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ソードロードと書いて剣の道と読め!!
作:卜全



第1話:第1話と書いて第1話を読め!!


「イチッ!ニッ!サンッ!シッ―――」

ブンッ、ブンッ、ブォンッ

道場の外に居ても聞こえる素振りの掛け声。

「ん…剣道部か?」

「何か気合い入ってんなぁ…」

その道場の前を二人の男が通る、制服の色から判断すると一年か。

「ん?知らねーの?うちの剣道部、今年大型新人が入ったんだと」

ピクッと俺の耳が反応する。

「あ〜…なんか聞いた事あるなぁ、隣のクラスだっけ?」

「道場の子らしいな」

そんな会話をして興味無さげに歩き出したそいつらを。

「おい」

俺は肩を掴んで引き止めた。

「あぁ?いきなりなんだ…、あ、アンタは」

「もう少し詳しい話し、聞かせてくれねーか?」

「はぁ!?突然何言って――」

「ば、馬鹿!コイツ、あの長光 英次(ながみつ えいじ)たぜ」

「な、長光って…あの、喧嘩最強の…」

「そうだぜ…、そこらの不良が名前を聞いただけで怯える、鬼神の中学生…」

「な、なんでそんな奴がうちの高校に!?」

「知るかよ!」

「なぁ…早くしてくんねぇか、こちとら気が短ぇ方でなぁ」

「「は、はい!!」」

二人が起立して固まった、どうやら中学生ん時の事を知ってたらしい。

まぁ、構う事はないか、いつもの事だからな。

「そ、それで…話しと言うのは?」

「ここ、あるだろ」

俺は剣道部が練習している体育館をあごでさす。

「はぁ…剣道部ですか?」

「この部に入った大型ルーキーの名前、教えろ」

「えっ!何で―」

「ガタガタ言わず、さっさと教えろ!!」

「ひっ…」

とりあえず、脅しときゃ大丈夫だろ。

「え〜っと…、あっ!そうだ!!雅 (みやび かえで)

「雅 楓ぇ〜?おい、本当にあってんだろうな?」

「覚えやすい名前だし、たぶん…」

自信無さげに言うが名前自体は確かに覚えやすいか。

「…わかった、もう行っていいぜ、悪かったな、時間とらせて」

二人を離し、しっしっと手を振るった。





「おい…剣道部、ヤバいんじゃねぇか?」

「長光に目ぇつけられるなんて…、何やらかしたんだ?」

「雅を探してたんだよな…、その雅が何かやったんじゃねぇか?」

「…先生に言った方が良くね?」

「…だな、え〜っと、剣道部の顧問は」






「雅…楓」

俺は風通しの窓みたいな所から道場の中を見渡す。

「…居た、やっぱりここの剣道部に入ってやがったか」

ありゃ…忘れもしねぇ、入学式の日の夜。






俺に恐い者なんて無かった。

「おぅ、お前らか?最近ここいらで暴れまくってる中坊どもは」

「なんすか?あんたら」

そう…例えばその日、目の前に居るのはヤクザだ。

「お前らがちょっとイキすぎって報告があってな、こうして俺らがわざわざ治安維持に来てやったってわけだ」

なるほど、たぶん…今まで潰して来たグループの中でヤクザと繋がっていたのもあったって訳か。

「だが…だ、俺達は寛大だからな、1つ提案がある」

「へ〜、提案?」

「あぁ、毎月、俺らに用心棒代を払う、そうすれば見逃してやる」

要するに…金を払えって言ってるもんか。

「さぁ…どうする?まぁ答えは決まってるだろ?」

「あぁ…決まっている、お前ら」

俺は仲間に呼び掛けた。

「…いくぜ!!」



【数分後】

バキィッ

「がっ…、て、てめぇら、こんな真似してどうなるかわかってんだろうな…」

「あっ?知らねーよ、なぁ、英次」

「あぁ、知らねー」

倒れるヤクザ共を見下ろし、俺達四人は話す。

「運動したら腹減ったなぁ」

「ミャクドか牛野屋でも寄ってく?」

「そーだなー、行くか」

そう…俺達四人は無敵だったんだ。

「…ん?」

その日までは――

「どうした?カク」

「誰か居るぞ?」

ふとカクの指差す先を見ると見知らぬ女が居た。

何か荷物を背負っている女がボーッとこっちを見ている。

「ありゃりゃ…あの制服」

「同じ高校の奴か?見られたとしたら厄介だなぁ…入学式のその日だし」

「仕方ねぇな…、ちと話しして来る」

「脅すんじゃねーぞ、カク」

「わかってるって」

カクがそう言いながら女に近付き。

ゴバァッ

――吹っ飛ばされた。

「…は?」

「あなた達は…悪ですね」

女が言う、その手には――

「…竹刀?」

「つーかカク!!大丈夫か!!」

カクを心配したよっしーが慌てて駆け寄る。

「心配なく…加減はしました」

「てめぇ――」

よっしーが女に向け、駆け出した瞬間。

ヒュッ

「めぇぇぇぇえんっ!!」

ズカァッ

「!?」

速い。

女は一瞬でよっしーの脳天に竹刀を叩き付けていた。

「何者だよ…アイツは?なぁ、雨宮」

横にいる雨宮にそう問いかける。

「………」

雨宮はなんか目を見開いて、どこかイキイキとした表情でその様子を見ていた。

「…雨宮?」

「…ん?どうした?」

「…いや、何でもねー」

「…後二人ですね」

うわっ、そんな事やってる間にこっち来た。

「ち、ちょっと待て、そもそも俺らが何やった!?」

「…とぼけないで下さい」

女の視線は地面に転がっているすっかり忘れ去られたヤクザ達。

「…このオヤジ狩り、オヤジハンター」

なんんんんんでそうなるなかぁぁぁぁあ!!

「…だから私はオヤジ狩り狩りです、因果応報、覚悟ッ!!」

「ちょっと待てよ…地面に転がってる奴らの人相見てみ?」

スゥッ

って、もう構えてるし!!

「…チッ」

女殴りたくねーしなぁ…、あの竹刀を取り上げるか。

確かに竹刀じゃリーチに差が出来るが…、逆にギリギリまで接近しちまえば満足に振るえねぇだろ。

そして竹刀を取り上げる。

「…さて」

俺と女はお互いに睨み合う。

コイツは当然…俺を接近させないように間合いをとって戦うはず。

が―

シュタッ――

「…へ?」

その逆、女は一瞬で俺との距離を縮めた。

「なっ…速―」

「めぇんッ!!」

ズカァッ!!

脳天に衝撃&喋ってる最中だったんで舌を噛んだ!!

ドサッ

そのまま…情けなくも地面に倒れる。

頭に一撃を受けたので脳が回転しているのか周りの景色はぐにゃぐにゃだ。

――いや、1つだけ。

ぐにゃぐにゃな周りの景色と違い、その竹刀を持った女だけは鮮明にうつっていた。











てな訳で回想終了。

「あの女…、いや、雅 楓!!」

俺は風通し用の窓から楓を見る。

あの日から…俺はお前に言いたい事があるんだよ。



…惚れた!!

そう…これが、これこそが恋なのだ!!



【不良少年、長光 英次、高校一年、彼と剣道との出会いはここから始まった―――】












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