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竜皇女たちのちょっとした日常

作者:アロハ座長
少し気分転換の短編です

「退屈ね。どこかの魔王でも潰しに行きませんか?」

 物騒なことを言いつつ高価な茶器を手に取り、これまた最高級の茶葉で入れられた紅茶を優雅に飲むのは、長女で帝国皇女の娘であるアカシャ姉様だ。

「そんなことを言いつつも何かをする気にはないのだろう? アカシャ」
「まぁ、そうね。あなたも剣ばかり磨いてないでお茶でもいかがかしら? 美味しいお茶菓子もあるわよ」
「むぅ、そうだな。頂こうか」

 愛用の剣とコレクションの剣数本を布で磨いているサバサバとした性格の姉は、ドラゴンのダンジョンマスターであるお父様を退治しようとした竜殺しの一族の娘えあるヤーキィ姉様だ。ドラゴンの血を引きつつも竜殺しの血も引くというある意味相反する性質を持つヤーキィ姉様は、結構どころかかなりの戦闘能力が高い。
 私は、お茶会の時くらいは剣は仕舞って欲しいのだけれども本人から中々に聞き入れてもらえない。

「むっ、相変わらずヒイラギの淹れる紅茶とお菓子は美味しいな」
「ええ、毎回飽きないようにレパートリーを変えて下さるのですから」

 そう言って、私の用意した物を上品に食べる姉様たち。趣味や発現がかなり好戦的な姉様だが、教育したのがお父様が助けた貴族や皇族などのお母様方なのでその動作は美しい。

「そう言えば、最近ダンジョンの様子はどうなっているのかしら? お父様はダンジョンマスターとしてしっかりお仕事を為されてますか?」
「ちゃんとお母様方が補佐してダンジョンを運営しておりますよ」

 現在、人化ドラゴンのお父様は、地下帝国の主やら邪竜の魔王だと色々な呼び名を持ちますが、基本は女性好きな駄目な男性です。
 昔は増加の一途を辿ろうとしていたハーレムも管理が大変ということで二十人程度に落ち着いたのは、落ち着いたと言えるのでしょうか?
 まぁ、寿命の違うドラゴンと人間たちの間で主従契約を結んで寿命を引き延ばすなどということをしていますので、一番妻であるお母様は確か500年は生きているのではないでしょうか。

「そう言えば、五女のサクラの誕生日が明日ではありませんでしたか?」

 ぽつりと呟くアカシャ姉様の言葉に、ヤバい忘れていたと顔色を変えるヤーキィ姉様。

「サクラは末っ子ですからね。確か今年で五歳ではありませんでしたか?」
「なら何を送った方がいいだろうか。剣か? それとも鎧か!?」
「落ち着きなさいな。お父様たちもプレゼントの準備をしていますし、お菓子や料理の準備は、ヒイラギが中心に、会場の準備は私とお母様たちがセッティングしていますわ」

 何の問題もありません。とは言え、末っ子可愛いの我が家族たちだ。
 ドラゴンは、個としては強いが生殖能力は低いために同族・異種族での交配でも中々数が増えない。
 一番上のアカシャ姉様でも198歳ですし、二番目のヤーキィ姉様でも150歳だ。
 それくらいに歳が離れている。
 私は、120歳と比較的若年で、四女の研究好きのハマツ(90歳)は、お母様たちからの教育を受けつつも一人研究に没頭している。
 そして長らく生まれなかった五女のサクラは、それはそれは可愛く我が家は全員メロメロだ。まぁ、新しい子が生まれる度にそうなのですが。

「だが、私だけプレゼントがないと言うのも問題だぞ」
「仕方がありませんわね。私も手伝いますから適当に水竜でも狩ってその素材で実用的な道具でも送ってはどうかしら」
「ああ、それなら最近はサクラが泳ぎの練習をしているので水龍の素材を使った浮き輪でも送ってはどうでしょうか? 浮き輪作りは四女のハマツにお願いしておきますので、お姉様と行って来てはどうでしょうか?」
「むっ!? それだ! アカシャ姉様。お願いします」
「はいはい。それなら、水竜は、ナハルト渓流に行きましょう。――《転移》」

 アカシャ姉様が転移の魔法を使うと同時に二人は掻き消え、後には、食べ終わったお茶会のスペースが残っている。

「いつ見ても姉様の魔法は凄いですね」

 お父様のハーレムは沢山居ますが、その子どもたちの紹介をしておりませんでしたね。

 長女にして竜皇女のアカシャ姉様は、天才魔法使いだ。ドラゴンの高い魔力と皇女のお母様譲りの才能、そして賢者のお母様からの教育を受けてダンジョンの地下帝国の上位魔法使いだ。
 そして次女にして竜殺しのヤーキィ姉様は、勇者だ。邪竜の魔王の娘が勇者とはこれいかに。と言いそうだけれども、ドラゴンの強靭な肉体と竜殺しとしての剣技や才能、そして数多のダンジョンモンスターからの実践訓練を経て、約100歳の時に外の世界へと冒険へと勝手に飛び出しては、冒険者として別の魔王を討伐して当時の勇者として崇められた。
 本人は、その時のことを黒歴史のように感じて身悶えするが、たまに正義感が暴走して外の世界で盛大に暴れることがあります。

 私、三女のヒイラギは、高貴な身分でも特別な血筋でもなくダンジョンモンスターの進化した者が生み出した強力なモンスターがハーレムに加わって生まれました。ダンジョンモンスターは一定の強さを超えるとそのモンスターの資質や適正、今までの戦い方によって変化します。その中でゴブリン種の中で運よく息抜き、そして最後に全ての鬼の王である鬼王・バサラ。彼の娘の鬼姫・ニコを母に持ちます。
 お父様のようなドラゴンを始めとする高位のモンスターは人語を介し、知性を持つのでその繋がりでハーレムに加わったお母様の娘が私と言う訳です。
 ただ、元々はダンジョンモンスターの一人であったために私の内面にはダンジョンひいてはその関係者への奉仕。というものがあるのでこうして侍女や料理人のような真似ごとをしておりますが、中々に楽しい毎日を送っております。

 四女のハマツですが、この子も中々に特殊な子でした。母親は忌み子としてダンジョンに捨てられた村娘を保護したお父様がそのままハーレムの一員にしました。そのために高貴な者や外界の知識などなしにダンジョン基準の価値観でダンジョンを補佐する第20~30層のダンジョン管理者です。
 その娘のハマツは、母親からの英才教育で今やダンジョンの魔力を用いて作り出した小規模ダンジョンを一人で幾つも運営しつつ、ダンジョンから産出される様々な資源で私の便利なキッチン道具やヤーキィ姉様の魔剣などを作り出す天才科学者にして次期ダンジョンマスター候補です。
 本人、引き籠り気質のためにダンジョンマスター万々歳と言ったところでしょう。

 そして最後に五女にして末っ子のサクラは、なんと魔王を倒すために異世界から召喚された召喚勇者の娘です。
 召喚勇者は、元の世界へと帰る事を望み魔王を倒す旅をしておりましたが、お父様との死闘に敗れて、そしてハーレム入りしたようです。途中で何があったのかは語ってくれませんが、その時、サクラのお母様と一緒にパーティーを組んでいた賢者のお母様や僧侶のお母様たちも一緒にハーレム入りしたので大人の事情があるのかもしれません。
 あと、召喚勇者の件は、お父様の逆鱗に触れたのか、その国は跡形も無く消え去りました。今では世界中で禁術指定されております。
 まぁそんな余談なのですが、ダンジョンの魔王と異世界勇者との娘であるサクラも潜在能力は高いはずです。将来が楽しみですね。

 他にもドワーフのお母様やエルフのお母様など沢山のお母様たちを囲むドラゴンのお父様ですが、家族愛という物に深いですね。

 おっと、そろそろ明日の誕生パーティーのケーキが焼けたようです。それに、今日はみんなよそよそしいのでサクラが寂しがっていないでしょうか。後でオヤツでも持って行ってご機嫌を取ることにしましょうか。



真面目なダンジョンものなんて書くのは他の人に任せて、自分はそんなような作品の後日談にしました。
ドラゴンとダンジョンとの繋がりでビビっと来た人が居たら、はい、100点です。

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