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虚から生み出すモノ
作:火水 風地



 ―――――確率についての日頃思うこと―――――


 一枚のコイン、一回指で弾けば多くの場合は表か裏どちらか一方のみがでる。稀に横がでるということもありうる事象だがこの話ではそれを省いて考える。

 さあ、単純な問題の出題。ある何の変哲もないコインを一回だけ回した場合、表が出る確率はナンパーセントでしょう?

 恐らくは、大多数の方が五十パーセントと答えることでしょう。何の仕掛けもないコインなのですから表がでる確率も裏がでる確率も同じと考えるのが普通でしょうから。

 そこでその確率が正しいのか確認するために実際にコインを回してみましょう。つまりは論より証拠なのです。さて、表と裏どちらが出ましたか? ここでは表がでたことにします。

 たった一度だけではありますが、確かにでたのは表なのです。裏はでませんでした。さてこの結果だけを見ると私には疑問に思えることがでてくるのです。それは何故、表と裏で、でる確率は同じなのに表だけがでたのかということです。

 よーく考えてみてください。確率は確かに半々なのですよ。それなのに何故表だけがでたのでしょう? 一回の試行しか行なわれない場合、確率が同じ出来事は一緒に起きなければいけないはずなのです。そうでないのであらば確立はどちらかが百パーセントと、偏るはずですから。

 そうです、つまりはコインの表がでる、裏がでるという確率が半々だという事実は、一回の施行の場合には当てはまらないのです。

 確かに何億回とコインを弾いたのならば、段々とその確率は半々に近づいていくのでしょうが、それはあくまで弾かれたコイン個々の確率ではなく、弾かれたコインの集団的な確率でしかないのです。

 ですから一概にコインの表と裏のでる確率が同じとはいえないのです。


 ―――――いいたいこと―――――


 さあこれを読んで貴方は何を感じましたか? 恐らくは反感、同感のどちらかでしょう。しかしそんなことは一部以外どうでもいいのです。なにせこの論文は間違っている、【きょ】なのですから。

 それでも同感と感じた方と反感を抱いた一部の方は(この論を無いものだと理解している方を除いての人達)はこの論文からこれを肯定する何かを感じましたよね? ……実際にはあり得ることのない私の創った【事実】から……




 それこそが小説だと私は思うのです。


その論は間違いなのです。その理由はですね、その試行を行う際に、確率に影響をもたらすいろいろなものが必ず存在するからです。ですからそれではコインだけの確率は求められない。故にその論が正しいとはいえないのです。まあ実証的にはですが……
論理的には間違ってはいないとは思いますが、両方で証明できなければはずれでいいかなと思ったので、話の中ではあえて間違いにしました。

75 42 95 00 25 94 75 ……













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