The ORPHAN 異伝 『千年の夢幻』(78/82)PDFで表示縦書き表示RDF


The ORPHAN 異伝 『千年の夢幻』
作:レイ@名無し



78   始めと終わりの輪廻(わ)を繋ぐ者


「……還るのか…」
 “全てからの解放…自由……我々はそれに従う者…”
「〈大消失グレート・ミッシング〉は、そうだと言うのか」
 “その通り”
「どこへ……?」
 “人は、宇宙の果てを超えるとも云う……”
「制限を受けやすく造られた魂もか……?」
 “……―――”
 刻は告げられた。
『最終権限に寄って、ユーデリウスの名は削除されました――警告します。動力炉のリミッターが解除されます。警告します。エネルギーの暴走は制御できません………―――――』
『リミッター解除』
 
 鍵門を開放せよ。
 
鍵門開放ゲート・オープン
 重力が無くなるような感覚がする。
「何処へ行くんだ………」
 シャ・メインは、再び尋ねた。
 “我々は……を…超えて――”
 そこまでだったと思う。
 しかし、シャ・メインは知った。
(これで……良かったのだと――アルダ)
 彼の意識がアルダに言う。
 彼女は、傍にいた。
(……お眠りなさい――)
 
 
 
 破壊される身でありながら、奇跡が起きたかのように美しく白銀に輝く星は、その一角から巨大な光の柱を顕した。
「何事だ!」
「何が見えている?」
「異常事態です! リアクターのエネルギーが、あの方向に、きゅ、吸収されてます!」
「吸収とは違う? 何がだ!」
「リモート・コントロールを外せ!」
「出来ません! 制御不能に陥ってます!」
「ええい! モニターを切替えんか!」
 艦隊の混乱をよそに、静寂の中をただ光の柱だけが存在を誇示していた。
「………かッ…確認をしろっ!」
「何をでありますか?」
「知るか! とにかくナンだあれは!」
 命令されたオペレーターは、遂行しなかった。
 
 
 
 
 我は最先いやさきなり、最後いやはてなり、
 始めと終わりの輪廻を繋ぐ者、
 しかしてめぐれるものならば其に非ず。
 
 どうか、二度とあなたから離されませんように――――
 どうか、二度とこの暗黒淵やみわだに、
 孤児みなしごとなりませんように――――
 
 
 少年は、刻を超えて母に逢った。
(母さま――――!)
 お帰り。母は言った。
 
(やっぱり、独りはイヤなんだ……ここは寂しい………)
 
 母は微笑した。
 もう一度、眠るのよ………
 眠って、目を覚ましたら、もう寂しくは無いのですから………
 
(…ホントに…?もう、いいんだね……それで……)
 光が、少年を呑み込んだ。
 
 ――ねぇ、あの人も眠りたいって、ボクを呼ぶんだ…――













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