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恵理を抱けない理由を問い詰められた俺は、なんとかこの場を切り抜けようと苦し紛れの約束をしてしまった。
ソレは各社合同の展示会後。恵理がその出張から戻って来た時に話す約束だ。
だけど、その日までに本当に言い訳が出来るのか?
俺は内心不安になっていた。
俺からの返事に、機嫌を良くした恵理は急に積極的になっちゃって……

その女 ☆ 危険人物!!!
作:かずたか



第63話 痴女?


「だ、大丈夫です?」

ムリに俺のモノを口中に満たしてしまった恵理は、俺の予想を裏切るコトなく思いっ切り嘔吐してくれた。

ナンだか自分でも情けねーなと思いつつ、両手を床に付いて戻す動作を繰り返している恵理の背中をさすってやる俺。

「うぐ、っええぇっ……」

「……」

恵理は涙を流しながら何度も吐いた。

それでも、俺に対してすまないと思ったのか、恵理は『ダイジョウブ』ってアピールしているみたいに、必死に何度もうなずいて見せる。

俺はさっき床を拭いた自分のTシャツを遣って、恵理の吐瀉物を拭き取った。

「ご、ごめっ……汚い……」

「……いいですよ?」

今更俺に気遣いは無用だろ?

しかも、戻したのは俺のモノだし、『キタナイ』ってぇ言われンのも俺としては……かなり微妙。

「……」

恵理が片手でグイッと口元を拭った。

お互いにケーキの脂分とか汗とかでドロドロ状態だ。幾らケーキで汚れたからって言っても、サスガにこの状態では気持ちが悪い。

「フロに行きませんか?」

「ん」

俺が差し出した手に、恵理が応えようと腕を伸ばした時だった。


ガチャッツ☆


「!」

開くハズがないと思っていた恵理の部屋のドアが開いた。

俺と恵理は仰天して飛び上がる。

「……トイレ……」

「〜〜〜」

ドアの外には爆睡中のハズだったアオイが、俺のシャツ姿で寝惚け眼を擦りながら立っていた。

知らない家にイキナリ『保護』って名目で、本人の意思に反して恵理に連れ込まれて来たんだ。

ましてやアオイはたった今まで眠っていた。

部屋の配置やトイレの場所が判らなくったってそりゃ仕方が無い。

たぶん、恵理の部屋から漏れ出ていた灯りに誘われて遣って来たんだろう。ソレは判っちゃいるんだが……


「ト……?」

「……」

うわわっつ! や、ヤバいよ〜っつ!!!

辛うじて恵理は上にTシャツ着てるけど、俺達殆んど真っ状態だし……アオイの眼が完全に覚めて『ナニ遣ってんの?』って問い詰められたら、万事休すで『現行犯』。

お手上げじゃんか。

状況に対応出来なくて、そのまんまフリーズする俺達。

恵理なんか、俯いたまま硬く眼を閉じて今在る現実から逃避しちまっている。

チョッとズルイぞ?

「トイレ? なら風呂場の向こう。廊下の突き当たりだ」

俺は自分でも驚くくらい、冷静に応対していた。

アオイ、このまま寝惚けてろっつ!

ドサクサに紛れて、アオイがこのまま寝惚けて向こうへ行ってくれればいいと願った。

「う……ん、判ったぁ〜」

ボケボケしながらアオイは俺達にくるりと背を向ける。

……信じられないけど、助かったあぁあああ〜〜〜

はぁ〜っと俺は安堵の溜息を漏らした。

息を殺していたホドの緊張感の後。ぴーんと張り詰められていた俺の緊張の糸が緩む――


「ね? ナニしてんの?」

「!?」

すぐ傍で、アオイの嬉しそうな声がした。

イツの間にか、俺の隣にぺたんと座り込んで、俺の顔を間近で覗き込んでいる。

瞬間移動テレポートでもしたのかよ?

アオイが部屋を出て行ったのだと思って、てっきり安心していた俺は、驚いてもう一度飛び上がってしまった。

「あっつ、ああ、アオイ……ちゃん???」

俺はもお、シドロモドロ……

ナンで戻って来てンだよっつ!!!

交互に俺達を見たアオイは、たった今ココでナニが起きたのかを素早く勘付いてしまったらしい。

いや、勘付かなくってもイイから寝てろっつ!

「いいなぁ〜アオイも貰っちゃおう〜〜〜っと!」

アオイは恵理の口元に残っていた俺のモノを見付けると、右の親指を唇にアテガイ、肩を竦めた。そしてモノ欲しそうに口をすぼめて尖らせると、ジトッと俺を見上げて来る。

えっつ??? 

『貰う』って……ナニを???

それに……ナンだよその少女マンガみたいにキラキラした瞳は?


「……」

アオイと眼が合った恵理は、真っ赤になって口元を押さえた。

床にぺたんと力が抜けたみたいに足先を開いた正座状態で座り込んでしまう。そしてもう片方の手でTシャツの裾を引いて、曝け出されていた股間を隠す。

アオイはそんな恵理の様子にマッタク驚くような素振りも無く、再び俺の顔を見上げてニッコリと笑って来た。

ナニ? その下心アリアリの……邪心だらけの笑みは?

「ちょ、ちょっとアオイちゃんっつ?」

恵理の慌てた声が聞こえた。

「うわ? こっつ、コラ! アオイ……っつ?」

ナニすんだよっつ!!!

アオイは俺の中心に在る、萎え掛けた相棒をムンズ☆と掴み、微妙な力加減で上下に扱き始めた。

「うあっつ!? こっ、コラッツ! あふうっつう……やっ、ヤメロ」

恵理に抜かれた直後で、ソノ気分は半減してる。

ムダに刺激したってクスグッタイだけで無理なんだよっつ……

……

……

な〜んて思ってたのに。

「っあ、あ、あう……」

ガキだと思っていたのに、結構上手に扱きヤガル。

「……」

呆然としてアオイの手元を見詰めている恵理。

「あっ、アオ……イっつ、んあっつ、はぁう……ヤメ……」

はあぁ、はあぁ、はあぁ……

眼を閉じてカンジていた俺は、息を乱しながらも薄っすらと眼を開けて、気になっていた恵理の方に視線を送った。

恵理が見てる。

俺とアオイを恵理が見てンだぞおおお〜〜〜!!!

もっ、もお、止めてクレッツ!!!

『恵理』というギャラリーに、俺は一種のキケンな興奮を覚えてしまった。

「うふふっつ、司ってば従順〜〜〜」

アオイが嬉しそうに息を弾ませる。

アオイの手が上下に扱かれる度に、ニチャニチャと厭らしい音を立て、俺の相棒が元気になって来る。

さっきヌイタのに……ウソだろ???

アオイが俺を貪るように咥えて来た。

羞恥心に晒された、遠慮がちな恵理の迎え方とはマッタクの正反対。

ガキの癖にガッツクなよ。

「んっつ……あぁう……」

はあぁ、はあぁ、はあぁ……

頭の片隅じゃ駄目だって判ってるのに、俺の五感総ての神経が俺の相棒に集中した。

キモチ……イイ……

アアッツ――――!!!


「……」

立て続けに……別々のオンナに二度も抜かれてしまった……

アオイは俺のモノで咥内を満たすと、にこにこして俺と恵理の顔を交互に見る。

口端からは、明らかに唾液じゃナイ俺のモノが、太い筋を作ってアオイの顎に流れ出している。

「……」

恵理はアオイの反応に興味津々と言った様子だった。

ナンだかウットリとした表情を浮べて、アオイをじっと見詰めて……いや、観察している。

アオイも『承知!』ってぇ顔をした。

そして……

ごく……

喉を大きく鳴らして、俺のモノを飲み下した。

「〜〜〜」

俺はカルイ脱力感に襲われながら、呆然としてアオイを見詰めた。

つか、恵理の前でイキナリなコトを見せんなよっつ!

恥ズイじゃねーかよっつ!!!

恵理の見守るような視線に、アオイはトックに気付いてて……コイツ、ワザと大袈裟に遣って見せたな? 

この小悪魔っつ!

アオイはまたしても無邪気そうにニコニコと笑った。

「こうするのよ? お姉さん」

顎に伝った一筋をぐいと片手で拭い、余裕の笑顔でアオイはそう言った。

チョッと……待て。

ナンか引っ掛かるんだよな? その言い方。まるでアオイが恵理にご指導しているみたいな言い方じゃんかよ?

「判ったぁ?」

「う……うん……」

イキナリ自分に振られて、赤面したままオドオドする恵理。

俺は、ボンヤリとした頭で二人の遣り取りを見詰めていた。

……サスガに、充電前の強制発射はキツイぞ?

アオイは先に遣った恵理が失敗してるってコトを、トックに見抜いてしまってる。

俺から見ても、アオイのこの実技講習レクチャーはナンダカナ……って思うのに。

ましてや恵理にとっては不愉快な思いだろうとキノドクがっていたんだが……

「じゃ、遣ってみて?」

「う……うん……」

アオイの言葉にモジモジする恵理。

おいおい、その表情。アオイの講習にマンザラ不満は無いよ? ってな顔してるし。

……

……?

待てよ? アオイ、今ナンて言った?

相変わらずボンヤリとする俺の頭。脳をラップで包まれたみたいな錯覚。

早く回復しないと……

って、思っていたら、俺の前に恵理がにじり寄って来た。

恥ずかしそうな表情を浮べて俺を見詰める恵理。

だが、その眼はナンだか興味ありげに爛々と輝いてる……みたいに見えていたのは、俺の単なる気のせいか?

「ナニ……してンです?」

気怠けだるく俺が反応した。

さっき、恵理と一緒にフロに行こうって言ってたのに、ナンだか眠たくなって来たぞ?

「ああん! 寝ちゃ駄目よう、司!」

「はぁあ?」

アオイの言葉に多少なりともムカつく俺。

寝るのにナンでアオイの許可が必要なんだよっつ???

「……」

緊張して冷たくなっている恵理の指先が、俺の相棒に触れて来た。

「ひゃっつ?」

俺の脳よりも身体の方が先にビクッと反応した。

……ま……まさか……???

背中にツ……っと厭な汗が流れる。

「あふぅうつ……」

思わず顎が仰け反った。

「そうそう、要は『慣れ』だよ〜」

俺の反応に、機嫌を良くする恵理とアオイ。

だが、アオイのノー天気な声も、今の俺の耳には『恐怖』にしか聞えない。

恵理が俺の相棒に触れている間、アオイは暫らく恵理の様子を窺っていたが……

やがて溜息を吐いて、身動き出来ずにコーチョクしている俺の唇を奪って来た。

「うぐぐっ! こっ、コラ! アオイッツ!」

「んん〜〜〜なぁに?」

「お前、んんっつ、トッ、トイレは?」

「う〜ん、ガマンしてたら行きたくなくなっちゃったぁ〜」

俺は身の危険を感じながら、アオイのキスを避けるようにして受け止める。

「恵理と二人ガカリだなんて……ソレ、違反だぁ〜」

俺のヒメイに近い声に、アオイと恵理が二人してうふふっと笑った。

つか、笑うなあああ〜〜〜!!!

「あんっ、う、ウン……」

恵理の部屋で淫らな水音と声が響く。

おっつ……俺を被験者モルモットにするなあああ〜〜〜っつ!!!



  *  * 



PiPiPi……

「う……?」

俺の携帯への着信音が、隣のリビングから聞えて来る。

肌寒さを覚えながら見上げた部屋の壁掛け時計は、夜中の二時を少し過ぎていた。

こんな夜中にダレだよ?

間違い呼び出しってのもあるから、俺は暫らく様子を見るコトにした。

つか、物凄い虚脱感に襲われて、頭がクラクラしてる。

どの道、スグには起きられそうもナイ。

……

呼び出し音が切れた。

……間違い電話か?

そう思ったらムカついたが、このまま朝まで寝ていたら三人とも風邪ひいちまうトコロだったぞ?

で、少しは呼び出し音に感謝した。

後ろ手に付いた両腕で、ゆっくりと上体を起き上がらせる。

痛ててっ……☆

フローリングの床に直寝したせいか、身体中のアチコチが痛い。

俺は、俺の身体にもたれ掛かり、安らかな吐息を吐いて眠っている二人の『痴女』を見下ろした。


アレから何度二人に抜かれてイッたのだか覚えていないし、意識がモウロウとしていたから、恵理が『成功』出来たのだかどうだかさえ俺の記憶には無かった。

この俺が『処女』の恵理と『ガキ』のアオイに……そう思うと、カッと顔から火が出たみたいに熱くなった。

途切れがちの意識で、気を失うようにして寝てしまった状態を思い出してしまった。

……殆んどアレって逆強姦じゃねーかよ?

恵理までが……

こんなことなら、いっそのコト、さっさと恵理をイタダイテおけばヨカッタ……かも?


PiPiPi……

また携帯が鳴り出した。

シツコイなっつ。

今、何時だと思ってやがる。

俺はまたしても呼び出しを無視すると、重い身体を引き摺って恵理とアオイを順番にベッドへ移動して遣った。

そしてフラツキながら、俺は浴室へと消える。


熱い目のシャワーを浴びて、少しはシャキッとなったかも?

俺は猛烈な喉の渇きを覚えて、電気も点けずにキッチンへ向かった。


う〜〜〜っつ、冷たくって気持ちイイ〜〜〜!!!

俺は冷蔵庫から五百ミリペットボトルのコーラを取り出すと、グイグイと一気に飲み干した。

空けたての炭酸飲料に鼻の奥がツーンとして、大きなゲップが出る。

まあ、今は起きてるの俺だけだし、周りを気にする必要もないや。


PiPiPi……

「っああ〜〜〜ったくもお、うるせーなぁ!」

俺は何度も呼び出しを繰り返す携帯に悪態を吐いて舌打ちした。

だけど、コレって間違い電話のセンじゃねーよな? 悪戯ってー可能性の方が強いが……

放っておけばいつまでも呼び出しを掛けて来そうな執着に、俺は退きつつ……それでも一応は出てみるかと、イヤイヤながら携帯を手に取った。

相手表示は悪友のコウになっている。

なぁ〜んだ。コウか。

「はい?」

−「よかったぁ〜。やっと捕まったよ〜」

「はあぁ?」

イキナリ安堵するコウの声。

−「何度も掛けたのに、お前出て来ないから、てっきりお前まで遣られたのかと思った」

「……あ? ああ」

『まで』ってナンだよ?

『ヤラレタ』のは確かだがな? 

……『痴女』二人に。

おかしなコトを言うコウに、俺は少しだけイラついた。

「今、何時だと思ってンだよ?」

っざけてンじゃねーぞ?

−「そうゆ〜なって。親友の身を案じて俺がワザワザ掛けてンだぞ?」

「で? ナニ?」

未だに回復出来ない脱力感に見舞われ、眠たくなって来た俺はブッキラボウに切り出した。

「こんな夜中に呼び出して、一体ナンの用だよ? 下らねーハナシだったら、明日工場に行ってブッ飛ばすからな?」

−「お? おう」

不機嫌な俺のケンマクに、コウが退いているのが判った。

−「聡史(向井)が病院に運ばれた。俺もさっき連絡で……今、救急センターの前だ」

「え?」

……向井が?

−「聡史、俺んトコに来てたんだ。で、コンビニに行って来るって言ったきり戻って来なかったんだよ。昨日のコトもあったからな、俺、ナンかヤバイコトになってんのじゃねーかと思って携帯で連絡取ったんだ。したら……」

「……」

俺は、昨日工場で向井が『当たり屋』に狙われているのを知っていた。


『連中、俺達の車種とナンバー覚えてて、事故らせようとして来てるんだ』

水守からの紹介に一度は快く応じていた向井達だったが……俺が本社に帰り支度をしていた時、元木(拓海)がポロリとコボシタ弱音が頭の中で鮮明に蘇る。

『じゃ、そんな仕事ヤマ、止めればイイじゃねーかよ?』

『馬鹿言え。契約相手は成和会だぞ? 今更断れるかよ? ってか、相手が成和会だって知ってたら、初めっから引き受けてたりなんかしてやしねーよ!』

終わりの方は半ベソ状態だった。

コイツ等、成和会に騙されて片棒担がされていたんだ。



イッペンで眠気が消飛んだ。

俺は手早く身支度を済ませると、恵理達を起こさないようにソッと玄関のドアを閉じて、向井の運び込まれた救急センターへと急いだ。








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