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月夜の唄。

作者: 青木麗二

会いたいなんて口が裂けても

言ってはならない

歌を唄うように紡いできた

笑顔を壊すことなんて

おいそれとはできない


肩に寄りかかるだけ

距離をきちんと保ちながら

口づけてくれたあの日を

現実と把握することは許されず

こうして一人で泣くの


覚めるまでの辛抱

幸せを手に入れたあの人達の

筋が通った生活の全てを

せこく狡賢く見つめて

そうまでして何が欲しいの


誰にでも均等に優しいあなた

地図の読めない私にまで

月明かりのような声で

手を引くような加減で

当然のように優しい


名前を呼ぶことも許されず

にわか雨の中自転車を走らせ

濡れた靴は脱げても

根こそぎ愛したあの人の温もりは

残り一滴捨てられなかった


早過ぎる季節の移ろいを

非道と責めることはしない

二人きりになっても

返事が来ることはないのだし

本当にあなたの大切なものは知ってるから


待っていますなんて言えない

未練は澱のようにあるけれど

難しい恋は苦手だから

珍しいほど潔く手を振って

もう愛さないと思った


病める時も健やかなる時も

優月の灯りはあの人だけに

寄り添ってあげて下さい


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