第3話 〜大きなイベント 後編〜
カイル「ジュリアさん。どうしたんですか?」
呼ばれたカイルは、ジュリアにこう答えた。
ジュリア「今夜はダンスパーティーなんだけどん、私ってまだ誰にも誘われてないのよねん」
カイル「そうなんですか?(さっきマックスさんに誘われてた気もするんだけど・・・)」
ジュリア「そこでなんだけど・・・」
ジュリアは、そこで少し溜めの間を作る。
カイル「・・・えっと、何でしょう?」
ジュリア「今夜、一緒に踊らない?」
カイル「・・・えっと、僕はいいんですけど(どうしよう。何だか今日は誘われる率が高いよう
な)」
ジュリア「じゃあまた夜ねん♪楽しみにしてるよん♪カイル〜♪」
ご機嫌な様子のまま、ジュリアは帰っていった。
マナ「どうするのカイル?結構な人に誘われてるみたいだけど」
カイル「うん。ていうか、僕から誘った人が一人もいないんだよね。これってかなりまずい状
況だよね」
マナ「う〜ん、そうでもないと思うけど」
カイル「というわけで、改めて言うけどマナ」
マナ「え?何?」
カイル「今夜一緒に踊らない?」
マナ「・・・え?」
マナはボー然としてしまい、言葉を返せなかった。カイルの口から直接、「踊らない?」とい
う言葉が出たことが、これほどの威力を有する物なのだったらしい。
マナ「よ、喜んで・・・」
カイル「うん。じゃあまた夜ね」
マナ「え、あ、うん・・・」
カイルは笑顔でその場を後にした。
マナ「・・・カイルに、誘われた・・・」
マナは、カイルに誘われたことをまだ気にしていたのだった。
カイルが一旦家に帰ろうとしたその帰り道。カイルは道の端っこの方でぬいぐるみを抱えてい
るドロシーの姿を確認した。
カイル「そういえばバレットさんが探してたっけ」
先ほどのバレットの言葉を思い出したカイルは、ドロシーに話しかけた。
カイル「こんにちはドロシーさん」
ドロシー「キャッ!・・・あっ、カイルさん・・・こんにちは」
ドロシーは、いきなりカイルに話しかけられたので、少し驚いていた。
カイル「あの、ここで何を?」
とりあえずカイルは、ドロシーが一体ここで何をしていたのかを聞くことにした。
ドロシー「・・・えっと、ダンスパーティの集会に行った帰りです」
カイル「あれ?ドロシーさん、一体どこにいたんですか?ドロシーさんの姿が公園では見当た
らなかったのですが」
ドロシー「・・・草陰のところに・・・いました」
カイル「それじゃあバレットさんが気づかないのも分かりますね」
ドロシー「・・・バレットさんが、どうかしたのですか?」
ドロシーは、カイルの言ったバレットという単語に、少し反応した。
カイル「バレットさんがあなたのことを探してましたよ。恐らく、ダンスパーティーに誘おう
と思っていたのではないですか?」
ドロシー「ダンス、パーティー・・・一緒に・・・踊る・・・」
ドロシーの顔が赤くなった。そして、
(タタタタタ)
どこかへ走り去っていった。
カイル「ドロシーさん、大丈夫かな?」
カイルは再び歩き始めた。すると今度は、
ユエ「こんにちは、カイルはん」
ユエに会った。
カイル「あっ、ユエさん。こんにちは」
ユエ「先日はウチを家に入れてくれてありがとう。後、お茶もくれたよね。おおきに」
カイル「いえいえ。当然のことをしたまでですよ」
先日、雨が降ったあの日、ユエはカイルの家に雨宿りをしたのだ。
ユエ「ところで、今夜はダンスパーティーやね〜」
カイル「そうですね。何だか波乱の予感がします」
ユエ「だよね〜。私も何だかそんな予感を感じるの。ところでカイルはん」
カイル「はい、何でしょうか?」
ユエ「今夜、私も様子を見に行ってもええの?」
カイル「ええ。いいと思いますけど」
ユエは直接カイルを誘うことはしなかった。何故なのかは分からない。
ユエ「じゃあまた今夜ね」
カイル「はい。それではまた」
ユエと別れたあと、カイルは再び歩き出し、しばらくして家に着いた。
(バタン)
カイル「ふ〜」
家に着いたカイルは、時計がまだ11時なのを見る。とりあえず昼食を済ませて、それから6時
頃まで寝ることにした。
そして、運命の夜が訪れた。
(ザワザワザワ)
カイル「いよいよ、か・・・」
カイルは、集会所のど真ん中にいた。周りでは、なにやら村人たちが話している声が聞こえ
る。
マックス「だーくそ!何で僕の相手は見つからなかったんだ!!」
ロザリンド「兄さん、踊り相手が見つからなかったのですか?」
マックス「ああ!ジュリアはカイルに取られちゃうし、ドロシーは見つからなかったし!!」
・・・何だか、マックスのキャラがかなり崩壊してきてますが、気にしないでくださいね。よ
くあることなので、キャラの崩壊は。
カイル「あの・・・さりげなく現実的なことを言わないでください」
マナ「あっ!カイル〜♪」
カイルを発見したらしいマナは、カイル目掛けて走ってくる。
カイル「あっ、マナ!」
カイル自身もマナを発見した。
マナ「こんばんは。カイル♪」
カイル「こんばんは、マナ」
マナは、いつもの服装とは違い、白くてスカートの丈が長いドレスを着ていた。その様子はま
るで、妖精のようにも思えた。
マナ「いよいよダンスパーティーだね♪」
カイル「うん。そうだね」
マナ「楽しみだな〜。カイルと踊るの♡」
カイル「・・・そう思ってくれてるのなら、僕は幸せだな」
カイルは、無邪気な笑顔で話しかけてきたマナに、無邪気な表情で返す。しばらくマナと会話
をしていると、いつもより少し豪華な着物を着たユエがやってきた。
ユエ「カイルはん。こんばんは」
カイル「あっ、ユエさん。こんばんは」
ユエ「しかし、結構人が来てるんやね〜、ダンスパーティー」
カイル「まぁ・・・村人全員参加みたいですしね」
マナ「でも、結局相手が見つからなかった人もいるみたいだよ」
カイル「あはは・・・。それってマックスさんのこと?」
マナ「あと他にも・・・」
ユエ「あの人とか?」
カイル「え?」
ユエが指差した先には、
ダグラス「うおー!マナー!!どうしてオレと踊ってくれないんだー!!!」
こんな感じの言葉をずっと叫んでいるダグラスの姿があった。
ターニャ「まぁまぁ。そんなに悲しいんだったら、私が相手しようか?」
ダグラス「いいのか!?」
交渉成立。
ユエ「あっ、交渉成立してもうた」
マナ「お父さん・・・。ちょっと複雑な気持ちかも」
カイル「あはは・・・。ところでユエさんも今日は参加するんですか?」
ユエ「う〜ん・・・とりあえず参加してみてもええかな?」
カイル「それもいいかもしれませんよ?」
マナ「どうぞ。是非ユエさんも参加してください」
ユエ「んじゃあ〜、お言葉に甘えて」
こうしてユエも参加することになった。さてここで問題は、肝心の踊り相手なのだが・・・。
マックス「それならば、僕がお相手しましょう」
・・・マックスの輝く笑顔がやってきた。
ユエ「う〜ん、どうしたらええと思う?カイルはん」
カイル「え?えっと、とりあえず、OKしても大丈夫かと」
カイルは、少し答えに迷ったが、その後すぐにそう返答した。
ユエ「なら、お願いします」
マックス「喜んで(キラ〜ン)」
口元が光ったようにも見えた。こうしてマックスも、踊る相手を見つけたのである。ただ、そ
んな兄の様子を見ていたロザリンドは、
ロザリンド「・・・」
ただ呆れていた。
何がともあれ、ダンスパーティーは始まった。
(♪〜)
始まりは、何故かゴードンの弾くピアノから始まった。
カイル「ゴードンさん、ピアノ弾けたんですね」
カノン「そうだよ!実はお父さんってピアノ弾けるんだよ!」
元気な声でカイルに話しかけてきたのは、ゴードンの娘のカノンだ。ロイはいつも公園や教会
で遊んでいる元気な女の子である。
カイル「へぇ〜」
と、そこに、
セシリア「カイルさ〜ん」
セシリアがやってきた。
カイル「あっ、セシリアさん。こんばんは」
セシリアは、いつもの服とは違い、少し豪華なドレスで登場した。恐らくは、ヴィヴィアージ
ュ家でドレスを借りたのだろう。セシリアはお気に入りらしいし。
マナ「セシリー、綺麗じゃない・・・」
セシリア「えへへ。ありがとうございます。カイルさん、そろそろ始まりますね」
カイル「そうですね。楽しみですね、ダンスパーティー」
マナ「そうね。カイルと踊れるから、楽しみ♪」
アリシア「私だってカイルと踊るわよ〜」
いつの間にか、カイルとマナとセシリアの背後には、アリシアの姿があった。こちらも、いつ
もの魔女を思わせるような服とは違い、大人っぽいドレス姿をしていた。
マナ「アリシア、大胆・・・」
アリシア「このくらいはやらないとね〜。折角のダンスパーティーなんだし」
アリシアは、身を翻しながらそう言った。
カイル「ところで、僕は一体誰から踊れば・・・」
そういえば、まだ一番に踊る相手を決めていなかったのである。しかし、そんな質問を予測し
ていたような感じで、
セシリア「えっと、マナさんとカイルさんが踊ればいいと思います」
セシリアは答えた。
アリシア「う〜ん、そうね。それが一番いいかもしれないわね。でも、マナが終わったら、私
たちとも一緒に踊ってよね」
カイル「は、はい。分かりました」
マナ「・・・セシリー、もしかして、私のことを・・・」
セシリア「頑張ってください、マナさん」
どうやらセシリアは、マナがカイルと一緒に踊りたかったのを察して、カイルに『一緒に踊り
ませんか』と誘ったらしいのである。セシリアは頭がいい子なんです。
カイル「じゃあ、マナ。手を」
マナ「・・・はい、カイル」
バックで流れる音楽と共に、カイルとマナの2人は、軽やかに、美しく踊りだした。
セシリア「・・・綺麗です」
アリシア「・・・本当ね〜」
村人たちのそんな声が聞こえる中、カイルとマナは、2人だけのリズムを崩さずに、踊り続け
ていた。
第3話 完
おまけ
マナと踊り終わったカイルは、セシリアたちとも踊る為に、セシリアとアリシアがいるところ
まで戻ってきたのだが、そこで、
ジュリア「カイル〜♪ここにいたのね〜」
ジュリアと出会った。
カイル「あっ、ジュリアさん」
ジュリア「じゃあ、私と踊ろうよ♪」
カイル「・・・えっと、セシリアさんとアリシアさんが・・・」
ジュリア「さっ、行こ♪」
カイル「あっ、ジュリアさん!?」
カイルの話を聞くまでもなく、ジュリアはカイルと踊ったのであった。
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