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6年1組バスケ日記
作:パプリカちいたん



episode 5


「みっちゃん、気をつけた方がいいよ」

 休み時間も終わりに近づく教室の後方で、美咲は怜香と佳奈に捕まっていた。

「何で?」
「御三家が揃って篠崎君のこと狙ってるみたい」
「え? マジ? それはご愁傷さま」
「どういうこと?」

 怜香が尋ねる。

「いや、だってアイツ超性格悪いし。絶対フラれるのがオチだって。御三家がフラれるのはいい気味だけどね」

 美咲は顔をしかめた。

「転校初日に人のことシカトする、普通? マジありえないし」
「よく分からないけど、ご愁傷さまなんて呑気なこと言っている場合じゃないんじゃない?」
「それこそ、どういうことよ」

「だって、みっちゃんって篠崎君の隣でしょ?」
「それがどうかしたの?」
「どうかしたの、って……」

 佳奈は頭を抱えてしまった。

「要するに、下手するといつもはお互い同士でいがみ合ってる3人の矛先が、一斉に美咲に向くかも知れないってこと」

 美咲は未だにきょとんとしている。
 怜香と佳奈は顔を見合わせ、大きな溜息をついた。

「美咲」
「…何?」
「あなた、篠崎君のこと好き?」
「……はあぁぁぁあ!?」

 騒がしかった教室が静まりかえる。
 大きな声を出した美咲にクラス全員の視線が集まった。

「あ、あはははー、何でもないですよー、皆さんはお喋りに戻って下さいねー」

 慌てて取り繕う美咲の視界の端に、亮平たちに囲まれてこっちを見る達也がうつった。怪しいものを見るような目付きに美咲は真っ赤になった。が、達也はすぐに亮平たちの方に向きなおり、何やら話し掛けている。

(くわっ、最悪)

 余りの恥ずかしさに美咲は目を白黒させた。

(こうなったのも怜香のせいだからね、怜香が変なこと聞くから…)

 美咲が物凄い形相で振り返っても、怜香は笑顔で

「で、どうなの?」

 などと聞いてくる。

(こんの悪魔…っ!)

 美咲が答えないでいると、怜香は

「まあ、さっきの慌てぶりからして、一目惚れといった所かしら」

 と、勝手な解釈を披露する。

「そんな訳ないじゃん、誰があんな――」
「授業中彼に話し掛けたりしない?」
「だからあたしは――」
「それなら大丈夫かもね。まあ、あんまり仲良くしてると御三家の標的になるかも、ってこと」

(勝手に自分のペースで話を進めるなぁっ!)

 と心の中で叫ぶ美咲だったが、それを声にする気力も体力も美咲には残っていなかった。

「今年は御三家が全員うちのクラスに揃っちゃったもんね、美咲も気をつけなよ〜?」

 のんびりとした口調に多少神経を逆なでされたが、確かに佳奈のいうことにも一理ある。あの3人に一気に攻撃されたらたまらない。

「御三家を同じクラスにするなんて、一体誰がクラス分けの担当だったのかしら」

 怜香が低い声で呟く。

「でも佳奈は嬉しいよ! だってみっちゃんと怜ちゃんとひろくんと同じクラスになれたんだもん!」

 結局高井は佳奈たちと同じクラスだったのだ。

「はいはい、頑張りなさい。じゃ、もうすぐ授業始まるから」
「え? ちょ、待ってよ」

 美咲の呼ぶ声を無視して怜香はさっさと席に着いてしまった。

(って、いつの間にかみんな席に着いてるし!)

 そこでチャイムが鳴り先生が入って来たので、美咲は慌てて自分の席に着いた。

(結局誤解されたままな気がする……)

 美咲は盛大な溜息をついたのであった。


如何でしたでしょうか。あんまり話が進んでいませんが、次回はシリアスで、話も結構進むと思います。評価・感想、頂ければ励みになります。宜しくお願いします。











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