電話
電話が鳴る。
『プルルルル、プルルルル』
電話が鳴っている。
『プルルルル、プルルルル』
電話が泣いている。
『……プルッ、うぅ…、あぁ……。プルッ…』
電話が慰められる。
『うん…、そうだよな…。プルル…』
電話が元気を取り戻す。
『うん。考えても仕方がない! プルル!』
電話が明日への希望を見出だす。
『やるぞ! やってやるんだ! プルルルル!』
電話が夢に向かって頑張る。
『プルルルル! 負けない! プルルルル!』
電話が大きな壁にぶつかる。
『くっ…、どうすれば…』
電話が現実を知る。
『嘘だろ…。今までの俺の努力の意味って…』
電話が相談をする。
『俺もう…、限界なのかな…?』
電話が現実を受け入れる。
『結局無理なんだよな。携帯電話には勝てないよ』
電話が自分を偽る。
『いや、最初から思ってなかったよ。固定電話が携帯電話に勝てるわけないっしょ』
電話が一人で酒を飲む。
『…………くそったれ!』
電話が荒れる。
『くそっ! くそっ! くそっー!』
電話が落ち着きを取り戻す。
『ふぅー…。俺、間違ってたよ』
電話が本来の自分の姿を思い出す。
『もう一度…。昔の自分に…』
電話が鳴る。
『プルルルル、プルルルル』
電話が鳴っている。
『プルルルル、プルルルル』
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