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過去3
酒場で働いて一月がたった。

その日は給料日だった。

―――――――――――――――――――

ソフィアはホクホクとしながら、駆け足で滞在している家へと向かった。

懐には酒場でためた給金がたんまりと入っていた。

ソフィアはあまりにも浮かれすぎて、曲がり角から出てくる者に気付かなかった。

「あっ!すみません」

出てきた人とぶつかってしまい思わず謝る。相手は自分と同じくらいの少女だった。その少女はすぐに立ち上がり、逃げてしまった。

ソフィアは逃げ去った方向をしばし見つめ、違和感に気がついた。懐にあったはずの重みが無くなっていたのだ。


・・・・・掏られた!!

すぐにそう判断したソフィアは急いで少女の逃げ去った方向へ駆け出し、そして少女を裏通りで見つけた。少女はもう一人の仲間と思わしき女の子と共に、財布を覗いていた。

ソフィアはこっそりと近づき、一瞬でその財布を掠め取った・・・というか元は自分のだ。取り返したのだ。


 一瞬、何が起きたのか判断できなかったのだろう。少女たちは茫然と手元を見ていた。

しかし、戦利品が無くなったことに気付くとソフィアに向きなおった。

 「おいっ!!それは私達のもんだ!!返せっ!」

 ぶつかった少女ではない方の少女が、手を伸ばしてきた。

ソフィアは少しムッときた。

・・・私たちのって・・これは私のものだっ!!

ソフィアはこのときから短気だった。

伸ばされた手を軽くつかみ、捻り上げる。

少女はジタバタと抵抗したが、力を込めるとすぐに大人しくなった。そしてジッとソフィアを睨みつけた。

「これは元から私の物だ。あんたたちの物じゃない」

そう言い、ソフィアは手を放してやった。そして彼女たちに向きなおる。

彼女たちは、すごくボロボロの服を着ていた。少し臭いもする。

「どうして盗んだの?」

「「・・・・」」

2人は答えなかった。

ソフィアはそんな2人を少し眺めてから踵を返した。

その時、ソフィアの背後で悲鳴が聞こえた。それと同時に、野太い声も。




これがレティとクレアとの出会いだった。






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