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遠い記憶の先に…
作:紅佐洲仮



Memory41 〜TICKET(チケット)〜


静寂な真夜中…、満月だけが明るく輝いている。東京のとある埠頭に一台の車が止まっている。その車は…、ポルシェ356A。ポルシェはこの真夜中の闇に染まっている。埠頭にはポルシェ356Aしか止まっていない。そのポルシェにジンとウォッカが乗っている。ジンは運転席に座りノートパソコンを見ている。

「そこが、あの場所の配置図ですかい?」
助手席に座るウォッカがノートパソコンを覗きながら尋ねた。

「ああ…。」
ジンはノートパソコンを操作しながら答えた。ノートパソコンにはとある建物の内部のデータが映っている。

「…フッ、なかなか洒落た設備じゃねぇか。」
ジンはノートパソコンを見ながら不敵な笑みを見せた。

「防犯カメラ、赤外線レーザー、防犯ガラス、完璧なセキュリティですぜ。」

「完璧なんてねぇよ。盲点を見つけられたらアウトだ。」

ジンは冷酷な口調で言い終えると、ノートパソコンを閉じてウォッカに渡した。

「…ウォッカ、予定通りに進めろ。」
ジンはウォッカに伝えた。

「了解…。」
ウォッカは不気味な笑みを浮かべた。













学校の授業が終わり、蘭と園子は家に帰る為に歩いていた。
「え、コンサート?」
蘭が突然の話に驚いた。

「そう。今度の日曜日に汐留に新しく出来た汐留セントラルホールで金森伸也のオーケストラのコンサートがあるのよ。」
蘭の横を歩く園子が言った。

「金森伸也って…、有名な指揮者だよね?」

「そうそう。その金森伸也のオーケストラコンサートのチケットを手に入れたのよ。それで、蘭も一緒に行かない?」

「良いけど、お父さんに相談しないと…。」
蘭は園子にそう言った。

「大丈夫よ。一応、おじ様や子供達の分のチケットも用意してあるから…。」
園子が元気な声で言った。

「でも、念のためにお父さんに相談するね。」
蘭は笑顔を園子に見せた。














蘭と園子が歩きながら話している同時刻、学校から帰って来たコナンが探偵事務所でテレビを見ている。小五郎は新聞を見ながらラジオで競馬を聞いている。

[今週の日曜日、ここ汐留セントラルホールで金森伸也さんのオーケストラコンサートが開かれます。]
テレビからアナウンサーが汐留セントラルホールの目の前で中継をしている。

「(金森伸也って…有名な指揮者だよな。)」
コナンはテレビを見ながら思った。

[コンサートのチケットは3日で全て完売してしまいました。流石、金森伸也の人気は凄いです。]

アナウンサーはそう言った。

「…………………。」
コナンは黙ってテレビを見ていた。












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