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あけましておめでとうございます(※本編とは関係御座いません)

ううう、何も言わないで下さい;;

 フルヴァッカ公国。この国はかつてから周辺国に吸収併合されながらも、領主が上手く立ちまわって命脈を保ってきた国である。現在は独立を果たし、大公が威光を掲げ、ある意味勢いのある国のひとつだった。


 ある時、公主あらため公王となった男は思った。周辺国は『神器』を所有している。大きな力を持った神からの贈り物である。独立を果たした我が国には無い。同じ公国であるシーイスには、神器に匹敵する存在『竜』が住まう。我が国には居ない。


 そこで王は国の権威を高めるため、方々へと触れを出した。

 思いもよらない品が在ると言う。

 『始まりの蛇』として、古竜と並ぶ存在、虚空大蛇。その飛行骨が手に入ったというのだ。

 公国の権威としてこれほどの物はない!


 王は喜び、莫大な報酬と引換に神獣の証を得た。民からの税の殆どを盗賊風情に与えたのだ。


 そして、破滅は降り注ぐ。


 黒雲は王城上空に濃く溜まり、一向に晴れる様子がない。時折訪れる怯えた侍従長は、配下の男女が黒雲から鱗をまとった長い胴を見たと報告する。

 宝物庫で不思議な音がすると、確認に走らせた財務卿が震える手で運んで来たのは、神獣虚空大蛇の飛行骨であった。

 燐光を放ち、低く唸るそれを手にとった時、玉座の窓に巨大な球体が接していた。


 怒りに燃えた金色の瞳が、大きな窓を占領していたのだ。放たれる威圧感に殆どの家臣が気を失う中、公王はなんとか気を失しずに済んだ。いや、向けられた敵意がそれをさせなかったのだ。


《我が子の翼、返してもらう。そして、報いを受けよ》


 かくして、フルヴァッカ公国は滅んだ。命脈を保っていた大公であったが、王城は王子王女ごと消し飛んでしまった。彼の国を、曲がりなりにも存続させていた血は絶えてしまった。尤も、普人族国家間での拘りに斟酌する神獣は居ない。


「ミソラ、あなたの翼は取り戻しましたよ」

「んー。でも、お兄ちゃんに治してもらったよ?」

「お前の翼だ。どうするかはお前が自由にするが良い。決めるのは、もう少し世界を見てからだがな」

 ミズガルズとアナンタの巨体がフルヴァッカ王城跡の上空でうねった。

 小さなミソラは、両親の間を飛んでそれぞれに甘えていた。


 取り戻したミソラの飛行骨は、ミズガルズが飲み込んで腹に保管した。後に、知己へと渡ることになる。しかし、それは先のお話――。



挿絵(By みてみん)


イラストだけ載せようとしたら、本文200字以上必須でしたw


苦肉の策として、ちょっとしたこぼれ話で……。

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