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詩集 想いを羅列2‐楓‐
作:樹歩



†軌跡その8



『瓦礫』

あの夜
あの暖かな春の夜

あなたに
抱きしめられた

あなたの腕が
私の背中をまいた

あの瞬間

私の頭と心に
懸命に積み上げたものが

ガラガラと音をたてて
崩れ落ちていった

やっとやっと
あなたとの日々を
遠いと言えるように
なったのに

ばらまかれ
崩れ落ちた積木は

もはや
価値のない瓦礫

私は
それを除ける事も出来ず
血を流しながら
その上を歩いた

私の幾年もの
つたない努力は

あなたの
手の感触だけで
一瞬の感触だけで
ただそれだけで

全て無くしてしまった

ああ
それでも

こんなにも
こんなにも

あなたを愛していた

もう
どこへも行けない

瓦礫を踏むしかない
がらくたの私


『都会のホームにて』

ひとりになった途端
心細くて

慣れない都会の駅
足早に歩く

さっきまで
楽しくて楽しくて
笑っていたのに
鏡に映る青白い私

寒いよ
ヘッドフォンからの唄
心に抱きしめる

あなたが必ず
窓から星を
眺めると言ってた時刻

思い出してくれたら
今夜私を
思い出してくれたら

私はこの寒いホームから
笑顔を送るのに

心細くて
心細くて
でも他の人ではなくて

あなたに来て欲しい
「大丈夫だよ」って
いつものように
言って欲しい

「大丈夫だよ」って
「一緒にいるよ」って
いつものように

そしたら
この寒さでさえ
嬉しいのに

あなたの腕に指絡める
理由になるのに

どうか夜空見ながら言って
「大丈夫だよ」って
「そばにいるよ」って












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