ブックリスト登録機能を使うには ログインユーザー登録が必要です。
Chapter:04 慟哭、そして哀悼
Episode:23
◇Loa side
 ルーフェイアが緊張した表情で、ひとつひとつ操作をこなしていくのを、ロアは隣で眺めていた。
 まだたどたどしい部分もあるが、初めて間もないことを考えると、上出来と言っていいだろう。むしろこの短期間で、よくここまで覚えたと感心する。

「そうそう、そこ気をつけて。ほら、足跡残してるよ」
「え? あ!」
 言われて慌てる後輩が、可愛い。
 だがあるところで、その動きが止まった。

「あの、先輩、これ……」
 どうしよう、という表情で訊いてくる。
「学院長の魔視鏡だね。この時間に動いてるなんて、珍しいや」
 学院長は年のせいか、この手のものはあまり使わない。だから、夜になってまで動いているのは、稀だった。

「止め忘れかな? 見てみよっか」
「あ、はい……」
 ルーフェイアがちょっとためらってから、開く。
 そのようすに、この子はこういうことに向いていないのかもしれない、とロアは思った。なにしろ素直でおとなしい性格だ。攻撃的なことにはどうしても、しり込みしてしまうのだろう。
 だがそういったことは、取り返しのつかない事態を招くことがある。

 何か考えてやったほうがいいかもしれない、そんなことを思いながら、ロアはざっと記録の一覧をを斜め読みした。
「ガッコの資料ばっかだなぁ。たいした物ないね」
 もう少し何かあるのではと期待していたが、みごとなくらいに期待はずれだ。

「学院長も大変だね、こんなくだらないことまで訊かれるんだ。こんど会ったら、親切にしとこっか」
「ですね……」
 どうでもよさげな雑務から院の方針、そうかと思えば学院生が起こした不祥事の後始末まで、まさしく何でもありだ。
 どちらにしても収穫なしと判断して、ロアは手を止めた。

「どうする? も少しやる?」
「え? あ、いえ、今日はもう……」
 ルーフェイアのほうも初めての経験で、そうとう神経をすり減らしたようだ。そろそろ潮時だろう。

「そだね、こういうの最初、すっごい疲れるし。
――あ、最後にこれだけ見てこっか」
 何の気なしに、見つけた一覧を開く。学院長が外部とやり取りした、記録の一覧だ。
 こういうものは機密情報は期待できないが、ちょっと笑えるようなものがよく混じっている。

「これ……伝言書?」
「そそ。でもこっちも、たいしたもんないね」
 予想に反して、事務的な連絡ばかりだ。私的なやり取りは、ここではやらないようだった。

 だが。

 とある行で、ロアは予想もしなかったものを見つける。
「これ、ルーフェイアのことだよね」
「え?」


Web拍手 ←Web拍手です

FT小説ランキング  毎日OK:FT小説ランキング“ルーフェイア・シリーズ”に投票
 順位だけ見たい方はこちら

NEVEL Ranking  月に1回:NEWVELランキング“ルーフェイア・シリーズ”に投票


◇イラストいろいろです。随時募集中です♪◇
シエラ学院制服  Blue Ocean  ルーフェイア・シリーズ

自サイト美術室はこちら
掲示板はこちら。お気軽にどうぞ♪


筆者サイト
↑筆者サイトへ
最新話へのリンク、改行なし版等があります


+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。