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遠い記憶の先に…
作:紅佐洲仮



Memory24 〜分からない自分〜


「ただいま…。」
コナンは階段を上がり、探偵事務所のドアを開けた。

「やっと帰って来たか、ボウズ…。」
事務所に入ると、小五郎が椅子に座ってテレビを見ながら新聞を読んでいた。

「博士の所で迷惑をかけなかっただろうな?」
小五郎は新聞から視線を離さずに尋ねた。

「うん、迷惑はかけてないよ。そういえば、蘭姉ちゃんは?」
コナンは辺りを見回しながら尋ねた。

「蘭なら買い物に出掛けたぞ。」
小五郎は素っ気なく答えた。

「ふーん。」
コナンはそう言い、ソファーに座って漫画を読み始めた。












静寂した夜の街、車の走行音が夜の街を響かせる。東京のとあるビルの屋上に、この静寂した夜に相応しく全身黒い服を着て、黒いコートを着たメスカルが立っている。他には誰も居ない。そのビルの屋上は東都タワーの目の前で、東都タワーのネオンが凄く眩しい。メスカルは東都タワーの方をじっと見ている。

「(朝と夜の景色は違うみたいね。)」

メスカルの無表情な瞳に東都タワーのネオンが輝く。

「(誰も気付かないでしょうね。これが…、何時もの日常だと思って…。)」
メスカルは視線を下に移した。ビルの下には人が歩いたり、車が行き交いをしている。

「こんな所で何をしている?」
突然、メスカルの後ろから声が聞こえて来た。

「ジン…。」
メスカルは声のする方を振り向いた。

「別に…、少し風にあたってただけです。」

「…………………。」
ジンはポケットから煙草を出して、煙草に火をつけた。

「ねぇ、前から聞きたかったんですけど…?」
メスカルはジンに尋ねた。

「なんだ…?」

「どうして、貴方は私を気にかけるんですか?」

「何故、そんな事を聞く?」
ジンは表情を変えずに尋ねた。

「…私は自分が分からない。貴方は私の事を知ってるんですか?」

「さぁな…、俺が知っているお前は今のお前だけだ。」
ジンはそう言い、ゆっくり歩き出してメスカルから少しずつ離れて行き始めた。













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