中国・韓国との紛争
中国、韓国ととうとうドンパチが始まります。
修正しました。
10月2日、午前3時、尖閣にある宿舎の窓から、駐在官君田はヘリポートを見ていた。
「来た!」つぶやき、「おい、鎗田君、行くぞ」 大型のリュックを背負って、2人は急いで、ヘリポートに向かう。来たのは反重力エンジンを積んだ、“しでん”連絡機である。ほとんど音はしない。
「君田2尉と鎗田1曹ですね。乗ってください。すぐ出発します」
乗って舞い上がってから「すこし、上空待機します。ミサイルの映像を撮りたいので」
機は上空に静止する。しばらくして、「来ました!ミサイルです」
確かに、かすかに黄色っぽい光が3つ見えて、みるみる近づいてくる。間近にきた瞬間、長細い槍状の物体から光の線が放たれていることがわかる。それはあっという間に通り過ぎて、島に突き刺さる。
島には当たったが、最も近いものでも宿舎には100m以上離れており、あまりいい狙いではない。
「撮影終了。これで先に手を出したのは向こうっと」パイロットが言う。
その映像は直ちに防衛本部に送られて、公表を待つ。
空母“ひゅうが”で、臨時編成の尖閣防衛群司令官の中道海将は、スクリーンを眺めて、
「東海艦隊現状位置はあと50kmか。艦隊は2kmの範囲に散らばっており、駆逐艦12隻、フリゲート艦12隻、兵員輸送船1隻及び空母“南海覇王”で、情報通りか。“南海覇王”、あまりいただけない名前だな。今日沈むだけに。これを中心に輪形陣か」ひとりごちる。
「お、ミサイルを撃った。官舎向けてだな」
「島には当たった。しかし宿舎には当たらずだね。へただね。交戦条件はちょっと微妙だね」なおも言う。
艦長の真田一佐があいずちをうつ。「ちょっと無理ですね。あえて宿舎を避けたといいますよ」
「うん、航空部隊も近づいているね。あと200km足らずか。最初に撃たせるためにすこし刺激しよう。いまから、無線通信をしてくれ。そのまえに、艦載の改F4を発艦させてくれ」中道は命令する。
「南海艦隊および、近づいてくる50機編隊。こちらは日本国自衛隊、護衛艦“ひゅうが"である。直ちに引き返せ、君たちは日本の領海を犯そうとしている。引き返さない場合すべて撃破する」艦長が放送する。
続いて、無線担当班が中国語でくりかえす。
東海艦隊の旗艦空母“南海覇王”の艦橋で、司令員王中将は日本艦からの送信を聞いて笑った。空は、明るくなってきた。
「撃破だと!笑わせる!小日本が!殲滅11を5分後に発艦させろ、さらに空中の編隊にミサイルを2分後に撃たせろ。まず積んでいる4基中2基だ。また、艦載のミサイルも各5発、時間を合わせて撃たせろ。計220発のミサイルには対応できないだろう」
“ひゅうが”艦橋、「司令、編隊および艦から撃ってきました。合計220本です」
「交戦基準クリヤー、上空待機の“F4改しでん”突っ込み敵を撃破しろ!“ゆきかぜ”、“しらゆき”は防空レールガンを適宜打て。見通し距離に入ったら大口径レールガンで敵艦を沈めていいぞ!」中道の命令だ。
“ゆきかぜ”、“しらゆき”はバリヤーを張れるので被害担当艦として、10kmほど先行している。
“ゆきかぜ”、“しらゆき”は各2基の防空用レールガンを打ち始めた。各1秒間に500gの弾、秒速5kmの発射が可能で、精密レーダー連動で船の動揺を打ち消すソフトが組み込まれている。距離10km程度で、径200mm×長さ2m以上のミサイルだと100発100中だ。6インチ以上の砲弾は2km以内であれば必中距離になる。
殲滅11の編隊長の楊上佐は、思わず目を見張った。黒い機体があっという間にすれ違った。それらは、ガトリングガンの火を振りまいて通り過ぎる。
たちまち編隊のうち、15機は火に包まれ、あるものは爆散する。楊はとっさに機をひねったので、当たることはなかった。しかし、さらに進むと周囲の気が1機また1機と爆散する。
「撃ったミサイルはどうしたのだ。」思わず叫ぶ。
しかし、明けてくる海に見える先行する2艦を含む敵艦隊は一切被害の様子はない。気が付くと、残った味方の殲滅11は自分ともう1機、そこへひどいショックあり、自機が分解するのが見え、意識が途絶える。
東海艦隊の王司令員は狂いたっていた。
合計220基打ち放ったミサイルは、日本艦隊に全く被害を与えることがない。さらに追加でありったけのミサイルを撃ったが、同じである。どうもレールガンで迎撃されているようだ。一方で、噂のレールガンが味方の艦にどんどん穴をあけ、艦からは火を噴きだしている。突然、3隻ほど先を走っていた駆逐艦が大きく揺れ、船腹から火が吹き出した。魚雷だ!
しかも、上空に黒い航空機がばらばらに近づいてきて、なにかを切り離す。ミサイルだ。それは火を噴いて、東海艦隊の8隻の艦にほとんど同時に当たり、巨大な爆発を生み出す。さらに、別の編隊が近づく、また爆発が。今度は6隻だ。
味方も、近くに見える日本の艦に盛んにミサイル、砲を打っているが、ミサイルはすべて撃ち落とされ、砲弾も大部分は撃ち落とされているが、ある程度は当たっているはずなのに、なにも効果がない。どうも、日本の艦はうっすらと膜に覆われているように見える。
「くそ!また日本の新技術か!」
突然、8万トンの南海覇王が大きく揺れた。魚雷だ。さらに、1回、2回!
内部で爆発音がする。突然、快調に走っていた船体が、ガク!と止まった。見る間に、艦が傾いてくる。繫止していた3機の航空機が滑り落ちる。突然、レールガンの弾が艦橋を貫通し、内部めちゃめちゃにして、そこにいた王司令員を始め要員を殺戮した。
南海覇王はその後10分間浮いていたが、最後は大爆発を起こして爆沈した。その時は、南海艦隊で残っていたのは兵員輸送船のみで、それは白旗を掲げた。
中国首脳が集まる中南海会議室、東海艦隊司令部から連絡が入る。
「魚釣島に向かった東海艦隊が日本自衛隊の攻撃を受けて全滅しました。また、2派の殲滅11を中心とした編隊も同じく全滅しました。兵員輸送船のみは、降伏して残っております」
各メンバーはしばし無言でお互いを見返す。
これが、どれだけまずい状況か彼らはよくわかっていた。国内の暴動はもう抑えられないところに来ている。それを小日本に勝つことで、抑えようとした目論見は逆になってしまった。
「しかし、我々には第2砲兵がある!50発の弾道ミサイルで日本を焦土にしてやる!」
軍事委員の白が叫ぶ。
「ばかな!今の時代で、核ミサイルで核を保有していない国に打ち込むなど、自殺行為だ」
別の出席者が叫ぶ。中はわめきあいで収集がつかなくなった。
主席の唐が大声でいう。「だまれ!海戦で負けたことは事実で変わらない。これをどうするかだ。
たしかに、いま我が国に残されたのは第2砲兵のみだ。しかし、小日本は弾道ミサイルを撃ち落とすレールガンをすでに地上に10基配備している。しかしながら、我が国の弾道ミサイルは今白が言ったように50発あり、これをすべて日本に向けられる。これをすべて撃ち落とせるわけがない。白、すぐに発射準備を命令せよ!
日本あてに通信の準備をせよ。直接、日本あてに国民にも聞こえるように放送する」
「ばかな!全弾打ち込んで、そのあと、アメリカ、周りのインドにどう対抗するのですか、アメリカが、黙っているわけがない」軍事員の周が反対する。
「当然、全弾発射というのは脅しだ。小日本がこの脅しに耐えられるわけはない!」
「そんな子供だましが通じるものか!」周が吐き捨てる。
「だまれ!主席は私だ。私に従え」
1時間後、「主席、通信準備ができました。すでに日本の主要なマスコミには、主席が重要な発表をすると伝えています。いま、彼らは主席の言葉をまっているはずです」通信士の連絡だ。
「よし」
「親愛なる日本国民よ。私は中国主席の唐である。
貴国の自衛隊は本日我が国の領土である、釣魚島、日本名尖閣列島において、我が国の艦船および航空機を破壊して、2000名以上を無残にも殺戮した。これに対して、私は報復として核ミサイル50基を日本の主要都市に向けて発射することを命じた。これは2時間以内に発射される。しかし、私も指導者は別として一般の人々を犠牲にすることは本意ではない。1時間以内に、日本政府が降伏するのであれば発射を止める。指導者は、拒むかもしれないが、国民すべてが反対すれば彼らも拒めないであろう。中国の元で幸せになろう。諸君の賢明な決断を期待する。
今から、1時間後16時までに日本政府が降伏の連絡をしない場合、核ミサイルは発射される」
後に世界から軽蔑され、あざ笑われた唐の演説であった。聞いていた、周をはじめとした首脳の数人は頭を抱えて座り込んだ。
「聞きましたね」阿山首相。
伊藤防衛大臣が答える。「はい、では“おおぞら”に破壊措置命令を出します」
数分後、中国上空150kmの上空に待機していた、“おおぞら”はすでに狙いをつけていた、日本向けの狙いをつけてるという吉林省のミサイル基地に、2基のレールガンから各5発ずつ10発打ち込んだ。さらに、時速1万kmで山西省の基地に向かい破壊し、次に湖北省、福建省、四川省、最後に雲南省の基地に10発づつの弾を打ち込んだ。いずれもその巨大な運動エネルギーによって爆発を起こして基地は機能を失った。しかも、当然のことながら弾頭の高濃度のウラン235の容器が壊れたので臨界量を超え、強烈な放射能と連鎖反応による高い熱を発し、半径2kmは当分人を寄せ付けない不毛の地となった。
尖閣諸島については、午前8時には戦いは終わり、空母を始め25隻が全滅、兵員輸送船のみは白旗を掲げて降伏した。殲滅11の50機ずつ2派の編隊も全滅した。
海上に投げ出されて救助された中国兵は、海兵が250名、航空兵はわずか5人であった。結局、中国兵の戦死者は2,400名に上った。核ミサイル基地の破壊による死者は、3,000人程度とされるが定かではない。
ちなみに、日本に向けた唐の演説であるが、あまりの内容に聞いた全員があきれ果てた。しかし、核ミサイル50発というのは冗談ごとではない。大騒ぎになって、A新聞のあとをついだ地方紙のT新聞、C新聞をはじめとして、
「だから、中国と戦端を開くということはこういうことだ。降伏しよう!」と騒ぐ連中もいた。
しかしそれは、少数派であり、多くは「中国の支配下にはいるくらいなら、全滅した方がましだ。しかし、中国もそれをやれば、地球に生きるところはない」と開き直っていた。
しかし、その後1時間もしないうちに、阿山首相からの中国のミサイル基地は全滅したとの報告に全国民は心からほっとした。T、C新聞をはじめとする融和勢力と言うより中国におもねる勢力の信用が、さらに落ちた瞬間だった。
一方で、中国からたきつけられて、どさくさまぎれの対馬侵攻をねらった韓国であったが、韓国軍は、対馬市の西部の韓国よりの一帯にまず空挺部隊2,000人による、落下傘降下を行った。
自衛隊は、諜報機関によって降下地点をつかんでおり、一帯の住民はすでに避難済みであった。韓国軍は、旧日本軍のミッドウエー戦と同じで、空挺部隊の基地がある大田では、対馬を攻めることとさらに降下地点まで噂になっているため、情報取集は容易である。そこで、降下を待って、風上から対テロ用として開発された睡眠ガスを流す。ガスマスクの用意のない空挺隊員は10分もせず全員が眠り込んだ。
一方で、韓国軍は虎の子のイージス艦2隻、駆逐艦3隻に守られた兵員輸送船3隻で、5,000名の兵員が乗っている艦隊が対馬に近づいていた。
その艦隊では、日本の自衛隊は、遠く離れた佐世保と舞鶴に集結しており、特に動きがないことをいぶかしく思うものもいたが、その者たちも都合がいい話なので幸運と思うことにしていた。しかし、イージス艦の見張り員が、空から黒い機体が数機、音もなく近づいてくるのに気が付いた。
これらは、全くレーダーに映らず噴射もない。慌てて、バルカン砲を打とうとするが、すでに通り過ぎており、何かを落としていく。爆弾だ!どーんという爆発であたりの兵は跳ね飛ばされるが、威力はそう大きくはない。しかし、黒い航空機は乱舞して、どんどん爆弾を落としていく。
結局、イージス艦、駆逐艦は上部構造物をめちゃめちゃにされて、戦闘能力を失ったが、機関は生きているという状態になった。そこに、猛烈な速度で自衛艦(ゆきかげ型の“はくさん”)が近づいてくる。これも、目視できる距離に近づくまで、探知できない、ステルス艦だ。
司令官の朴少将は「まだ、潜水艦の独島がいる。あれが、撃沈でしてくれるだろう」
と言ったとたん“はくさん”が海面めがけてレールガンを打ち込む。
3kmほど先の海面がまくれあがって、巨大な水蒸気爆発が起きる。そのなかに横倒しになった、黒い流線形のものが浮いてくる。
「ああ、独島が!」朴少将は悲痛な声で叫ぶ。
同時刻、日本名竹島に向かって、海上保安庁の巡視船が近づく。
竹島の韓国保安隊駐屯所では、必死に無線機で本土と連絡している。
「日本の巡視船が近づいている。急ぎ、追い払うための軍艦と航空機を送れ!」
「だめだ。できない。国境線には日本の反重力戦闘機がはりついている。こっちの戦闘機は送れない。あっという間に撃墜される」
「軍艦は?」
「いま舞鶴から、日本の艦隊が出航した。こっちの艦隊は間に合わない」
「では、俺たちに死ねというのか!」
「日本は、中国と違っていきなり砲弾は打ち込んでは来ない。出来るだけ時間稼ぎをして、救援に行くまでの時間を稼げ!」
「救援は来るんだな!」
「独島は国民の対日本のシンボルだ。もちろん、送るに決まっている」といった担当員は「であればいいがな」とつぶやく。
実際に、韓国側に竹島の駐在員を回収するすべはない。
すでに、対馬に向かった艦隊は、すでに見逃されている兵員輸送船以外はただの浮かぶ残骸だ。空挺部隊とも一切の連絡を取れないところを見ると、戦力として残っているとは思えない。韓国側も、国境周辺を日本のステルス機が飛び回っており、何機か飛ばした航空機がすべて撃墜されたのは承知しており、これ以上の損害は増やせないというのが正直なところである。
竹島に関しては、長年のマスコミの刷り込みとそのことによる国民の執着もあり、そう簡単に日本に奪回を許してはいけないということは理解していても、なんともしようがないというのが正直なところであった。
巡視船は島に近づくと問答無用で、催眠ガスを発生するガス弾を打ち込んだ。
その後、海保隊員が上陸して、眠った韓国人を確保する。幸い、島には韓国の巡視艇が係留しており、眠っている隊員を収容する能力があったので、人員を詰め込んで海保隊員が操縦する。10kmほど沖に自走して、操縦した海保隊員は並走していた日本側のボートに移る。その間、海保隊員は韓国の建設した施設に爆薬を仕掛け、早々に島を去ったのち爆破する。
「あんな島に、人員をはりつけるなど冗談ではない。今後、韓国が施設を作れば直ちに破壊します。韓国がどう言おうと竹島は日本の領土です」阿山首相の言葉である
領土問題はかたづけないといけませんね。
読んでいただいている読者が増えてやりがいがあります。