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ゆきんこ香西さんだ。
外に出れば雪が降る。生まれた日は大雪だったとか…。

言われてみれば今まで見て来た女性の中で一番雪景色が似合う気がする。


凝視してるのがばれないように横目で見る。
外見上は実年齢以上に落ち着きがあって、凛という言葉が似合う。

でも…

「香西さんこの道覚えてる?」

彼女が首を横に傾ける。

「は、い…いや、う…ん…」


このギャップが可愛い。

「近所で迷う香西さんだもんね」

「…何で迷うのか聞きたいくらいですよ」

「まあでもそこが香西さんの良いとこだよ」



大雪の日に生まれた、という話を聞いたとき、最近誕生日を迎えたことを知った。
恥ずかしい話、会話してる最中「おめでとう」を言いそびれた…お姉ちゃんからは小さなケーキ一個だけだったらしいのに。

プレゼントは貰ってないらしい。まあ俺も大学時代はそうだった。
ここは下手にプレゼントして関係が微妙になってはいけない。我慢しよう。




「香西さんってさ、見た目は落ち着いてるよね」

ちらっと彼女が視線をこちらに向ける。

「見た目はってどういう意味ですか…」

「いやいや、何て言うか落ち着いてるよね。雰囲気的に二十代…」


褒めたつもりだったが、彼女の気分を害したようだ。

「…それ、失礼じゃないですか…?」

彼女は苦笑いしながら答えた。

「や、そんなつもりじゃ!
…ただ最近まで高校生だったんだなって」


信じられない。

隣にいる大人びた女性は、つい去年まで女子高生だった。


そんな事考えると俺は犯罪者になった気分だ。
恋をしてはいけない気がして来た。




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