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マメタン、涙で10kgやせる
ユースで後釜を探して金都をやめる準備をする。
有り金をはたいて材料を買い込み、布も買い足して
大きなかばんも買った。連日作りまくる。

次の土曜日また5万円だけ売って店じまい。金都
も円満に退職した。これからはユース泊まりだ。
石松、縁日に混じって金都の夫婦は製作に専念した。

次の土曜日石松と並んででかい布を広げる。もう
本格的だ。怖いのはポリスだけだ。売って売って
売りまくった。と、ポリツァイの叫び声。

なんども練習をしていたのでワンタッチで真っ先に逃
げた。そのままユースへ。なんと12万円の売り上げ。
石松が言う、

「あんたんとこの作品はなかなかのもんや。
あれやったらこれからもよう売れるで」

ユースに泊まり昼間作って、これからは毎晩出すことにした。
12月のことを考えるととても製作が間に合わない。在庫を
相当抱えていないとクリスマス前に売切れてしまいそうだ。

一番売れる時に在庫がないことだけはなんとしても避けたい。
とにかく材料を買い増し買い増しして必死で作り続けた。
そうした11月中旬のある日、マメタンはついにダウンした。

げっそりとやせている。もういやと言ってわんわんと泣き出した。
オサムは仕事の手を休め、マメタンを抱きかかえるようにして
外に出た。ユースの前にラインが流れている。大きくカーブして

オーバーカッセルの橋がかかっている。流れはゆったりだ。
向こうにアルトの灯が見える。その日はもう出すのを止めにした。
寒い中日が暮れてすばらしいラインのたそがれ。ベンチに腰かけ

オサムの膝にうずくまってマメタンはおいおいと泣いた。マメタン
はこの時過労とストレスから10kgもやせていたのだ。

次の日、ユースを出ることにした。アルトの近くでホテルを借りた。
一泊50マルクでちょっと高いけれどゆっくり休めるだろう。
とにかくクリスマスまで頑張るしかない。もう在庫はダンボール

5箱分はたまった。全部売り切って旅に出よう!よく考えたら
マメタンは北欧以外旅らしい旅は何一つしていないのだ。
まかせとけ。イスタンブールからギリシャ。スイスで1ヶ月

スキーをしてスペインでさらに一ヶ月休暇。大名旅行をさせてやる。
とにかくがんばろうクリスマスまで。

マメタンはすぐに回復した。さあクリスマスまであと一ヶ月。
金都の夫婦は益々その製作と販売とに執念がこもってきた。


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