第五話:自己紹介と書いて第一印象と読め!!
日曜日…。
「おぉ…ここが剣道場か」
「この学校のは初めて入るな」
俺達四人は剣道場の前に来た。
「んで…誰に言えばいいんだ?」
「あっと…確か、顧問が桜場って先公だわ」
バシッ
「ぐはっ!?」
突然、後ろからどつかれた。
はたかれたとかじゃない、どつかれたのだ。
「桜場先生…だろ?」
「ぐっ、てめ…」
ズガッ
「やぁよく来たな、とりあえず中に入れ」
どつかれ、頭をさする俺を無視し、桜場は雨宮達を中に通す。
「お前の言う通りあの先生美人だな」
「性格最悪だがな…」
中に入る、部員であろう、六人の女子が正座していた。
「さて…そうだな、まずは軽く自己紹介からいくか」
桜場は俺達を見渡して話す。
「私は剣道部顧問の桜場 遥だ、ほれ、次」
「あ?私?部長の東条 由真、よろしく〜」
二年、部長がニコニコと笑いながら自己紹介をする。
「あたしは岸本 恵、二年で副部長ね、趣味はアルバイト」
趣味は別に聞いてないんだがなぁ…。
「と、三年は受験で来れないから上級生は私らだけなんだよね、あとは一年から」
部長が楓ちゃん達をちょいちょいと呼ぶ。
「んじゃまずは岬ちゃん、自己紹介いってみよ〜!!」
「えぇ!?私からですか?」
「ど〜せやるんだし誰からやったって一緒だよ」
「うぅ…、えと…、中原 岬です、長光君とは同じクラスです、よろしくお願いします」
ペコリと頭を下げる中原。
「長光君、本当に剣道やる気なんですね」
「あ?俺が剣道やっちゃいけねーのか?」
「す、すいません!!」
「…なぜ謝る?」
俺はただ普通に聞いただけなんだがな…。
「え…?あっ!すいません!!」
「…まぁいいや」
「んじゃ、次は自分の番っスね、一年!旭川 日比ッス!!」
ビシッと敬礼をする眼鏡をかけた女。
「いや〜、入部を賭けての練習試合なんて漫画みたいで良いッスね〜」
女…、旭川は楽しそうに話す。
「これでブログのネタにも…、ゲフン、ゲフン!」
「…あ?」
何?今のわざとらしいやつは?
「な、何でもないッス、じゃあ次!次行きましょう!!」
旭川はそう言って次に自己紹介する奴を呼ぶ。
…ん?あの女は?
「ハァイ!みなさん、おはよ〜ございます」
外国人…、髪や瞳を見るにアメリカか?
ちなみに今は昼だがな。
「ミルフィー・フラッチです、よろしくお願いしま〜す」
「へぇ…外国の人が剣道やんだな、なんか珍しいな」
「ミルフィーは【和】マニアなんスよ」
「イエス!ハラキリ、セップク、ウチクビ、日本の文化は最高ですね」
「いやいやいや、それ間違った知識だから!!」
日本誤解してんな、コイツ。
「今日は決戦デスね、安心せよ、ミネウチでござる〜」
ブゥン、ブンッ!!
「どわっ、危なっ!!」
言いなりミルフィーは竹刀で高速素振りを始めやがった。
コイツ、ぜってぇ峰打ちをする気がねぇ
「さて…最後は今年入部したうちの剣道部最終兵器!!」
…!、来た。
ズィ…と部長と副部長が押す人物こそ。
「…雅 楓です、よろしく」
ペコリと頭を下げる楓ちゃん。
くはー…可愛いぜ!!
「…親父ハンターはもうやめましたか?」
が…顔を上げた瞬間、鋭い目で睨まれた。
やべ…まだ誤解されてる。
「カエデ、親父ハンターとは?」
外人、ミルフィーが興味津々な顔で楓ちゃんに聞く。
「それは私も聞きたいな…」
そして顧問の桜場も興味津々で…、げっ!誤解とはいえこのままじゃマジィ!!
「な、なんでも無いよな、さっ…俺らも自己紹介しよーぜ!!」
よっしーが機転をきかせて話を進めた、ナイス!!
よっしーとカク、雨宮が順に自己紹介をする。
…次は俺か。
「さぁ…時間も無い事だし早く試合を始めるか」
パンパンと手を叩く顧問。
「待てやコラッ!!」
「ん?どうした長光君」
「今かる〜く俺の番飛ばしただろ」
「あぁ、君の事はよくわかっているからな、なんせ有名だ」
チッ…この顧問。
「いや…しかし、ちゃんと四人揃えて来たようだな」
「ったりめーだ、ホラ、対戦順」
俺は対戦の順番を書いた紙を渡そうとする。
「…ふむ、どうだ長光、ここは対戦順を発表せずに試合をしないか?」
顧問がニヤリと意味深な笑いをして聞いてくる。
「あ?なんでまた?」
「誰と誰が戦うかわからない方が面白いだろ?我々的にも、読者的にも」
まぁ…ど〜せ楓ちゃんは大将だし、俺は楓ちゃんと戦えればいいし。
ところで…読者的にもってなんだ?
「まっ…なんだっていいや、んじゃそれで」
「ふむ…、では防具や竹刀はそこの更衣室にある、準備が出来たら始めるか」
顧問の案内で俺達四人は更衣室に案内された。
「とりあえずサイズの合う物を選んでおけ」
「あの…」
カクが小手を持ちながら手をあげた。
「ん?どうした、角谷」
「なんかめちゃくちゃ匂うんだけど」
「剣道の防具が匂うのは自然の摂理だ、気にするな」
「いや…でもこの面とかカビはえてるし」
「それは変えられない運命だ」
確かに…マシなやつが一つもない。
「こんなんつけたくねーよ」
カクとよっしーの訴えに顧問はハァッ…とため息をつき。
「お前達…何もわかってないな」
「あん?」
「それはなこの剣道部の先輩達がつけていた物だぞ」
「え!?」
「じゃ、じゃああの娘達の先輩が」
「あぁ、過去につけていたものだ」
「…って事は」
「その先輩の匂いが染み付いてる」
気持ち悪いな…お前ら。
二人は互いに顔を見渡し。
「俺、コレつける!!」
「コレは俺んだ!!」
防具の取り合いとなった。
「まっ…誰も女子とは言ってないがな」
ボソリと恐ろしい事を呟く顧問だった。
〜着替え中〜
「おっ…準備出来たか」
胴着と胴、垂れをつけ、竹刀を持って道場の中に入る。
小手と面は匂うのでまだつけないでおこう。
「うむ…なかなか似合っているじゃないか」
「ところで君ら、剣道の経験はあるの?」
部長が聞いてくる。
「大丈夫だって、前に木刀持った奴らに素手で勝ったし」
「…はい?」
口をあんぐりと開ける部長。
「ん?木刀のが竹刀より強いだろ?その木刀相手に素手だぜ、素手」
「いや…まぁスゴいけどさ」
部長は呆れた顔で。
「みんな〜、たぶん勝てるよ」
試合参加メンバーにグッと親指を立てて報告した。
ナメられてるな…おい。
「一応言っておくが…ルールはわかってるよな?」
「まぁ…そこそこに」
「…試合時間は五分、延長に入った場合は三分、それまでに面、小手、胴のどれかで二本とれば勝ちだ」
顧問が基本的なルールを説明していく。
「なお、今回は突きの使用は禁止する、初心者がむやみやたらにやるもんじゃないからな」
まぁ…女相手に使うつもりもないけど。
「それじゃ始めるか…、そちらの先鋒は?」
「うっし、頼んだぜ、雨宮」
「あぁ」
すでに面と小手をつけている雨宮が竹刀(自分のやつらしい)を持ち、立ち上がる。
さ〜て…相手は誰だ、中原か?眼鏡女か?外国人か?
とりあえず剣道やってた雨宮だ、まずは一勝…。
「よし…、ではこっちは楓、頼むぞ」
「…はい」
スクッと立ち上がる楓ちゃん。
…え?あれ? |