掌の中の時間
初めてこの手を握ったのは、養父だった。
露店街にただ一人、土煙の中佇む孤児の私に手を差し伸べてくれた。
次に握ってくれたのは私にとって義妹になる、養父の実娘だった。病臥の養母が握った時は、今際でだった。
二十年以上経った今、養父は家族を守る為絡まれたヤクザから、義妹は養母の病の遺伝にて、他界してしまった。
今この手を握るのは義妹が残した幼い娘。
至福を与えてくれた皆への恩に、次は私がこの娘の掌に時を刻もう。

ジャスト200文字の小説たち
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