課長は俺の身体から両腕を抜くと、腕で胸を隠しながらも身体三つ分くらい座ったままで移動した。 そして身体を深く折り曲げると、自分の座って居るベッドの足下を手探りする。 ……? ナニを捜しているんだ? 「あった」 課長の腕がピタリと止まった。 バスローブで拘束されている白い両手が、ベッドの物陰から化粧品みたいなコモノを取り出していた。 淡いピンク色の小さなチューブ。 課長って、ピンク系が好きなのか? (そういや、携帯の色もピンクだったな) 「それ、ナニ?」 チューブタイプのハンドクリームみたいだが……? 「コレ? 化粧品(ラブコスメ)よ?」 イヤ、ソレは見りゃ判る……って? 『らぶこすめ』??? 課長はヤッパリ腕で胸を隠しながらもチューブのキャップを空けて、指先に少しの量をトロリと乗せた。 中から出て来たのは、半透明のモノ……個体よりも液体に近い。ジェル状のものだった。 課長はジェルの付いた指先をペロッと舐める。 その行動は課長の毒味か? 「うん、ダイジョウブ……司?」 「ナンですか?」 課長はニッコリと笑って俺を近寄らせようと手招きした。 またナニか企んでイルナ? 見た目には害はなさそうだし、ダイジョウブか? 俺は跪(ひざまず)いたままで課長の傍へニジリ寄ろうとした。 「あっ!?」 俺と課長の声がハモった。 大きく出した一歩がマズカッタ。 俺の腰を覆っていたバスタオルが緩み、はらりと落ちる。 ……ってぇ? 自然な開放感に、俺は内心慌てた。 「つ……司?」 「はい?」 「ナニ? それ」 『それ』って、ナンだよ? 課長は動きを止めたまま、瞳を大きく見開いて俺から視線を逸らせられないでいる。 「え? ナニって……見りゃワカルでしょ?」 見なくても、今の俺の状況くらいワカリマス。 俺は開き直って腕組みをした。 ……落ちたハズのバスタオルは、全部床には落ちていなかった。 俺の分身が臨時のタオルハンガーになっていたからだ。 ……チクショー、恥ずかしい〜〜〜 「ぶっつ!!! ふふふっ……くくっ……」 例によって……課長の馬鹿笑いは健在だった。 「……もお、イイですか?」 課長が一頻(ひとしきり)り笑い転げるのを、ジッと堪えて待ったいた俺。 こんなコトなら、『笑い出す』ってぇルールも加えときゃよかったな。 「ゴメン、ゴメン……で、ナンだった?」 あのね…… 俺は呆れると、課長の手にしたチューブに視線を移した。 「あ? ああ、これね?」 笑い過ぎたのか、顔が真っ赤だ。 「ひょっとして、ローション?」 俺は課長の答えを待たずに切り出した。 「……えへっ」 課長は細い肩をスクめて小悪魔みたいに舌を出す。 ジェル状だが、課長の反応からして多分当たり。 ホント、知識だけは立派だよ。 俺は課長に気取(けど)られない程度の溜め息を吐くと、バスタオルが完全に俺から離れ落ちるのも気にせずに立ち上がった。 更に赤面した課長が両手で口元を押さえ、軽く息を呑んで驚いたが、その視線は俺のアル一点に釘付けになっていた。 マジ見するな〜〜〜 「貸して?」 「あん」 俺は片足を立てて跪くと、課長からソレを取り上げて利き手の指先にトロリと落とした。 「塗ってあげますよ」 「〜〜〜!」 課長は俺のコトバに反応して『いや〜〜〜ん』って言いそうになった。 慌てて右の手の甲を艶やかな唇に押し当てる。 ちえっ、ザンネン。 「あっ、あん……」 ラブコスメを付けた俺の利き手が、課長の滑らかな肌の上を微妙な加減でゆっくりと撫で擦る。 課長の耳の後ろから首筋、背中、脇腹……特に、胸は両手で丁寧に伸ばして付けて行った。 ラブコスメのピチャピチャという音がする。 「んっ、うン、あ、はうっ……」 タダでさえ俺のソフトタッチ(ペッティング)でカンジテいたのに、このラブコスメでの俺のタッチに、課長は甘い声を押し殺すのだけで必死だったみたいだ。 「う……は、あぁ……」 眼を閉じ、切なく吐息を漏らして、ふっくらとしたサクランボみたいな唇を軽く開く…… 噴出して来る汗で、俺にマッサージされている課長の肌が、キレイな桜色に濡れて来る―― チュッ…… う〜ん、ミントと何かの甘いフルーツの味。 俺的にはチョット癖になりそーな味だ。 俺はワザと音を立て、課長の肌に塗ったラブコスメを味わうようにキスの雨を降らせ、舌を這わせた。 「ぅン、はぁあん……」 課長は俺の愛撫を避けるようにして受け容れながら、徐々(じょじょ)に恍惚とした表情を見せ始める。 俺の両腕から肩にかけてザワザワと鳥肌が立った。 うわ、課長……色っぽい…… AV女優よりイイ!(課長の方がナマだもんな?) 「あ……はぁ……」 ドクン、ドクン…… 俺の胸の鼓動と、下半身の拍動が連動して大きくなる―― 俺は堪らなくなって立ち上がった。 丁度、座っている課長の顔の少し上に俺の股間が来る。 俺は課長を跨(また)いで軽く膝を落とすと、熱く怒張している分身を課長のオッパイで挟んだ。 「ひゃっ……あ、あぁん……」 オッパイで挟んだまま、挿れた時のように俺は腰を動かす。 一瞬、我に返った課長が短く悲鳴を上げるが、自分よりも熱くなっている俺の分身を直にカンジて来ちゃったらしい。 俺の動きに、またモトの甘いヨガリ声に戻る―― ヤバッ…… 感じてイキそうになった俺は、慌てて身体を離した。 「……?」 急に身体を離した俺を訝って、課長はトロンとした眼で俺を見上げた。 俺はと言うと、もう一度指先に例のローションを取っている。 課長と視線が絡み合うが、課長の視線はすでに焦点が合ってないし。 「コッチも塗ってあげますよ?」 俺は課長の腰に儚く纏わり付いていたバスローブを軽く引いた。 紐がないバスローブなんて、頼りないバスタオルと同じだ。 俺は遂に課長を全裸にした。 「ああん……や……」 「じゃ、止めましょう」 俺はまた課長のコトバ尻を取ってニヤついた。 「ううん、ま、まだ言って……ふぁあ?」 う〜〜〜ん、ガンバルなぁ。 俺は課長のフトモモや足首、スネの裏側にいたるまで、ラブコスメの付いた手で得意のペッティングで撫で回し、繰り返しキスの雨を降らせる。 チュッ、チュッ…… 「あ……あ、あん……」 下半身へも移った愛撫に、少し怖くなったのか課長の身体は『逃げ』の体勢になった。 身体を強張らせて、ベッドの奥へと後退りする。