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LIFE
作:ヨネ@ハイテンション


生まれた
成長した
いろんなことを経験した

そして

年老いた

若いころ、草原を思いっきり走り回った
足が動く事、走るれるってことなんて当たり前の事だと思っていた
大きな声で話せる事
物事を忘れないでいる事

ひとつひとつ私の積み上げた何かが消えていった

思い出さえ消えていった

いつの日か。私の人生の残高は 0 になった

私は、思い通りに生きれたのだろうか
私の周りの人間は私のことをどう思ってくれていたのだろうか

そうして、全ては深い深い闇へと飲み込まれていった

あぁこれが  死  なのだなぁと

そう実感した

深い深い闇の中
その中で私は目を覚ました
私は生きて・・・・・・いる?
しかし目を開いてみても私の周りは闇で覆われている
体が動かない
どうにかして身体を動かそうとした
動いた
闇の中から抜け出そうと必死に、ただ必死にもがいた
どれだけもがき続けたのだろうか
私の目の前に光が
光が差し込んできた
私は喚起の声を上げた
それはまるで産声のようだったかもしれない
私は必死でさらに上に上にと登り続けた
何故登らなければいけないのか自分自身わからない
だが、そうしなければいけない使命感に逆らう事はできなかった

そこでやっと私は私自身に気がつくのだった
そう、私はセミの幼虫であるという事に
あああ、これが私?
私は生まれ変わってセミになったのか
それとも、セミの私が人間の夢を見ていたのか
はては、人間の私がまだ生きていてセミの夢を見ているのか
それを確かめるすべは私にはなかった
私にできることといえば、木の上に登る事だけだったのだから
成長
これはそう形容できるものなのだろうか
人間が長い年月と知識をかけて得るものを私は殻を脱ぎ捨てる事で一瞬で手に入れる
こうして私は殻を脱ぎ捨ててセミになった
空を飛んだ
私はわかっていた、数週間で死んでしまうということを

セミの私が死ねば、私はまた別の誰かになるのだろうか
いや、別の誰かになった夢を見続けるのだろうか

数週間を待たずして私はセミとして死んだ
長く生きていたいと思った
積み重ねていったものが消える事が腹立たしかった

私がまた目を覚ますと、目の前には川がみえていた
闇の底でない事に私は安堵を覚えた
目の前には美しい自然が広がっている
しかし、私は身動き一つすることができない
そう、私は川原にある何の変哲もない石の一つになっていた
こうして私は長い時間を得た
何もする事ができないかわりに、途方もない時間を得た
石の表面が磨り減っていくかのように、私の意志は磨り減っていった
そしてはるか長い年月を経て、私は考える事をやめた

そうして私はいまここにある
君の目の前にある
何の意味もなく、なんの思考もなく
ただここにある

この長い夢はいつ覚めるのだろうか
その夢の先には何があるのだろうか


全てのものは自分であり
全てのものは自分の夢である
それまさに、夢とは自分自身である














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