を見たら」

雨宮はぐっと竹刀を力強く握る。

「なんか…思い出してな、昔、剣道やってた俺を」

「…雨宮」

雨宮 龍丸は剣道をやっていた。

「…いってくる」

「あぁ、勝ってこい!!」

仕方ねぇな、譲ってやるさ。

雨宮、そして楓ちゃんが互い礼をする。

「ほう…、彼、剣道の経験者だね」

「!?、わかるのか?」

「構えが違う、アレは剣道やっていた者の構えだよ」

さすがに剣道部の顧問やってるって事か。

「そうだ…、雨宮は昔、剣道やってた」

中学の時だ…。

雨宮は剣道を小学校からやり、そのまま剣道部に入った、そして退部。

別に剣道がつまらなかった訳でも弱かった訳でもない。

その逆、強かったのだ。

一年から雨宮は団体戦のメンバーに選ばれ、試合に出た。

期待されていたのだ。

―そして、それが気に入らないやつら(部活の先輩数人らしい)も居た。

ある日、大会中にソイツらの一人が財布が無くなったと騒ぎだした。

そして…財布は雨宮のバックに。

もちろん…雨宮はやってはいない、ハメられたのだ。

その事件で…雨宮は剣道部を退部した。

「…雨宮」

やっぱ、剣道やりたかったんだな、ずっと…。

「あっ、ちなみにその先輩共は後から皆でフルボッコだったが」

「…?なんの話しだ」

「いや…なんでも」

やべ…声出てた。

「しかし…雨宮が剣道をやっていたとはな」

楓ちゃんと雨宮を見て、顧問が部長と副部長に合図を送る。

雨宮が白、楓ちゃんが赤だ、一本をとった時にその旗が上がるのだ。

「では…これより一本目を始める、開始!!」

始まった…雨宮と楓ちゃん、互いに剣道経験者。

こりゃ試合が長引くか…。

なんせ竹刀持ったアイツにゃ俺も勝てな―――。

スパーンッ

「一本!!」

「…あれ?」

早ッ!!

部長と副部長が高らかに赤い旗を上げている。

赤って事は…楓ちゃんの?

「まっ…今回に限っては相手が悪かったな」

顧問がニヤニヤと笑っていた。









「…あれ?」

俺(雨宮)…、今一本くらったの?

全ッ然見えなかったんだけど…。
「よし…次、二本め、始め!!」

えっ…ち、ちょっと待てっ―――。

タンッ―

気が付いたら…目の前に雅が。

バシコーンッ!!











雨宮がとぼとぼと帰って来た。

「…お〜い、雨宮」

雨宮の顔近くで手を振ってみる。

「………」

反応がない。

「…駄目だこりゃ」

「ショックだったんだろーな…」

ビクゥッ

「おっ…動いた」

「…ちょっと飲み物買いにコンビニ行ってくる」

「あぁ、行って来い」

そのままフラフラ〜っと出ていく雨宮。

面、小手、胴、竹刀のフル装備をつけたまま…。

―あのままコンビニ行くのか?

「…ショックだったんだろーな、よっぽど」

「あんな長い回想とかついてたのに試合時間短かったしな…」

なんて不憫な奴…。



「雨宮…か、実力が見れないのは残念だったな」

顧問はメモ帳に何か書く。

「さて…、次鋒戦を始めるか、旭川」

「了解ッス、バ〜ンとやっちゃうッスよ!!」

眼鏡をかけた女、旭川が正座から立ち上がる。

「うっし…、俺の出番だな」

「よっしー、相手の力は未知数だぞ」

「わかってるって、うわ…面臭ぇな」

よっしーと旭川が互いに試合場に出る。

「…よし、まず、礼から」

「………」

が、よっしーは動かない。

「?、どうしたんスか?」

「…礼ってどうすんのさ?」

あぁ、そういや…。

「何も知らないだな…、お前達は」












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