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この作品には 〔残酷描写〕 が含まれています。

百姓哀歌

作者:バロウズ
錆色したドラム缶に観音様が微笑んで、女衒に叩き売られる堕胎児が下水道の赤紙と一緒に流される。狸面した政治家の演説は歯欠け爺の金玉じゃねえか。
皺くちゃ婆のセンズリは腐った茄子より始末に悪い。仏壇拝むおいらのお袋はいつも仏さんに毒を吐く。八百長で生まれた赤ん坊はカタワもんだったよ。
酒飲みお父のせいでおいらの姉貴は赤線いっちまい、メリケンさんに観音様を拝ませて隣の倅を恋しがっているんだよ。
どす黒い朝焼けの雲に壊れた白いお日様がちょぼくれ、ちょぼくれ、ちょぼくれとサイコロ振ってやがる。
おいらの兄貴は二等兵、チャンコロ野郎に背中を打たれて家族残して今じゃ仏様。
おいらの居場所はどこにある。可愛いあの娘も村長さんのお妾さん。
可愛いあの娘の啜り泣き、おいら納屋で貰い泣き、村長さんがあの娘の上に圧し掛かっていたのさ。
辛い、悲しい、辛い、悲しい、泣くしかないおいらとあの娘。所詮水飲み百姓の倅、おいら逃げたら家族は村八分。
色にボケちまった婆さんも兄ちゃん罵るお袋もロクデナシのお父も残していけないおいらなんだ。
おいらの居場所はどこにある。おいらのお天道様はどこにいく。前を向いても後ろを振り返っても暗い道が続くだけ。
親父お袋あんたら覚えてるか。あれはおいらが六つの頃だ。水を張った桶の底、小さな赤子が浮かんでた。
ぷかりぷかりと浮かんでいたんだ。産湯に沈められた弟においら駆け寄ることすら出来なかったんだよ。
涙零して黙ってみてた。間引きされちまった弟は沼に捨てられ、魚の餌よ。
なまんだぶ、なまんだぶ唱えても幸せになるわけじゃなし、あの娘が嫁にくるじゃなし、弟戻るわけじゃなし。
お袋、念仏やめてくれ。おいら気が狂いそうだよ。お袋、念仏やめてくれ。おいら気が狂いそうだよ。

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