抱えきれぬ想い ルーフェイア・シリーズ03(15/27)PDFで表示縦書き表示RDF


抱えきれぬ想い ルーフェイア・シリーズ03
作:こっこ



Episode:15 平穏


◇Rufeir
「そこまで」
 鋭い声で、はっと我に返った。
「出来たかね?」
「あ、はい」

 慌てて答案用紙を渡すと、教官の顔色が一瞬変わる。朝から連続で試験を受けて、疲れて半分うとうとしていたのが、いけなかったのかもしれない。
 ぜんぶ答えは書いたから、だいじょうぶのはずだけど……。

「きみはたしか……五学年だったね」
「えっと、そう、聞きました」
 本当のことを言うと、自分でもよく分からない。ただ先輩や学院長が、そう言ってたはずだ。

「うーん、五学年ねぇ。それならなんで、この解法を知っているんだ? そもそも今まで正規教育を受けていないのに、これだけというのは……」
 教官、何かぶつぶつ言っている。

「あの……?」
 どうしていいか分からなくて、おそるおそる声をかけてみた。
「ん? あぁ、今日はこれで終わりだから、部屋へ戻ってかまわんよ」
「はい」
 荷物を持って立ち上がる。

「明日は実技だから、指定の時間に指定場所へ来なさい。遅れないように」
「はい」
 立ち上がって身体を伸ばす。座りっぱなしなんて初めてで、身体じゅうが重い感じだ。学院に来る前の分校でもテストを受けたけど、何日かに分けて少しづつだったから、こんなことはなかった。
 本来は何のためなのかよく分からない、小さな部屋を出る。

「どうだった?」
 外でロア先輩が、待っててくれてた。
「えっと……身体、痛いです……」
「そう来るかー!」
 あたしの言葉に、先輩が笑い出す。何がそんなにおかしかったのか、お腹を抱えての爆笑だ。

「先輩……?」
「あーゴメンゴメン。えっとさ、身体じゃなくて、試験ちゃんとできた? 難しくなかった?」
 そういう意味だったのかと、やっと理解する。
「いちおう……ぜんぶ答え、書きました。でも思ったより、難しくなかった……かな」
「やっぱそうかぁ」
 思ったとおり、そんな表情でロア先輩がうんうんとうなずく。

「教えててびっくりしたもん、頭よくて」
「そう、なんですか?」
 あたしいつも、母さんたちに笑われてたのに。
「そそ、自信持っちゃってダイジョブダイジョブ。でさ、なんか食べる? 疲れたでしょ」

 言いながら先輩、あたしを食堂のほうへ引っ張ってく。答えがNOってケースは、考えてないみたいだ。
 もしかするとあたしはただの口実で、何か食べるのが目的なのかもしれない。先輩は昨日もケーキをおかわりしてたし、そのあとの夕食もちゃんと食べていた。だからきっと先輩、食べるのが好きなんだろう。








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遠き風に願いし君は 純愛ファンタジー? 長編です

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