テイルズオブミクリヤ〜新世紀〜第一章縦書き表示RDF


多少グロテスクな表現を含みます
テイルズオブミクリヤ〜新世紀〜第一章
作:勇者


『♪〜♪〜』


和樹は楽しそうにいつもの登校ルートを歩いていた


とは言っても大体が草むらと坂道でできた駅までの道のりと、駅からすぐの高校までだが


『♪〜』


和樹がこんなにも楽しそうなのはもちろん学校が楽しみだからではない


今、和樹の携帯には先日ダウンロードしたレア物のキャラクターソングが数曲入っていて、今まさにイヤホンを装着し、聞いていた


『♪〜』


当然和樹の耳には音楽しか聞こえておらず、その音が周りに漏れて近くの女子校生やお姉さんたちに丸聞こえなんてことは全く気にしない


まぁ、そんなこんなで駅に着いた和樹は惜しくも電車を見送り、来た道を引き返した


ゴンゴン!という音でせっかく朝の優雅な一時を満喫していた義元有期は目を覚ました


『…ん?』


いつもの事ながら有期は重い腰をあげ、玄関に向かう


『ユーキぃ』


聞こえたのはやはりいつもの声だった


『はぁ…和樹、またサボりか』


古くからの友人和樹の来日に、有期のテンションが下がる


『サボりじゃない、電車が自分勝手な行動をとったんだ』


有期は大体の状況を察する


『あ〜…はいはい』


そんな態度で受けながし、二人は有期の部屋に向かう


『オヤッサンは?』


と、和樹


『仕事』


有期は当たり前のセリフでかえす


『まぁいいか、んじゃ俺は寝るから』


そう言って和樹はコタツに潜り込む


『…ったく』


有期は文句を言う暇もなく寝息をたて始めた和樹を放っておき、読みかけの小説を読みはじめた


『今藤!バリスタバリスタ!!』


『有期さん大砲お願いします!!』


『ぃよっしゃぁ!!』


という騒がしい声で和樹は目を覚ました


『…ん?』


『あぁ、起きたか』


テンションの低くなるモーニングコールに和樹のテンションも低くなる


『……よぉ』


そこには先ほどまではいなかった人物、今藤文宏がいた


『ちゃっす』


和樹は時計を確認する


午後七時半


睡眠時間11時間


『……あ〜』


丸1日を無駄にしたような気持ちが和樹を襲った


『なんならお前も行くか?次はアカムだが』


和樹は鞄から携帯ゲームを取り出す


『行く』


と、その時


『有期!有期!外出てみろ!!』


大きな声が窓の外から聞こえた


『この声は…健斗か』


『どうかしたのか?』


しぶしぶ外に出た和樹が河本健斗に聞いた、その横には山田一秋がいる


『あれ見てみろよ』


一秋が夜空を指差す


『おわっ!?』


そこには美しく光輝く青いカーテンのようなものがあった


『あれって…』


今藤が呟く


『オーロラか?』


続きは有期


『あり得なくね?』


と、和樹


『あ、サボり』


一秋が和樹を指差す


『おう』


和樹は別に悪びれた様子もない


『お前サボったの?』


高校が違うケンクも問い詰める


『まぁな』


和樹はサボったことに何の罪悪感も感じていない


『うおっ!?』


有期が呻き声を上げ、皆の視線がオーロラに注目する


『おおっ!?』


なんとオーロラは夜空で大きな円を描き、光輝いていた


『写メっとけ写メっとけ』


全員が携帯で撮影を開始する


『!?』


また全員そろって不思議な顔をした


『写らない…』


オーロラは誰の携帯にも写らなかった


『なにかおかしいぞ』


全員の視線が有期に注目する


『よくあの輪の中を見てみろ』


有期に集まった視線は夜空へと上がる


その時、今藤が何かに気付いた


『星が…ない!!』


不自然なことにオーロラの輪の中だけポッかりと星が消えていた


『なにか…くる』


実際には何も見えていないが、全員がそう直感した、その時


『きた!!』


輪の中が青く光り、中から五つの赤い光の固まりと、それより一回り大きな一つの光が落ちてきた


『に…逃げろ!!』


健斗が叫ぶ、しかしすでに皆逃げていた


『おわぁ―――!?』


五つの光はそれぞれ五人の足元に落ちた


『ごほっ…げほっ!』

舞い上がる土煙にむせ返りながら、和樹は目の前を確認した


『ごほっ……なんだ、これ?』


和樹はベタベタと落ちてきた物を触ってみた


『?………いてっ!?』


指先から血が滴る


『?』


土煙が収まり改めてその姿を確認する


『これは……』


それは紛れもなく、西洋の剣、セイバーだった


『すげー…』


いかついその姿に和樹は惚れ惚れする


『皆っ…』


和樹が振り返ると、全員の足元に剣が刺さっていた


有期のもとに鎌


今藤のもとに双剣


一秋のもとに大剣


健斗のもとに太刀


皆それぞれ同じような反応をしていた


『……』


あまりの出来事に声が出ない


『これは…』


有期が口を開いたその時


『しっ…誰かいるぞ』


一秋の一言に空気が張りつめる


確かに木の影からガサガサと音がしている


『誰だ!?』


和樹が叫んだ


すると…


『だれだい?…この僕にそんな口を聞くのは?』


影から現れたのは見たこともないボロボロの格好をした線の細い優男だった


『丁度よかった…僕はいまイライラしててね、君達ではらさせてもらうよ♪』


いきなりの宣戦布告に和樹達はとっさに剣を引き抜いた


『わけわかんねーよ!?』


和樹が叫ぶが、優男は止まらない


『死ね♪』


その時、和樹のセイバーが光輝いた


『!?』




ふぅ













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