デュッセルのホモおじさん
ついに春が来た。ドイツ語も語彙は少ないのに
なれなのかミョウに板についてきた。
中華料理はもうプロ並みだ。
一段とたくましくなったようだ。金もたまった。
自信満々、早くコペンに戻って300ドル返そう。
全てはそれからだ。
ミュンヘンのユースに『バイとあります』と
張り紙を出したらすぐに後釜は決まった。
あの助平なシェフともお別れだ。
別れ際にシェフが耳元でささやいた。
「パスポートを300ドルで売ってくれないか?」
「ナイン、イッヒカンニヒト」(あきまへん)
さいならシェフ。色魔バイバイ!
再び青タオルを首にかけ寝袋をバックに
ヒッチハイクの再スタートだ。
何台か乗り継いで、
フランクフルトからデュッセルドルフへ、
ラストは高級ベンツのおじさんだ。
上品な感じ、60代か?お金持ちそう。
ドイツ語と英語を織り交ぜて、
最初の会話はいつも決まっている。
どっから来た?どのくらいいる?どこへ行く?
学生か?何してる?日本はどんな国か?
ドイツは好きか?生活はどうしてる?等等。
もう英語でもドイツ語でもペラペラだ。
ところがこのおじさん、運転しながら
オサムの膝をぽんぽんと叩く。
それがだんだんとさすりだす。
ちょっとおじさん止めてよ、と言うと、
すっと手を引っ込める。何か変だ。
デュッセルに着いた。オーバーカッセルの
ユーゲントヘルベルゲ(ユースホステル)、
ライン川沿いの橋向こうのユース。
以降このユースが拠点となるのだが。
おじさんもこの近くらしい。
面白いテレビがあるから是非見ていけと言う。
もし力ずくになったら勝てそうだから、
との思いでついて行くことにした。
+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。