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遠い記憶の先に…
作:紅佐洲仮



Memory30 〜貴方は何者…?〜


西多摩大橋を渡る車の往来は止まる事がなく、激しく行き交いしている。西多摩大橋の端と端にベルモットとメスカルがいる。道の片隅にバイクを止めて、ヘルメットを被りながら橋を渡る車を真剣な表情で見ている。橋を挟んだ立体駐車場にキャンティがライフルを構えて橋を見ている。その逆の建築中のビルにはコルンがライフルを構えて橋を見ている。西多摩大橋から少し離れた場所に黒のポルシェが止まっている。

「キャンティ、コルン、準備は出来てるか?」
ポルシェの運転席に座るジンが無線でキャンティとコルンに尋ねた。

[こっちはOKだよ…。]

[…準備、出来た。]
キャンティとコルンの声が無線から聞こえて来た。

「奴が橋に現れたら一発で仕留めろ。」

[了解…。]

[分かった…。]

キャンティとコルンはそう言い、無線を切った。














「この三人の中に、組織の標的がね…。」
アカネは三枚の写真を見ながら言った。

「どれも怪しいわね…。」

「ジョディ先生、この人達は今、何処に居るか分からないの?」
コナンが助手席に座るジョディに尋ねた。

「分かるわよ。その三人の事は一応、調べたから。確か…、衆議院の和田友成さんは講演会の為に福岡に行ってるわ。講演会かどうかは分からないけど、福岡には行ってるわ。」

「福岡に…か。」
コナンはそう呟いた。

「でも、その衆議院は組織の標的じゃないわね。福岡に標的が居るなら、福岡で殺す筈だから…。」

アカネは自分の考えを言った。

「僕もそう思うよ。」
コナンもアカネと一緒の考えだった。

「二人目は東都病院の院長、立河辰治。立河辰治は東都病院に隠れているわ。医療ミスの事でマスコミから隠れる為にね。」

「その人は今も病院に…?」
アカネがジョディに尋ねた。

「ええ…、そうよ。医療ミスの事で騒ぎ始めてからずっと病院に居るわ。」

「じゃあ、その人も違うよ。もし、暗殺するなら病院に隠れている所を殺すんじゃない。」
コナンが考えながら言った。

「そうね…。組織なら橋で待つより病院に行って殺す可能性の方が高いわね。」

アカネが続けて言った。

「じゃあ、残るは…。」
ジョディが言葉を止めた。

「杯戸銀行の緒川博。その人が奴等の標的だ。」
コナンは笑みを浮かべた。

「その銀行員、今は何処に居るの?」
アカネがジョディに尋ねた。

「今日は杯戸銀行に向かった筈よ。」

「じゃあ、杯戸銀行に電話して確認しよう。緒川博が杯戸銀行に来ているか…。」
コナンがジョディに提案した。

「そうね…。」
ジョディはそう言い、ポケットから携帯を出した。ジェイムズが運転するベンツが西多摩大橋に段々、近付いている。














「メスカル、そっちの様子はどう?」
ベルモットが小型無線で尋ねた。

[こっちに変わった様子はありません。]
無線からメスカルの声が聞こえて来た。

「ねぇ、一つ聞いて良いかしら?」
ベルモットが少し真剣な表情をした。

[何ですか…?]

「…貴方、何者なの?」
ベルモットは少し迷いながら言った。橋を渡る車の騒音が激しく聞こえる。

[それは、私が一番知りたいです。]

「そうよね…。」
ベルモットはそう言い、無線を切った。












「もうすぐしたら奴が橋に現れやすぜ。」
ポルシェの助手席に座るウォッカが言った。

「ああ…。」
ジンが素っ気なく言った。その時、ジンの携帯が鳴った。ジンはポケットから携帯を出して電話に出た。












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