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Chapter:03 秘密
Episode:16
 昨日と同じようにケーキを選んでもらって、空いている席に座る。
 と、向こうのほうにイマドがいるのに気がついた。いっしょに居るのは友だちだろう。
 向こうも気がついたみたいで、視線が合う。ちょっと嬉しくなって、小さく手を振った。
 とたんにイマドが、両脇の友だちから殴られる。

――あたしの、せい?
 ほかに考えられなかった。あたしみたいな、普通の生活を知らないような人間が、親しげにしたりするから……。
 涙がこぼれそうになって、下を向いてくちびるを噛む。

「わわわ、ルーフェイアどしたの? どっか痛くした?」
 先輩が慌ててるのを見て、泣くのをやめようとしたけど、逆効果だった。よけいに涙があふれて、止まらなくなる。
 イマドに会ってからあたし、どうもダメだ。前からすぐ泣いて、どうにかしなきゃと思ってたけど、なんだかひどくなった気がする。

「ほんとにキミ平気? 部屋帰って休む?」
「あー先輩、コイツ泣き出すと当分ダメですから」
 聞き覚えのある声に、思わず顔を上げる。
「イマド……?」

 いっしょにいた二人の首根っこをつかんだ彼が、目に前に居た。こともあろうに二人を引きずりながら、ここまで来たらしい。
「オイコラ何しやがる、放せっての!」
「つかイマド、いつもとキャラ変わってるって!」
 友だちらしい二人が、口々に文句を言う。
 なんだかよく分からないけど、やっぱりあたしが原因で、騒ぎになってるみたいだ。

「あの、あたしのせいで……ごめんね……」
 申し訳なくて、引きずられてきた二人に謝る。
「あ、違うから! そのさ、悪いの俺らだから!」
 友だちの片方が、あたしに向かって謝った。

「てかおまえなぁ、なんだっていきなり泣くんだっての」
「ごめん……」
 こんどはイマドに謝ったあたしの前で、なぜか彼の頭が、ごちんと音を立てて殴られる。
「キミねぇ、何しにここまで来たか知らないけど、この子泣かせたらボクが承知しないよ!」
 ロア先輩、すごい剣幕だ。

「あの、先輩、違うんです!」
 殺気のようなものを感じて、慌てて止める。
「けどさ、こいつらが何かしたから、ルーフェイアが泣いたんだよ」
 つまりはあたしのせいで、よけいにややこしくなったらしい。

「あの、イマドたち、関係なくて……その、すみません……」
 上手く説明できなくて、だんだん声が小さくなってしまって、情けなくてまた涙がこぼれた。
「あ、先輩も泣かした」
「ちょっと、ボクは別に!」
 何がなんだか分からなくなってくる。


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