Memory16 〜緊迫の時〜
「運命から逃げたくないから…。」
哀は少し俯きながら答えた。
「(灰原…。)」
「分かったよ。お前が残りたいなら残っても良いぜ。」
コナンは笑顔を哀に見せた。
「(工藤君…。)」
哀は顔を上げてコナンの方を見た。
「けど、俺やジョディ先生達から離れるなよ。」
「ええ…、分かってるわ。」
「じゃあ、取引相手が居る場所に向かいましょう。」
ジョディがコナンと哀に言った。
「ああ…。じゃあ博士、あいつらの事頼んだぞ。」
ジョディ達は博士から少しずつ離れて言った。
「(気をつけるんじゃぞ。)」
博士が心の中で祈った。
歩美達が仮面ヤイバーの映画を見てる場所から少し離れた場所に取引相手が映画を見ている。コナン達は取引相手が映画を見ている部屋の外に居る。
「一応、捜査官が彼を見張ってるわ。」
ジョディがコナンに伝えた。
「しかし、取引は何処でするんですかね?もう1時間もありませんし、組織の人間が現れた報告もないですし…。」
キャメルが考えながら言った。
「もしかしたら、違う場所で取引するかもしれないね。」
コナンは真剣な眼差しをしている。
「…………………。」
哀は黙ってその様子を見ていた。その瞬間…、
「(…近くに、近くに彼等が居る。)」
哀は驚愕したような顔で辺りを見回した。
「(…何処に居るの?)」
哀は辺りを注意深く見た。
「どうした?灰原…。」
コナンは不審に思い尋ねた。
「さっき、彼等の気配が近くで…。」
「なに!!」
「どうしたの?」
ジョディがコナンに尋ねた。
「奴等がこの近くに居るみたいなんだ。」
「じゃあ、彼等はもう此処に来ているのね。」
「他の捜査官に伝えます。」
キャメルは携帯を出して電話を始めた。
「やっぱり、私には普通の生活が出来ないのね。」
哀は悲しそうな目をしながら呟いた。
「(え……?)」
コナンは哀の方を見た。
杯戸ショッピングセンターの地下駐車場に黒いポルシェが止まっている。
「奴を監視する邪魔者が…。」
ジンは携帯で誰かと電話をしている。
[はい…。]
電話相手はメスカルだった。
「そいつらは何人居る?」
[6人以上は居ます。どうしますか?ジン…。]
メスカルはジンに尋ねた。
「…取引は中止だ。」
ジンは鋭い眼差しで言った。
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