Memory22 〜気付き始める〜
「まぁ、これからは貴方達に協力して行くつもりだからよろしく。」
アカネはにっこりと笑みを見せた。
「ああ…。」
コナンは素っ気なく言った。
「ええ…。」
哀も素っ気なく言った。
「じゃあ1年前、何で舞台女優をしてたんだ?」
コナンがアカネに尋ねた。
「あの時は…、ある人を追ってたのよ。貴方達も知ってると思うけど…、名前はシャロン・ウ゛ィンヤードよ。」
「(ベルモット…。)」
コナンの記憶にベルモットが浮かび上がって来た。
「貴方なら知ってるんじゃないの?」
アカネは哀の方を見た。
「ええ…。」
「じゃあ、1年前の事件の時に母さんや父さん達と知り合いになったのか?」
「そうよ…、あの事件以来ね。彼女もあの事件の犯人がローズだって分かってたのよ。」
有希子がコナンに話した。
「けど、貴方も分かってたんでしょう?貴方が有希子さんに事件の真相を教えたんでしょう?」
「え?知ってたんだ…。」
コナンは少し驚いた表情を見せた。
「それより、これからどうするの?」
有希子がアカネに尋ねた。
「組織は日本で良く活動してるから此処に残ります。」
「そうしてくれたら有り難い。新一が危険な事をしないか見張っといて下さい。」
優作がアカネにそう言った。
「ええ…、分かりました。」
アカネは笑顔を見せた。
「新一君、組織の事で何か分かったら教えてちょうだい。私も知ってる事があるのなら貴方に教えるわ。」
「ああ…、分かったよ。」
コナンは笑顔をアカネに見せた。
二日後、コナンと哀と博士は優作と有希子を見送る為に成田空港に来ていた。
「じゃあ新一、余り無茶をするなよ。」
「また来るね、新ちゃん。」
優作と有希子はコナン達から離れて行った。
「今度来る時はちゃんと電話をしてから来いよ。」
コナンは離れて行く優作と有希子に聞こえるぐらいの声で言った。
「じゃあ、そろそろ帰るかのう。」
博士はコナンと哀に言った。
「ああ…。」
博士とコナンは出口に向かって歩き出した。
「どうした?灰原…。」
コナンは哀が立ち止まってるのに気付き、哀に近付いた。
「家族って良いわね。」
哀が独り言の様に言った。
「え?」
「私は家族の温かさを知らないから…。」
哀は俯きながら言った。
「(灰原…。)」
「お姉ちゃんが亡くなってから私には家族が居ない…。」
淋しそうな声で言った。
「ごめん…、灰原。」
コナンは少し俯いた。
「え、どうして謝るの?」
哀は顔を上げてコナンの方を見た。
「お前のお姉さんを助けられなかったのは俺のせいだ。もし、お前のお姉さんを助けられて居たら…お前はこんな辛い気持ちにならなくて済んだのにな。」
「違うわ…。貴方が悪いんじゃない。」
「…………………。」
コナンは黙って何も言わなかった。
「どうしたんじゃ?哀君、新一君。」
博士が心配になってコナンと哀に近付いて来た。
「ええ…。」
哀はそう言って出口に向かって歩き出した。博士も出口に向かって歩き出した。
「(なんでだろう?灰原の悲しい顔を見たら胸が痛む。何なんだ?この感じは…。)」
コナンは心の中で考えた。
「新一君、どうしたんじゃ?」
「いや…、何でもねぇよ。」
コナンはそう言い、出口に向かって歩き出した。
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