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リボー「第・二・部・終・了!」

ライガ「……テンション高いな~」
第41話 第二部最終話 事後処理とこれから


管理局地上本部大会議室。そこでは、ウロボロスについての会議が行われていた。すでに拘束した幹部メンバーのうち重症のラミア、少年のヤトはライガや機動六課が監視中。エナはナンバーズが監視中。アポピス、ヒュドラ、エキドナは素直に拘置所に入っている。


「エナ・アンバーの所有しているロストロギアは危険だ! すぐにしかるべき処置をとるべきだ! それに、ウロボロスは次元犯罪組織でもある。その幹部はこちらが預かるのが筋ではないか!?」


会議場で騒いでいるのは本局の提督の一人。クロノが呆れたように見ていることから考えれば、こいつもエナを狙っている一人。正確には『ウロボロス』を狙っている一人。おそらく、逃げおおせた奴だろう。クロノがその提督を呆れたように見ているのは、沈黙を守っているリボーを完全に敵にまわしているからだ。


「しかし、提督。エナ・アンバーは人間的な扱いを何年も受けていなかった。倫理観などが崩壊していてもおかしくはない。それに、本人は「リボー・グレイブが居ればそれでいい」と言っていた。なら、リボー中将に彼女の保護監察官をしてもらい教育をしていけばいいのではないか? 


「それに、管理局全体で『ウロボロスの件はベヒーモス隊に一任する』と決定したではないか。確かに副長のアポピスとヒュドラは罪状もはっきりしているが、その他の構成員は罪状が固まっていない。なら、二人を除く者は保護観察処分で良いのではないか?」


レジアスや地上の将官の意見。地上は元々リボーのやり方を賛同しているので賛成している。海は叫んでいる提督のように反対する者、ラルゴやクロノのように表情や態度には出さないがリボーに賛同している者、はやてのように話についていけず傍観している者など様々。


ちなみに、はやてが海側なのは元々海が地上に作った部隊であるということで、先日頭に血が上っていた(クロノ・ラルゴ談)リボーが「甘ちゃんはいらん」と管轄を海に投げたためでもある。だが、クロノがいずれ元の配置に戻すらしい。対外的には「再び海の地上出張所」として。しかし、内面は「海にまだ残っている魔導師至上主義の連中から遠ざけるため」に。地上は元々実力主義だったので問題なかったが、海はまだ「魔導師至上主義」が残っている。海にいれば、そのような連中の駒になる可能性があったから。


閑話休題それはともかく


「しかし、これ以上地上の横暴を許す事は出来ない! 大体、リボー中将はエナ・アンバーと恋仲だったそうではないか! 公私混同は許せんぞ!」


提督がそう叫んだ瞬間、はやてはクロノとラルゴが「言っちゃった……もう知~らね」と頭を抱えたのを目撃した。そして、会議室に机を思い切り叩いた音が響いた。発生源はリボー。


「調子のってんじゃねぇぞ? 横暴? ハッ! 今まで、人材不足とか言って片っ端から魔導師連中を引き抜いて、こっちを能無し扱いした奴がよく言うな?」


リボーがあからさまに見下した目で提督をみる。横に居るレジアスや地上の将官はお茶を飲んだり、隣の者と「これは詰んだな」とか話している。


「つーか、さっきから聞いていればしかるべき処置をとるだの、ウロボロス幹部の身柄はこっちが預かるだの……事態をややこしくした馬鹿の癖に口はよくまわるな?」


「な、何の「お前が本局爆破の連中と関係があるのはすでに調べがついている」っ! で、でたらめだ! 貴様こそ、エナ・アンバーの身柄を自分の物にしたいんじゃないのか!?」


提督は否定するが、リボーは会議室のモニターに映像を映す。その中には提督が捕まった局員たちと会合していたり、ラミアに殺傷設定で魔法を使っていたり、その他様々ないわゆる「悪事」を働いている映像が流れていた。その中にはエナを捕らえ、実験道具として扱おうと話しているものもあった。


「……言い逃れがあるなら聞いてやるぞ? つーか、勘違いしていないか? 身柄を自分の物にもなんも、管理局でウロボロスに対する全ての権限はベヒーモス隊にあるんだぞ?」


既に、会議場になだれ込んだベヒーモス隊に取り押さえられた提督は必死に言い逃れをしているが、すでに会場の局員たちはその狼狽振りから映像が真実である事を悟った。この映像はラミアがもしものために本局中にばら撒いていた『スパイサーチャー』から取り出したデータだった。


「ククク。敵はさっさと駆除しないとな? さて、それでは会議の続きと行こうか?」


クロノは再開した会議がリボーの思うように動かされている事を悟り、ため息をついた。これから自分の仕事が増えることを考えたからだ。


「(家に帰りたいな~。エイミィの手料理が食べたいよ……)」


リボーの親友である事は疑う余地のないことだが、たまに現実逃避したくなる。隣にいるラルゴは信用できない。だって、引退するとか言っておきながらここに居るし、仕事も絶対こっちに回すからだ。だってリボーと同類だから。












「と言うわけで、なんやかんやあったが……機動六課は再びベヒーモス隊に併合する事になったのでヨロ」


「あの~大事な説明がすっごく省かれたような気が……」


元六課隊舎に集められた機動六課の全メンバーは、現れたリボーにそんな事を聞いていた。まあ、ぶっちゃければ元の鞘に戻ったと言うべきか?


「気にするな。「俺だから」と言う事で納得しておけ」


「「「「「あ~」」」」」」


「待て! 自分から振っておいてなんだが、納得するな!」


そんな会話をしながらも部屋に入ってきた者たちが居た。それは、ライガやナンバーズにつれられたウロボロスの幹部たち。


「そして、こいつらは機動六課で社会奉仕活動をしてもらう。まあ、アポピスとヒュドラはまだ分からんが。ウチの部隊はレジアスのおっさんから「いろんな意味で危険だから」と言う理由で却下された。まあ、六課がここに戻ってきたりしたのもそういう理由があるんだよ」


リボーの説明に半数以上が唖然としていた。だが、全員「リボーだから仕方ない」と無理やり納得するようにした。


「……なんかまた失礼な事を考えられた気がするな」


「まあまあ」


そして、アポピスなどが改めて自己紹介を始めた。そして、レンに付き添われてやってきたのはエナ。


「えっと……その……今日からお世話になります」


エナも六課預かりとなった。リボーが「六課はなんだかんだでお人よしが多いから」と言う理由でうまく持っていったのだ。そして、エナも受け入れられた。すると、ウィンドウにレジアスの通信が入った。


『あ~ここで言うのもなんだが、リボー』


「ん?」


全員がレジアスに注目した。そして、レジアスの口から驚くべき事が聞かされた。


『お前の戸籍の配偶者の欄に『エナ・グレイブ』と載ってあるのが確認されたのだが?』


「「「「「……はい?」」」」」


その場にいた全員が耳を疑った。つまりは、リボーはすでにエナと結婚している状態。


『調べてみたら……ラルゴ提督が昨日役所に提出しているのが確認された。ついでに、そのお前の本籍が一夫多妻の世界にあったんだが……心当たりはあるか?』


そういって、送られたデータを大型モニターに映すと確かに、エナと結婚している。そして本籍が確かに一夫多妻が認められている世界にある。すると、違う人間からの通信が入ってきた。ラルゴだ。


『驚いたか!? ちなみに裏工作はしっかりしているので問題ない!』


「大有りじゃボケジジイ!」


いち早く復活したリボーがウィンドウに怒鳴っているが、相手のラルゴは笑いながらおちょくっている。が、すぐに顔を引き締める。


『これもお前やお前を好いている子達のためだ。儂だって本当はこんな真似したくは無かった』


「……なら、必死で笑い堪えてんじゃねぇよ。本心はなんだ?」


引き締めていた顔はすぐに笑いを堪えている顔になる。


『……修羅場が見たいから♪……ププ』


「テメェ今どこだ! 今すぐ行って虚数空間に放り込んでやるわ!」


『リボー』


「おっさん! このジジイどうにか『……オーリスを頼む』テメェもかぁ!?」


そして、後ろから殺気を感じた。振り向くと目がやばい方向にシフトしている女性たちが何人かいた。


「……クソジジイ! 首洗って待ってろや!」


デバイスは修理中なので魔法が一切使えないリボーは走って逃げるしかなかった。そして追いかけるのは野獣と化した一部の女性陣。


「そして、グダグダのまま終わる、と」


ライガのまとめに残された全員は頷いた。そして、それを見ていたエナは少し浮かない顔をしていた。


『嬢ちゃん』


それに気付いたラルゴがエナに声をかける。


『おそらく「私みたいな犯罪者が」とか思っているのかも知れんが、嬢ちゃんに比べればリボーのほうが罪状は多いぞ? 脅迫・癒着・その他もろもろ。それに、嬢ちゃんが一番リボーを理解できるのではないか?』


「え……でも……」


エナが言葉を詰まらせると、残っていたメンバーのうちオットーが口を開いた。


「リボーさんは何とか逃げ切る事ができて、今ミッドの丘の上の第7公園にいる」


「エナさん……行って来てください。隊長は人前で弱みを見せる事はありませんが、エナさんなら別だと思いますので」


「でも「はいはい、さっさと行こうね?」エキドナ!?」


まだ踏ん切りがつかないエナだったが、エキドナの魔獣に捕まり強制的に移動させられた。その様子を見ながらアポピスはラルゴに向けて口を開いた。


「……ご老体。戸籍の件は嘘だな? いや、9割がたは本当か? 提出していないだけ。本人のGOサインがあればすぐに受理されるまでか?」


『気付いておったか。さすがに儂もそこまで無粋な真似はせんよ。ただ、リボーも肝心な所でヘタレじゃからな……いい加減に片をつけてほしかったんでの』


アポピス、ヒュドラ、ラルゴ、レジアスは互いの考えが分かっていた。


『本当にいい性格をしているな』


「……あんた、管理局の提督より政治家の方が向いているんじゃないか?」


ラルゴはレジアスやヒュドラの言葉にも薄く笑っていた。


「……さて、ヒュドラ行くぞ」


「あいよ~。さっさと裁判終わらせたいね。あ、シャマルさん? 裁判終わったらデートしてね~?」


そういい残し、アポピスとヒュドラはライガに連れられて部屋を出て行こうとしていた。アポピスとヒュドラは社会奉仕活動の他に、今まで犯した犯罪の裁判があった。エキドナやラミアもあったのだが、アポピスやヒュドラがデータを消していたので立証が出来ず、結局アポピスたちのみ裁判にかけられることになった。


だが、それも全て罪状が自分たちに来るようにアポピスたちが仕組んでいた事だった。それに、リボーやクロノ、ラルゴやレジアスが裏で動いていたのでそこまで重い罪になる事はないだろう。


『お主らも大概だな』


「ご老体……上に立つ者は責任を取るために存在するのだ。それに、その言葉はご老体に言われたくはないな」


『ククク……言いよるわ』


アポピスはヒュドラを連れて、部屋を出て行った。これから自分たちがどのようになるかは分からないが、自分たちの最大の目標である『仲間の安全の確保』という目的は達成されたので、そこまで未練は無い。


「旦那……俺はどこまでもついていくぜ?」


「ならば、共に地獄に行くか」


神話においてアポピスは混沌と闇を表す。そして傍に控えるのは不死の水蛇。恐れる事は無い。どうなろうと後悔は無い。あとは進むのみ。


『ま、そう簡単には地獄には行かせんがな』


レジアスは出て行く二人を見ながらそう呟いた。














「ハァ……なんとか撒けたか?」


ミッドを見下ろす位置にある第7公園のベンチにリボーが座っていた。手には近くの自販機で買ったスポーツドリンクを飲みながら一息ついていた。


「つーか、なんでリミッター解除許可が出たんだ? 絶対、爺さんかおっさんが手を回していたなアレ」


リボーはここには居ない上司二人に向かい毒づく。そして、どうやって隊舎に戻るか考えていると、空の向こうから何かが飛んでくる。


「……なんじゃ? シグナムあたりが突貫かましてきたのか?」


思わずファイティングポーズをとるが、その正体を知ったとき慌てた。


「リ~~~~ボ~~~~~! た~す~け~て~!」


グリフォンに似た魔獣の口に咥えられてこっちに猛スピードで飛んでくるエナ。そして、グリフォンはリボーの目の前に降り立ち、咥えていたエナを地面に落とし尻尾を器用に使い、紙を渡した。


―――宅配便 エナ・アンバーをお届けに参りました―――


「……あ、これはどうも。サインでいいですか?」


もはや思考が廻らずにツッコムことも忘れてサインを書いたリボー。そして、サインを貰ったグリフォンはまたどこかへ飛んでいった。


「……魔獣って意外とスゲーんだなぁ」


多分それはエキドナの『子供』だからこそだろう。そして、リボーは下で目を回しているエナを抱え、ベンチの方へ向かった。そして、しばらくした後エナも目を覚ましたのだが―――。


「(気まずいわ! 爺さんが余計なことしてくれたおかげで……)」


「(……あうあう)」


しかし、いつまでもこうしているわけにも行かず髪を思いっきり掻き毟ったリボーがエナの肩を掴み、自分の方に顔を向けさせた。


「爺さんが余計な事をしたが……はっきりと言っておく。もう二度とお前を危険な目には合わせない。俺がずっと守ってみせる!」


リボーはそう宣言したが、エナの目には怯えの色があった。自分の立場やリボーの立場を考えてリボーやその周囲に迷惑がかかるのではないかと思っているのだ。しかし、ぶっちゃければリボーやライガのほうがエナ以上に叩けば埃が出てくる。なので―――。


「お前の意見は聞かん。つーか、今の立場とお前を天秤にかけるなら……かける必要もない。俺はお前を選ぶ!」


それに、本局側は何か言ってくるだろうが地上でリボーに逆らう者は皆無。リボーは締める所は締めるし、家柄などではなく人柄や能力で人材を登用しているので人望は厚い。精々、温室育ちのお坊ちゃまやその親などが噛み付くぐらいである。


「……いい…の? 傍にいても……私がリボーの傍にいても」


「もちろん。ドゥーエは戦闘管制に向かないから、ちょうど欲しかったんだよ」


エナはリボーが照れているのが分かった。確かに、そのような理由もあるのだろう。でも、それ以上に嬉しかった。


「(ありがと……大好きだよ)」


そういってエナはリボーの胸に飛び込んだ。













そんな二人をサーチャーで眺めている者たちが居た。


『クックック……クが三つ。これで、あのボケも他の娘の気持ちを受け入れるだろう。そして繰り広げられるのは修羅場♪ いや~楽しみじゃ。早くひ孫の顔が見たいな~』


「「「「「(外道だ)」」」」」


おそらくこの爺さんそう簡単に死ぬことは無いだろう。











<あとがきコーナー>

リボー「爺さんにお礼参りにいかないと」

ライガ「(でも、生き残るんだろうな~)」





Naki様

ライガ「人間ですよ? 限りなく人外に近い位置にいますが」

レン「いつのまにこうなったんだろう?」



灰色の野良猫様

リボー「あるぇ~?( ・3・)俺も、正面から闘うのは好きだぞ?」

ライガ「隊長の場合は外堀を埋めて、逃げ場をなくしてからだから……どうなんでしょう?」



RX21XX様

ライガ「多分、隊長が手段を選ばないのは提督の影響を受けたんでしょうね」

レン「それで、リボーからアンタや地上に感染した、と」

リボー「爺さんなら孔明とも渡り合えるよ」



紅龍様

リボー「甘い! ワームホール展開!」

ライガ「本当に遠距離攻撃完全無効化に成功しましたね」

レン「アルカンシェルも防げたり・・・」

ライガ「いや、貴方が作ったんでしょう?」



サボテン様

リボー「ヒュドラは当初「ウロボロスのリボーみたいな立ち位置」だったらしい」

ライガ「確かに、最強技が自爆技とか。軽薄そうだけど戦闘時は雰囲気が変わるとか共通点が……」

レン「と言うことは、リボーが二人?」

ライガ「まだ、ヒュドラのほうがマシかもしれません」


TOUDA様

リボー「温泉か……作者、番外編で書いてくれないかな?」

ライガ「書くでしょう。あ、晶彦君に朗報です。以前、隊長が作った「魔法少女リリカルなのは Going My Way~重力使いと闇の書~」の製作が決定しました」

レン「公開はそのうちだから楽しみにしていてね」



村正様

リボー「幼一真・・・」

ライガ「雰囲気違いますね~」

レン「あは~♪可愛いな~」




リボー「さて、第二部も終わったが、しばらくは番外編が続いた後第三部に行くらしい」

ライガ「では、またお会いしましょう」

レン「ちなみに、次回は「リボーとライガの出会い」だよ~」






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