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あいつとの電話 作者:酒井しのぶ
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男のロマン/男のステータス

Y: 合コンはどうだった いい男はいたのか

S: いい男なんていなかったわよ

Y: 相手はどんなヤツらだったんだ

S: 車のね なんて言ったっけな ニッサンの……

Y: ニッサンに勤務しているヤツらか?

S: 違うわよ ニッサンの車の名前 おっきいやつよ なんだっけ?

Y: なんだっけと言われてもな エルグランドか?

S: それはワゴンでしょ 乗用車よ

Y: プレジデントか

S: ああ そうそうそれ!

Y: それがどうしたんだ 合コンとどんな関係があるんだ

S: プレジデントの愛好家たちなのよ

Y: なんだそれは

S: サークルよ プレジデントユーザーのサークル 月いちでドライブしたりしているらしいわ

Y: なるほど そのサークルの男どもが合コンの相手だったわけか

S: そうなのよ

Y: そりゃろくでもないな

S: セッティングしたあたしの友達がさぁ 女のね ニッサンのディーラーに勤めていて それで男どものリーダーと知り合って 合コンすることになったのよ

Y: どうせあれだろ ずっと車の話だろ

S: そうなのよ もう本当に最悪だったわ

Y: だが ただでは転ばなかったと そういうことだな?

S: あたりまえじゃないの ちゃんとその男どものなかでいちばんかわいいのに唾つけておいたわ

Y: アッシーってやつか

S: そうよ 車しかとりえがないんだから アッシー以外に役に立つわけないじゃないの

Y: 厳しいな

S: あんたみたいに 車に何百万もつぎ込んでいるくせに 年に二、三回しか乗らないバカたれよりはずっとましだけどね

Y: 何百万じゃない 何千万だ

S: もっとバカじゃないの

Y: なんとでも言え おれはあの車を保持するために働いているようなもんなんだ あの車を愛しているんだ

S: はいはい あたしだってあの車のオークションで 二百万も出してんだから たまにはドライブくらい連れていきなさいよね

Y: おまえはルールを守らないからだめだ

S: ルールってなによ!

Y: あの車のなかで飯を食うのは禁止なのに いつもなにか食ってるじゃないか

S: ご飯なんか食べてないわよ! チョコとかポテトチップとかじゃないの!

Y: 同じことだ ボロボロとカスをこぼしやがって 本当は飲みものも禁止したいくらいなんだが それは許可してるんだ 食うのくらい我慢しろ

S: あんたって本当にバカね! 乗りもしない車に そんなに神経質になっちゃって!!

Y: だいたい あんなでかい車は日本には向いてないんだ コンバーチブルじゃなおさらだ 

S: 日本に向いてない車なんか買うんじゃないわよ!! 本当バカ!!

Y: いいんだ 男のロマンだ 男のステータスだ 女のおまえにはわからん世界だ 乗るために買ったんじゃない 鑑賞するためだ あの車を眺めて酒をのむためだ あの車と一緒に夜を明かして愛を語り合うためだ あの車のボディラインを前方斜め下から眺めるとだな……

S: はいはい あんたのロマンに付き合っていると朝になっちゃうから もういいわ

Y: いいか あの車はな おれの大好きなナッ……


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