またいつも通り探偵団達とキャンプ。
朝から出掛けて、魚釣りしたり、鬼ごっごをしたりで遊んでた探偵団はもう寝てしまった。
「綺麗……」
星が満天な夜空の下、ウエーブのかかった茶髪の少女・灰原はテントからでて、広い丘へ行き腰をおろした。
「私も星になりたい……お姉ちゃんの隣にいたい……」
見上げた瞳からヒラリと落ちる綺麗な涙。
「どうして……置いてっちゃうの?」
今も尚満天な夜空に話しかける灰原は寂しい思いだった。
孤独……
悲しみ……怒り…… 偽り……
全てが彼女を襲う。居なくなればいいっとまで追い詰めてしまう暗黒の闇。綺麗に見えていた夜空は一変して闇になり灰原の心を奈落へと落とす。
丘の向こうは……天国? それとも地獄?
今も泣き続ける彼女にふわっと上着が着せられた。
「何やってんだよ! 風邪ひくぜ?」
其処に現れた眼鏡をかけた彼・コナンは息を切らせながら灰原の横に腰をおろした。
どうやら必死にさがしたようだ。
「別に。ただ夜空を見たかっただけよ」
灰原は素早く涙を拭いた。強がりをいいながらも彼に目を合わせない。
「何が夜空見てただよ。泣いてた……だろ?」
コナンは息を整えてから問うた。その言葉に反論できない灰原は俯く。
「貴方は……貴方は闇怖くないの?」
下を向いたまま灰原は話しかける。
突然投げつけられた言葉はどこか弱々し口調であった。しかしコナンは躊躇いもせずに答えた。
「怖かねぇよ! 逃げんなって言ってんだろ? 闇が終われば光が来筈だろ? 少なくとも俺はそう思ってる。それに夜が終われば朝日がさす。絶対とは言えねぇけど……でもな希望を捨てずに一生懸命生きれば幸せは訪れるんだよ!そうやって皆生きてんだ。」
彼は自信満々に答えた。
どうして気付かなかったのだろう。
簡単な答え。
そう、闇はいつか頑張れば明るい世界へとなる。灰原の心の闇が少し晴れたような気がした。
悲しみ、怒りが消える日。
孤独が消える日。
偽りが消える日。
全てが光に変わる日。
もしかしたら来るかもしれない遠い未来。
「偽りの私が消えたら何になるの?」
口にするはずじゃなかった。心で呟いた言葉が声に出ていた。
「そりゃ、『宮野志保』になるに決まってるだろ! それ以外何者でもねぇよ!」
強い口調で確信をもっていうコナンは真っ直ぐ灰原を見つめた。
それは灰原にとって心の支え。
私の光はあなたです。
「ほら、下らねぇこといつまでも、考えてんじゃねぇよ。帰るぞ!」
コナンの言う最後の語尾が強くなった。
『帰る』とは『もとに戻る』という意味も交えている事に理解し、灰原は夜空をもう一度見た。
暗黒の夜空は綺麗な夜空へと戻っていた。
私の光はあなたです。
もう一度胸に刻みテントへと続く道をコナンの後を追った。
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